日記を書き始めて数日が経ちました。
まだ要領がよくつかめないのですが…ここには色んな人達がいるんですね。
同じ名前の人がたくさんいて、誰一人同じではない。
皆さまの日記を拝見して、色々考えさせられたり関心したりため息が出たり少々厭きれ…いえ!なんでもないです(汗)。
そうですね…そう!十人十色なんです(笑)。
今はいろんな方の日記を渡り歩き、面白かったと思った時は足跡を残して…の繰り返しです。
皆さまの記事を読むと同時に、自己紹介も合わせて拝見しました。
その中で一つ気になったものがあります。
『あめんばー』
このあめんばーの欄にたくさんのお名前を連ねている方もいれば、ごく数人の方もいます。
あめんばーの説明書きは
『特定の人に限定した記事を見せる事が出来る機能です』
とあります。
特別な日記が読める仲という事は、あめんばーとは特別な人…という意味でしょうか?
…
……
………考えていてもわからないので、土方さんにお伺いしてみましょう。
「土方さん。」
「なんだ?」
「……ごめんなさい、なんでもないです。」
「ちっ…何でもないなら俺にいちいち声をかけるな。!」
仕事が忙しくて、質問すら出来そうにありません。
私は軽く会釈をして、その場を離れました。
(山南さんも今はお忙しい時間だし、平助君は巡察中、原田さんと永倉さんは道場にいるかな?)
道場へと向かう途中、斎藤さんが廊下に佇んでいる姿を発見しました。
「こんにちは斎藤さん。今日は非番ですか?」
「雪村か?ちょうどよかった。友人に文を送りたい。あんたの硯を借りに行くところだった。」
「硯ですか?」
「俺の硯は新八の馬鹿力で真っ二つに破壊された…。」
「…お気の毒さまです。」
硯を割るなんてどんな状況だったんだろう…込上げる笑いを堪えながら、私は自分の硯を斎藤さんに手渡しました。
「斎藤さん。あの、ひとつ質問してもいいですか?」
「なんだ?」
「特別な人って…どういった人の事を指すんでしょうね?」
「特別…それは人それぞれ違うであろう。尊敬する師、心の支えである家族、心許せる友人、愛おしいと思う者…それがどうした?」
「あのですね…」
私は斎藤さんに事情をお話する事にしました。
「そうだな…多くの人間と関わる事に喜びを感じる者もいれば、『大切に思う者』を中心に関わろうとする者もいるだろう。おそらく人数が多い少ないの問題ではない。あんたが誰と関わりたいのか、誰を『大切と思う』のか、それが一番重要だと俺は思う。」
「『大切に思う人』…。そうか!大切な人が特別な人、私が大切と思う人に『あめんばー』になってもらえばいいんですね。」
「欲するだけでは手に入らぬ。自ら行動し『大切』と思える友を探す事が先決だろう。あんたが誰かのあめんばーとやらになりたいと思うように、出会った誰かがあんたのあめんばーになりたいと思う。心通じ合うを見つけたのなら、その絆を大切にしろ。それはあんたの人生の中で、きっとかけがえのない存在になる。」
斎藤さんは薄く笑みを浮かべ、硯を手に自分の部屋へと戻って行きました。
「『大切』と思える特別な人、私にもちゃんと…見つかるかな。」
まだまだわからない事ばかりですが、この場所で私の『大切で特別な人』を見つけてみたいと思います。
でも…
特別な日記って…どんな事を書けばいいんでしょうね?