第256話「ロッキー刑事登場!」(通算第466回目)

放映日:1977/6/17

 

 

ストーリー

岩城創(木之元亮さん)が警視庁機動救助隊から七曲署に着任することになった。

岩城が一係室に到着し、自己紹介をした。

岩城は山登りが趣味で、当分休暇を貰えないと思い、10日間白馬岳の雪渓を見ていた。

岩城は藤堂に、防弾チョッキの許可証を申請した。

強盗犯の浅井安夫(高橋英郎さん)と田島常男(小杉治さん)は、松村銃砲店の経営者(山本武さん)をナイフで脅迫し、殴り倒した後に金庫の中のアタッシェケースから拳銃を強奪した。

銃砲店の店主は直結警報機を押していた。

矢追町松村銃砲店の電話線が切られていた。

藤堂は銃砲店に捜査員を出動させた。

岩城は石塚に連れられ、現場に出動した。

石塚は覆面車内で岩城に、防弾チョッキに拘る理由を質問し、着用していたら行動が鈍くなると諭した。

石塚は岩城に、銃撃戦に備え、拳銃の点検を命令した。

岩城はかつて犯人に発砲された過去を思い出していた。

石塚は松村銃砲店の開店時刻であるにもかかわらず、閉まっていることから異変を察知し、銃砲店からオートバイで逃走する浅井と田島を追跡した。

山村と島は銃砲店に入って行った。

松村銃砲店は競技用の拳銃を取り扱っていた。

石塚と岩城、野崎と田口は資材置き場に逃げ込んだ浅井と田島を追跡した。

岩城は田島に飛びかかり、田島を組み伏せようとしたが、浅井の発砲に動揺し、石塚の命令も聞かず、ドラム缶の陰に隠れてしまった。

浅井は田島の逃亡を促すため、石塚に発砲した。

田口は岩城に援護を指示し、田島を逮捕しようと飛び出したが、浅井に左足を撃たれてしまった。

岩城はオートバイで逃走した浅井と田島を追跡したが、逃げられてしまった。

石塚は岩城に、撃っていれば田口が負傷しなかったと激怒した。

岩城は防弾チョッキさえ着ていれば撃っていたと反論し、捜査員が防弾チョッキを着ないのかと抗議したため、石塚に殴られてしまったが、それでも自分の意見を譲ろうとしなかった。

浅井と田島が強奪した拳銃はワルサーオリンピックモデルで、昨夜に空輸され、松村銃砲店の金庫に一晩だけ保管されていた。

オートバイは盗難車だった。

犯人は松村銃砲店の内部事情に詳しいため、容疑者がかなり絞られた。

山村は浅井と田島が拳銃を強奪した理由について、殺人であると推測し、スポーツピストルであればライフルと同じくらい狙いが正確で、携帯が便利であるという意見を出した。

石塚は松村銃砲店でスポーツピストルが入荷しているのを知っている者のリストを提出した。

リストの中の横堀司郎は標的を収める会社のアルバイトの従業員だったが、10日前に交通事故で死亡していた。

横堀はかなりヤクザっぽく、銃器にも興味を持っていた。

岩城は入院中の銃砲店の経営者に聞き込みに行くという電話を入れていたが、入院中の田口を見舞っていた。

岩城は北海道の漁師だったが、北海道の海に転落すると、10秒も経過しないうちに凍死するため、泳げなかった。

田口は落胆する岩城を励ましていた。

岩城は田口に、購入したカナディアンロッキーのパネルを贈った。

岩城は田口が入院した病院の看護婦に知られていた。

石塚は田口の病室を訪れ、田口に食べ物を差し入れた。

石塚は田口が撃たれたのを岩城のせいだと思っており、岩城が刑事になりたてであることも分かっていたが、岩城だけは拳銃の前に出ても手も足も出ないと考え、刑事として不適格だと判断していた。

