第271話「警察犬ブラック」(通算第481回目)

放映日:1977/10/7

 

 

ストーリー

田口はドッグフードを携えて警察犬訓練所を訪れ、ジュンとブラックと再会した。

田口は警察犬訓練士(三上剛さん)にドッグフードを差し入れた。

訓練士によると、ブラックは非常に強情で、未だに以前の主人を忘れられず、訓練士の指示を全く聞き入れなかった。

田口と岩城は佐竹大造(小林重四郎さん)の屋敷を警護した。

佐竹はボディガードを連れて屋敷を出発したが、田口と岩城に尾行されていた。

佐竹が狙われているという情報は、佐竹がボディガードを増やしていることから、真実である可能性が高くなった。

佐竹は株の買い占め、乗っ取り、金に関する情報には何でも手を出すと言われており、敵が多かった。

佐竹はボディガードと共にビルを訪れた。

田口と岩城はビルのエレベーター内で、ブラックによく似たレオという黒いシェパードを盲導犬として連れている、友田正毅(西田健さん)という男と一緒になった。

田口と岩城と友田は会場のある5階でエレベーターを降りた。

田口は友田が普通に落ちた煙草を拾っていることを疑問に思った。

佐竹が秘書の相崎(矢吹渡さん)とボディガードを連れ、会場に到着した。

友田は田口が自分から目を離している隙に、佐竹に向けてレオを放ち、サイレンサー付き拳銃を乱射したが、佐竹の殺害には失敗した。

友田は非常階段を下って逃走中、レオに田口と岩城を威嚇させ、追跡を妨害した。

レオは首輪から出た音で田口と岩城への威嚇を止め、友田の運転する自動車に乗り、友田と共に逃走した。

田口は友田の自動車に発砲しようとしたが、一般市民が来たために失敗した。

友田は犬を利用した殺し屋だった。

友田が逃走に利用した乗用車は、3日前に届出が提出されている盗難車だった。

岩城はレオが手掛かりではないかと意見した。

明子がブラックを連れ、一係室に入った。

田口はブラックを呼び、友田が現場まで来た侵入経路を辿ることを発案し、藤堂から許可を貰った。

田口はブラックを連れ、捜査を開始した。

ブラックは空き地で吠え、反応を示した。

田口はその空き地に2種類のタイヤ痕があることから、友田が空き地で逃走用車両

を乗り換えたと推理した。

田口は空き地に落ちていたタバコの吸殻を回収し、2本あることから、もう1本が友田の仲間か、佐竹殺害の依頼者ではないかと考えた。

友田はブラックが高速道路で追跡を中断したことから、高速道路に乗って逃走したと思われた。

友田は葵テニスクラブでレオに時限爆弾を咥えさせ、殺害の依頼者が後部座席に乗っている自動車に戻った。

友田は依頼者に佐竹の暗殺方法の予行演習をしていた。

友田は無線装置でレオの首輪に指示を与えていた。

レオは物置小屋で爆弾を落とした後、逃走した。

依頼者は暗殺方法を確認した後、報酬を手渡し、今度は暗殺に失敗しないように念押しした。

依頼者は暗殺が1度失敗したため、報酬を少額にしており、暗殺が成功した場合、報酬を20%上乗せして手渡すことを約束した。

友田は煙草を運転席に落とした。

島は岩城に、ブラックが犯罪に利用されたが、ジュンに救出され、代わりに窮地に陥った田口とジュンを救出したことを説明した。

佐竹は病気を口実に、捜査員に会おうとしなかった。

野崎は佐竹の娘婿でもある相崎と会ったが、特に犯人として思い当たる人物がいないようだった。

佐竹を恨んでいる人物は多数いるが、直接手を下すほど勇気のある人物は皆無であると推測された。

煙草の吸殻の唾液の血液検査の結果、友田と依頼者の血液型がAB型であることが判明した。

警察犬訓練所から一係室に、ブラックがまだ正規の実働犬ではないという電話が入っていた。

田口はブラックが強情で未だに訓練士に懐いていないことを理解していたが、訓練士の方がブラックを嫌うからブラックが懐かないのではないかと意見した。

田口はブラックを連れ、佐竹邸の張り込みに向かった。

藤堂はプロの殺し屋をリストアップすることを決定し、捜査員に前科者だけでなく、証拠不十分で不起訴になった者も含めて徹底的に捜査するように指示した。

友田が佐竹邸に接近し、レオに筒状の時限爆弾を咥えさせた。

友田は佐竹邸を一望できるビルの屋上から、無線機でレオに指示を与え、レオを塀から佐竹邸に侵入させた。

ブラックはレオの足音を感じ取り、田口は友田を発見した。

レオは佐竹邸の前に時限爆弾を置き、走り去った。

ブラックは出動し、レオと鉢合わせした。

ブラックは爆弾を回収しようとしたが、再びレオと鉢合わせしてしまい、レオから逃走した。

田口はビルの屋上に急行したが、友田は梯子で階下に降りていた。

ブラックとレオが空き地で揉み合いになった直後、爆弾が爆発し、レオが重傷を負った。

ブラックはレオの傷を舐めていた。

レオは警察犬訓練所で傷の治療を受けていた。

レオの首輪にはスピーカーが付いており、命令を音に変換する仕組みになっていた。

