今日は予想通り慌ただしい一日でした。
でも、予定より早く仕事を終える事が出来ました。
すべてをやり終えたわけではありませんが(汗)、私が早く部屋に戻れるよう色々と気を使っていただいたので、その好意に甘える事にしました。
空を見上げれば、少し欠けた月が浮かんでいます。

…こうやって見ると丸く見えますが(汗)、肉眼では確かに少し欠けていました。
月明かりの下、私は先日の見取り稽古を思い出しながら、一人腕を振っていました。
でも、上手く形になりません(苦笑)
「自分の身ぐらいは自分で守れないと迷惑…か…。これ以上迷惑かけないようにしないといけないな…。」
「おやおや…ずい分と精が出ているようですが、こんな夜更けに一人でいたら怒られてしまうのではないですか?先日もなにやら問題を起こした様子、ふふっ…土方君が頭を抱えていましたよ。」
「山南さん…はい…すいません…我が儘を言って沖田さんと斎藤さんを困らせてしまいました。」
「見取り稽古の事ですか?沖田君は久しぶりに斎藤君と手合わせが出来たというのに、土方君がまた邪魔をしたと…ずい分と膨れていましたよ。斎藤君もつい熱くなり過ぎたと反省してる様子。しかし…二人ともいい顔をしていました。」
「でも…迷惑をかけたという事には変わりありません。」
「迷惑ねぇ…沖田君にけしかけられた…が正解ではないかと私は思いますが、君がそう思うのなら次からは気をつける、それでいいのでは?…風が冷たくなってきました。さぁ、部屋にお戻りなさい。」
私は山南さんに言われるまま、部屋に戻る事にしました。
「沖田君や永倉君、井上さんに続いて君まで風邪をひいてしまっては困った事になります。温かくしてお眠りなさい。」
「山南さん。」
「なんですか?」
「あの…大丈夫…ですよね?」
山南さんは何が…とか聞きませんでした。
私の言いたい事に気がついているのかいないのか…いつもの優しい顔で笑っています。
「今晩は月明かりが君を眠りに導いてくれます。ゆっくりとおやすみなさい。何も考えずにね…。」
「はい…おやすみなさい。」
私は素直にお布団に潜り込み、強く目を瞑りました。
(胸騒ぎがするのはきっと…月の光を浴びたせいだ。月の光が私を狂わせようとしている…きっとそうだ…。)
だから言いかけた言葉は飲み込んで、胸に沈めてしまおう。
あの…沖田さんはただの風邪ですよね。ただの風邪だから…大丈夫…ですよね?
今晩の私は狂い始めている。
眠ってしまえば、夜が明けて目が醒めて太陽の陽を浴びれば、何もかもが解決するはず。
だから…眠ろう。