田口は石塚に、岩城が1年前(1976年頃)、三の輪署の刑事だった頃、犯人に拳銃で胸を撃たれ、命を落としかけたことを告げた。

石塚は三の輪署を訪れ、鍋島刑事(永井玄哉さん)から話を聞いた。

岩城が重傷を負った日は、刑事になってまだ3日目の日だった。

その日、鍋島と岩城達は拳銃を持ったチンピラを追跡し、追い詰めていた。

岩城は鍋島の制止を振り切り、チンピラを説得しようとしたが、混乱したチンピラに胸を撃たれてしまった。

岩城は入院1ヶ月を経て、三の輪署に戻ったが、すっかり自信を喪失してしまっていた。

県警から、10日前に死亡した横堀の資料が七曲署に届いた。

横堀は3年前(1974年頃)に大阪の少年院を脱走した3人組の1人で、残りの2人が浅井と田島だった。

石塚は岩城を連れ、浅井のアパートに突入したが、部屋にはいなかった。

浅井の部屋の押し入れから、1977年6月17日から6月26日にかけて開催される、室井智成(新井和夫さん)新作発表会のポスターが発見された。

室井のポスターには弾痕があった。

石塚と岩城は室井智成フォトスタジオで、室井と対面した。

室井は多忙で、明日の新作発表会の準備のため、徹夜で飾り付けをしていた。

室井は銃器の趣味が無いと話したが、石塚から浅井と田島と横堀について心当たりがないかと尋ねられた際に一瞬動揺し、知らないと誤魔化した。

室井は先週の日曜日、富士の西湖にある別荘に3日間滞在し、日曜日の朝に帰って来た。

室井は別荘を去った時間をはぐらかした。

横堀は先週の日曜日の午前8時30分頃、西湖寄りのハイウェーで、オートバイのままガードレールを飛び越えて死亡した。

室井は頑固に、横堀とは会ったことがないと主張した。

石塚と岩城は室井の発言に嘘を感じ、室井を調査した。

石塚は藤堂に、岩城を事務系統の職業に回すように進言したが、藤堂から岩城を刑事失格と断言するのは速すぎるという意見を受けた。

石塚の意見は現場の捜査だけが刑事の仕事だけではなく、岩城に向いた職場を与えた方が良いというものだった。

岩城は約1年間、危険を冒し、15人の人命を救っており、刑事に復帰したのも、岩城自身の志願だった。

藤堂の意見は、人間の能力が生理的や身体的な面だけで計り知れるものだけではなく、そう思わなかったら岩城を引き入れなかったというものだった。

山村は岩城が1年前、自分を撃った犯人のチンピラの減刑を願い、裁判に欠かさず傍聴していることを高評価していた。

岩城は今日の午後2時、その裁判の判決に出席していた。

石塚は東京地方裁判所から出た岩城に話しかけた。

チンピラの刑は殺人未遂となり、懲役6年だった。

岩城はチンピラが大した前科もなく、生まれて初めて拳銃を持ったことから、不用意に飛び出したことをミスと感じ、法廷でもそのように証言していた。

石塚は岩城にとって防弾チョッキが、護身用の道具ではなく、相手に殺人や殺人未遂を犯させないためにも絶対に必要なものだったと直感した。

岩城はどんなに危ない山でもミスをしても、1人であれば自分が死亡するだけで済むため、いつも単独で登山をしていたが、刑事の仕事ではそれでも足りないことを痛感していた。

石塚は岩城に、実は拳銃が怖いのではないかということを突きつけ、素直に怖いと言えない岩城を叱咤した。

石塚は岩城に、チームワークを組んで相手と対決するのは、死亡する危険がいつも存在するからであること、息の合った仲間のチームワークが防弾チョッキよりも頼もしく、確実に1人1人を守ってくれると言い聞かせ、富士の西湖に聞き込みに行くように指示した。

