第125話「友達」

放映日:1974/12/6

 

 

ストーリー

日曜日、三上は就寝していたが、九州の高校時代の親友で同居人の八木英之(小倉一郎さん)に叩き起こされた。

自宅に、八木の恋人の高宮圭子(高木彩さん)が料理を作りに訪れてきた。

八木は旅行社に勤務していた。

三上は高宮に刑事であることを伝えたが、高宮の表情が暗くなった。

三上は山村に高宮のことを相談したが、山村は高宮に刑事に知られたくない何かがあると答えた。

相田光輝(綿引洪さん)は自宅に入室した直後、ゴルフクラブで後頭部を殴られて死亡していた。

相田は無職だったが、豪勢な生活をしていた。

ベッドのマットレスから相田の手帳が発見された。

手帳には人名のイニシャルと電話番号と数字が記載されていた。

ゴルフクラブからは相田の指紋以外発見されなかった。

捜査員は手帳の電話番号に該当する人物を捜査していたが、全員相田のことを知らないと怒り、相田との関係を否定した。

山村と三上は電話番号の一つである若葉荘に向かったが、若葉荘の住人の中でイニシャルの「K・T」に該当するのは、3号室に住んでいる高宮だけだった。

高宮は相田のことを知らないと言ったが、山村は独身の高宮が相田に電話番号を教えているのに不審を持った。

三上は帰宅した。八木は高宮が自分との結婚を承諾したため、高宮と共に九州に帰郷することになっていた。

三上は八木に相田の手帳に高宮の電話番号が記載されていることを教えた。高宮は昔のことを八木にも教えていなかった。

山田商事の課長が遺書を残して自殺を図ったが、一命を取り留めた。

課長は愛人のために会社の金を横領していたことを相田に恐喝され、2万円ずつ強請られていた。

課長は警察関係者が捜査してきたのを見て絶望していた。夫人は何も知らなかった。

課長は相田が殺害された29日には、会社の社内旅行で湯河原に行っていた。

夫人は課長が気の小さい人物で殺人をできないと確信していた。相田の手帳に記載された数字は、1ヶ月あたりの強請の金額だった。

相田は相手の生活を脅かさない程度に少額を強請っていた。高宮は3万円を強請られていた。

三上は高宮に、相田に強請られていたのかと尋ねたが、高宮は否認した。高宮は29日に会社に出勤していた。

若葉荘の大家(長浜藤夫さん)は、29日に高宮が午後7時に帰宅したが、黄色い服を着て風呂に出かけているところを目撃していた。

「K・H」は金持ちの夫人だが、車で人をひき殺していた。亭主の社会的地位のために示談にしたが、それを相田に嗅ぎつけられていた。

「S・N」は女子大生だが、スーパーで1回万引きしたことを相田に強請られ、毎月5000円ずつ強請られていた。

2人とも確実なアリバイがあった。

29日の夜に、相田のマンションを訪ねた客の1人が、相田の部屋に黄色い服を着た若い女が入ってきたことを目撃していた。

相田が出前を取っていた「栄寿司」の店員(内藤栄造さん)は、午後9時頃に相田宅から桶を回収しようとした際に女性の手が桶を差し出したことを記憶していた。女性の手首には火傷の跡があったが、相田に強請られていた被害者の一人に手に火傷の跡がある主婦がいた。