レオはプッシュフォンの音に著しく反応し、吠えた。

田口はプッシュフォンの音がレオを操る信号音であると断定した。

田口はブラックにレオを操る信号音を教え込むことを提案し、明け方まで実験した。

ブラックは友田の乗用車を追跡し、葵テニスクラブの物置小屋まで田口を誘導した。

田口は友田を逮捕しても、依頼者が不明であればどうにもならないため、ブラックをレオに仕立てて潜入させる作戦を決行した。

戻ってきた友田はブラックをレオと思い込み、潜伏する物置小屋にブラックを招き入れた。

ブラックは物置小屋に接近する田口に反応してしまった。

友田は田口に気付き、ブラックに田口を追跡させた。

田口はブラックに腕を噛むように促した。

岩城は田口が出勤の時間になっても現れないことから、藤堂に田口がブラックに信号音を教え込ませていたことを報告した。

島はブラックが廃犬処分になるのを恐れ、優秀な警察犬であることを証明しようとした田口が危険な賭けに出たのではないかと述べた。

岩城は田口が遅番で拳銃を所持していないことを不安に思った。

山村は佐竹を最も憎んでいる人物が、娘婿で秘書の相崎であるという情報を入手した。

相崎は佐竹の娘に気に入られて結婚していたが、佐竹には全ての行動を気に入られていなかった。

相崎は佐竹が死亡すると強大な権力と財産を掌握することができた。

田口は友田により、物置小屋に捕縛されていた。

友田は犬を殺人の道具としてしか認識しておらず、人間も裏切るという理由で信用していなかった。

友田はブラックの首輪に爆弾をセットし、抵抗する田口に暴行を加え、気絶させた。

友田はブラックに逃走を促し、小屋内にガソリンを撒き、ライターで点火して田口を焼き殺そうとしていた。

ブラックは一旦物置小屋から逃走するも、物置小屋に戻り、田口の顔を舐めて起こさせた後、友田の乗用車に戻った。

ブラックは友田が落とした煙草の吸殻を回収した。

田口は何とか燃え盛る物置小屋から脱出し、藤堂に病院に爆弾を付けたブラックが接近していることを連絡した。

佐竹は城南中央病院の307号室に入院し、野崎に張り込まれていた。

相崎は307号室の窓から、城南中央病院の向かいのビルにいる友田に密かに合図を入れていた。

友田はブラックを、外通路から病室のテラスに侵入させた。

山村は佐竹と相崎に、爆弾を着けたブラックのことを話したが、佐竹に信用されてもらえなかった。

直後、ブラックが佐竹の病室に突入した。

相崎は山村から、犬がレオではなくブラックであることを示唆され、石塚に病室での待機を指示された。

友田は相崎からの合図を確認したが、島と田口と岩城に追い詰められた。

友田は病室にいる犬がレオではなくブラックであることを知り、爆弾の起爆装置を押し、ブラックも佐竹も殺害しようとした。

友田は島から、爆弾を押せば、依頼者の相崎も爆死し、報酬が貰えなくなると警告した。

友田は大阪で殺人事件を起こしていたが、証拠不十分で釈放されていた。

友田はレオに島達の殺害を指示したが、レオは田口に助けられたことで指示を聞かず、じっとしていた。

島と田口と岩城は友田を逮捕し、山村に連絡した。

山村は爆発物処理班にブラックの爆弾を撤去させた。

石塚はブラックに煙草の吸殻を嗅がせ、臭いのするものに吼えるように指示した。

相崎はブラックに吼えられ、殺害の依頼者であることを認め、野崎と石塚に逮捕された。

田口は藤堂に、ブラックが実働犬に昇格したため、レオを欠員のできたテスト犬に採用することを進言した。

 

 

 

メモ

*「刑事犬対ギャング犬」に登場したブラックが再登場。同作の映像も流れた。

*後の山田鑑識課員こと三上氏は、今回は警察犬訓練士の役。

*ブラックとレオは非常によく似ており、首輪が無ければ分かりにくい。

*犬を殺人の道具として利用する殺し屋の友田。「人間は裏切るからな…」の言い方から、過去に何かがあったことが推測できるが、本編では触れられず。

*ブラックが友田の乗用車の後部座席に座るシーンでは謎のBGMが使用されている。

*ラスト、単独問題行動を起こしたボンを2,3発殴ろうとするボスだが、ブラックに懐かれて取りやめに。

*ブラックは警察犬に昇格したが、その後はレオ含めて登場していない。

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)

藤堂俊介:石原裕次郎

田口良:宮内淳

岩城創:木之元亮

野崎太郎:下川辰平

 

 

矢島明子:木村理恵

友田正毅:西田健、相崎秘書:矢吹渡

佐竹大造:小林重四郎、警察犬訓練士:三上剛(後の三上剛仙)

ジュン:ハディーラ・ホム・ヒンメルブラウ、ブラック:エデラ・ホム・トウキュー、レオ:エレホン・トウキュー

 

 

石塚誠:竜雷太

島公之:小野寺昭

山村精一:露口茂

 

 

脚本:四十物光男、小川英

監督:櫻井一孝