岩城は山梨県富士五湖署西湖派出所の警察官から、ハイウェーに3台のオートバイがジグザグに走行したタイヤの痕跡がはっきりと残っていたことを聞いた。

事故はその直後、1台が転倒して発生したと思われた。

横堀は西湖中央病院の診断書によると、脳天を骨折し、即死していた。

農夫(里木佐甫良さん)は午前8時30分頃、横堀が崖下に転落し、浅井と田島に抱き起されたが、浅井と田島が横堀を放り出し、東京方面に走行した光景を目撃していた。

農夫は直前、室井の青い外車とすれ違っていた。

横堀と浅井と田島は室井の外車を執拗にからかったが、横堀が運転を誤ってガードレールに激突し、崖下に転落して死亡していた。

浅井と田島は警察に横堀の死を通報せず、今日の午前10時の新作発表会会場にて、室井を殺害すると推理された。

岩城は山梨県富士五湖署を訪れ、徳田刑事(金井大さん)と会った。

徳田は石塚から電話で事件の推理を聞かされていたが、冷静に対処し、岩城を引き止めていた。

石塚は浅井と田島が新作発表会会場で室井を殺害しようとしていることも既に見抜いていた。

徳田は石塚から、岩城が銃撃戦に巻き込まれることを心配し、会場に岩城を行かせないように依頼されていた。

岩城は午前7時50分頃、富士五湖署を飛び出し、室井の新作発表会会場に直行した。

石塚と島は会場を張り込んでいた。

室井は頑として会の中止を承知しなかった。

岩城は藤堂に目撃者を探し当てたこと、新作発表会に聴講することを連絡した。

午前10時、室井の新作発表会が開催された。

石塚は会場外、島は覆面車内、山村と野崎は会場内で待機していた。

浅井と田島は赤い乗用車で会場に向かおうとしていた際、強引に検問を突破した。

島は藤堂から検問突破の連絡を受けた。

石塚はライフルを用意し、狙撃の準備を整えていた。

岩城が会場に到着し、浅井と田島を追跡した。

石塚は岩城を引き止めた。

浅井と田島は新築のビルの屋上に逃げ込んだ。

藤堂が現場に到着し、石塚から説明された。

ビルには入居者がいなかったが、出入口が1つしかなかった。

浅井と田島は大量の弾を用意し、捜査員に室井を呼ぶように要求した後、発砲してきた。

藤堂は負傷者を出さないように、チャンスを待つ計画にした。

岩城は覆面車のトランクからロープを取り出した。

岩城は藤堂から防弾チョッキを手渡されるが、着用すると重すぎてロープに乗れないことから、防弾チョッキを返却した。

浅井と田島は何人でも殺害すると宣告した。

石塚は日本住宅公団アパートの屋上に移動し、狙撃の態勢を整えた。

岩城は浅井と田島の籠城するビルの隣のビルの屋上からロープを張り、渡ってビルに潜入しようとしていた。

浅井と田島は岩城の存在に気付き、岩城に発砲したが、石塚のライフルで拳銃を撃ち落とされた。

岩城、野崎と島がビルに突入し、浅井と田島を逮捕した。

 

 

メモ

*スコッチ転勤の欠員補充で、ロッキーが着任。警視庁レスキュー隊出身。

*OPのタイトルバックがメインタイトル除き全面的に変更。ボンが殉職する「13日金曜日 ボン最期の日」までの約2年間にわたり使用され、「太陽」最長のタイトルバックとなった。しかし、ゴリさんのカットのみ、2話後の「愛の追憶」から変更される。

*着任時、ドアを外開きだと勘違いし、引っ張って壊してしまうロッキー。

*浅井の発砲で過去の拳銃に撃たれたトラウマが甦り、さらになぜ捜査員全員が防弾チョッキを着ないのかと抗議したため、ゴリさんに2発殴られるロッキー。次回の「山男」では山さんに殴られてしまう。

*「カナディアンロッキーを縦走するのが自分の夢」と語るロッキー。その夢は「忘れていたもの」で叶えるが……

*着任直後のロッキーは住所不定で、七曲署で寝泊まりしており、食事も屋上でしていた。アパートに住み始めるのは「宝くじ」から。ゴリさんに「住所不定の刑事なんて聞いたこともない」と罵られる。

*拳銃や防弾チョッキ、登山のロッキーの意見はなかなか合理的。

*ロッキーが浅井と田島を追跡しようとしてゴリさんに引き止められるシーンの際、「ゴリさん」と言うのを誤って「竜さん」と言ってしまっている。

*「ロッキー」のあだ名の命名者はボス。

*ボンは今回、なぜか足に銃撃されて入院した後、中盤と後半に全く登場しない。

*一旦拳銃恐怖症を克服したように見えたロッキー。しかし、「帰ってきたスコッチ刑事」で再発してしまう。

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)

藤堂俊介:石原裕次郎

田口良:宮内淳

岩城創:木之元亮

野崎太郎:下川辰平

 

 

矢島明子:木村理恵

徳田刑事:金井大

浅井安夫:高橋英郎(高橋英三郎)、田島常男:小杉治、室井智成:新井和夫(現:新井量大)、鍋島刑事:永井玄哉

農夫:里木佐甫良、叶杏子、銃砲店経営者:山本武、竹内靖

オートバイスタント:萩前弘信、ジャパン・アクションクラブ

 

 

石塚誠:竜雷太

島公之:小野寺昭

山村精一:露口茂

 

 

脚本:小川英、四十物光男

監督:竹林進