三上は高宮が犯人でなかったことを喜んでいた。

三上は主婦の団地に急行したが、主婦は三上が走っていくのを目撃していた。三上は部屋に入ったが、主婦にバットで後頭部を殴られた。

山村と石塚は部屋に直行し、三上を発見した。三上は主婦に拳銃を奪われていた。団地の公園で5分前に子供が主婦を目撃していた。

主婦は拳銃を持ってスーパーに買い物に出かけていた。

主婦はスーパーで破壊行為をした際に店員に注意され、店員に銃口を向けたが弾は出なかった。

しかし、主婦は拳銃で店員の右足を銃撃した。

山村と石塚はスーパーに急行し、店員を救出した。

密かに三上もスーパーに駆けつけ、主婦を逮捕した。

主婦は相田の殺害を自白した。

主婦は1度別の男と交際したことで相田に金を強請られ、売春を強要されていた。

島は相田が銀行の貸金庫に隠していたものを提出した。

貸金庫の中には万引きの始末書のコピー、不倫の現場写真、交通事故の示談書のコピーが入っていたが、高宮の証拠品として高濃度のモルヒネ入りの注射器も入っていた。

山村は三上に高宮の履歴書のコピーを見せた。

高宮は高校を卒業後に看護学校に入り、卒業後に看護婦として勤務していたが、履歴書に看護婦をしたことが記載されていなかった。

山村は三上に高宮の事件を任せ、自分たちが刑事であると忠告した。

三上は高宮が勤務していた病院に向かった。

看護婦によると、高宮は病院長の息子の医師が市民病院から引き抜いてきた人材で、患者からの評判は良かった。

高宮は2年間在籍していたが、医師が注射の打ちすぎによるモルヒネ中毒で死亡してから辞職していた。

医師のモルヒネ中毒死は事故死として処理されていたが、事件の第一発見者は、当時病院に入院していた相田だった。

三上は帰宅したが、アパートに帰郷寸前の八木と高宮がいた。

八木は三上に、高宮が相田に強請られていた理由を説明した。

八木は高宮を信じていた。

モルヒネの入った注射器の指紋と高宮の指紋が一致し、藤堂は高宮の逮捕状を申請していた。

三上は高宮を逮捕したくないために、高宮の居場所を藤堂に報告することを拒み、一係室を飛び出した。

八木と高宮は九州行の列車に乗っていた。

三上は一人で九州に行き、高宮を逮捕する決意を固めた。

三上は飛行機で九州に向かい、最寄駅で高宮を連行した。

高宮は医師のモルヒネ中毒が悪化して、医師が自分にもモルヒネを打つようになり、逃走したが、そのたびに連れ戻されたため、高濃度のモルヒネを注射したことを自供した。

居酒屋で酒を飲んでいる三上のもとに、再び東京に戻った八木が現れた。

三上は自分の拳銃でスーパー店員が撃たれたことを理由に辞表を出したが、藤堂はスーパー店員の見舞いに行くように命じた。

 

 

メモ

*「マカロニ・ジーパン そしてテキサス」にて、テキサスに同居人の男性がいることが言及されたが、今回はその同居人が登場。

*八木を演じたのは小倉一郎氏。小倉氏は勝野氏の「太陽」降板後の主演作「俺たちの朝」でコンビを組んでいる。(もう1人の主演は令子こと長谷直美氏。)

*八木は後に「訣別」にも登場するが、演者が関川昇(現:関川慎二)氏に変更され、キャラも変更されている。 

*八木が「三上の料理を食べたら死んでしまう」と発言。「顔」にてゴリさんはテキサスの食事を食べているが、非常にまずかったらしい。

*今回の犯人の女は強請られていたとはいえ、開き直ってスーパーで破壊行為をするわ、容赦なく拳銃を発砲するわでかなり卑劣で、相田と同じレベルの悪党。

*今回は「審判なき罪」と同時撮影。「審判なき罪」に引き続き、綿引氏が出演。

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)

藤堂俊介:石原裕次郎
三上順:勝野洋
島公之:小野寺昭
野崎太郎:下川辰平

 

 

長山久子:浅野ゆう子
八木英之:小倉一郎
若葉荘大家:長浜藤夫、高宮圭子:高木彩(現:相原ふさ子)、主婦:吉田未来
相田光輝:綿引洪(現:綿引勝彦)、平林喜美江:加藤真智子、高山秀雄
田川恒夫、栄寿司店員:内藤栄造、岸野小百合、岩崎智江、中島公子、矢野勇生

 

 

石塚誠:竜雷太
山村精一:露口茂

 

 

脚本:鎌田敏夫
監督:山本迪夫