第92話「シンデレラ刑事」

放映日:1974/4/19

 

 

ストーリー

野崎は麻薬の取引現場を押さえるために河川敷を張り込んでいた。

そこに浮浪者風の男が現れ、ゴミを回収していた。

男は小屋の近くに時限爆弾入りの紙包みを置いて去った。

石塚が張り込みの交代で河川敷に到着した。

野崎は車で帰還しようとしたが、石塚が車の鍵を忘れ、野崎に鍵を渡そうとした瞬間に爆弾が爆発し、石塚は軽傷を負った。

鑑識の報告によると、爆弾はタイマー付きのダイナマイト3本であった。

藤堂は野崎と石塚に対し、関連した事件から、自分を恨んでいる前科者を探すように命じた。

藤堂は他の捜査員には、現場の聞き込みや浮浪者探し、ダイナマイトの出所探しを命じた。

柴田の報告により、本庁の人事課に野崎の警官時代の前歴を詳しく聞き出していた男がいたことが判明した。

藤堂は野崎に拳銃を携帯しての帰宅を命じたが、野崎は拒否して帰宅した。

柴田は野崎を心配し、尾行した。

野崎は帰宅寸前に柴田に気づき、自宅に上がらせた。

俊一(石垣恵三郎さん)は4月から高校生であった。

野崎と柴田が酒を飲んでいる最中、オートバイのバックファイヤーが聞こえた。

良子(井岡文世さん)は、テレビのニュースにて高畠という親子が遺産の相続で揉めていることを話した。

高畠は道楽息子に譲渡するより、会社を解散して、昔恩がある警官に譲渡しようと考えていた。

一係室に大量の記者(小倉雄三さん、永谷悟一さん)が詰め寄った。

野崎は23年前(1951年頃)に堀川町の交番で巡査をしていた頃、高畠商事の社長である高畠英明を無銭飲食で逮捕したことがあった。

その時に野崎は高畠に対し、食事を用意したことから、高畠は野崎を恩人に思い、20億円を譲渡する決意を固めていた。

野崎は悪質なイタズラと考え、高畠と面会することにした。石塚も同行した。

山村は野崎を狙う動機に遺産相続が絡んでいると考えていた。

容疑者に父親と仲違いしている息子の信一が浮かんだ。

野崎と石塚の車をオートバイで尾行する男がいた。

野崎と石塚は高畠商会の社長室にて、高畠社長(多々良純さん)と面会した。

高畠は会社経営の際、人を信用せず金を信用していたが、今でも23年前の野崎の恩を覚えていた。

高畠は高畠商会を解散して換金し、老後の費用を差し引いた金額を野崎に譲渡しようと考えていた。

社長室に信一(佐々木剛さん)が入った。

信一は高畠商事の社員の生活を考えるように意見し、高畠社長を禁治産者にする告訴を起こそうとしていた。

オートバイの男は野崎と石塚の車に時限爆弾を仕掛けた。

石塚はガソリンスタンドに立ち寄った。

従業員がオイル点検でボンネットを開けた際、野崎と石塚と従業員は時限爆弾を発見した。

野崎と石塚は車を疾走し、空き地に車を乗り捨てた。

野崎と石塚が車を乗り捨てた直後、車は大爆発を起こした。

藤堂はボート小屋のときと犯人が同一なこと、時限爆弾が精巧なことから、プロの殺し屋と推測した。

石塚は信一が怪しいと直感したが、山村は父親に対し禁治産の訴えを起こす男がこのようなことをしないと指摘した。

23年前、山崎美代という高畠商会の事務員が、生まれた子供を高畠の子供として認知を迫ったことがあった。

しかし、高畠は拒否していたため、山崎も山崎の子供も相続の資格人ではなくなっていた。

藤堂は山村に犯人の捜査、石塚に信一の尾行、柴田に野崎の護衛を命じた。

島は山崎の息子に会った。

山崎は4年前(1970年頃)に逝去していた。

山崎の息子は、山崎が高畠商会に勤務していたこと、未婚の父親だったために父親のことも知らなかった。

山村はダイナマイトを盗まれた飯場を探し当てた。

飯場は作業中に空になることが多いため、、誰が入ったかは特定できなかった。

柴田は野崎のポケットに何かを入れようとした女を制止したが、女は車に乗って走り去った。

野崎宅では、豪勢な食事が振舞われた。

局、ダイナマイトを盗んだ犯人は不明のままだった。

盗まれたダイナマイトの本数が10本であるため、犯人は残りのダイナマイトを所持している可能性があった。

島は近所の聞き込みから山崎の息子が、模型飛行機が趣味のおとなしい青年という感触を得ていた。

石塚は信一の車を尾行したが、オートバイの男に尾行されていた。

信一はレストランで恋人と一緒に過ごしていたが、信一がレストランを出た直後に真一宛の電話がかかった。

石塚は信一と偽って電話に出たが、電話の男は信一に雇われた殺し屋と名乗り、金の用意を要求して電話を切った。

藤堂は野崎に対し、自宅滞在を命じた。

野崎は遺産を受け取ることを考えている良子と俊一に怒鳴った。

一係捜査員は野崎の団地を張り込んでいた。

犯人である山崎の息子は野崎宅に電話をかけ、外出しないと自宅内で爆発すると脅迫した。

野崎はベランダでラジコンの模型飛行機を発見し、中にダイナマイトが積まれていると直感し、外出した。

野崎は空き地に赴いた。山村は模型飛行機を発見し、藤堂に連絡した。

野崎は迫ってくる模型飛行機に全力で逃げ回った。

藤堂は付近のラジコンの操作者がいるとして、捜査員にラジコンの操作者の捜索を命じた。

柴田は団地を捜索中、向かいの団地の屋上でラジコン操作をしている男を発見した。

山村の銃弾が模型飛行機に命中、飛行機は爆発した。

しかし、後続の飛行機が野崎に向かっていた。

柴田たちは山崎の息子を連行し、後続の飛行機も爆発した。

山村と康江(西朱実さん)と良子と俊一は野崎を賛辞した。

山崎の息子は遺産の横取りを企んだこと、野崎を殺害し、罪を信一に被せれば財産の継承者がいなくなり、認知の訴えを起こして財産を独占しようとしたことを自白した。

信一宛ての電話は、石塚が出るタイミングを狙い、真一に容疑をかけるための罠であった。

高畠は野崎に、自分本位に進めすぎたことを謝罪した。

野崎は信一から、20億円を会社の株で受け取るように進言されたが拒否した。

 

 

メモ

*タイトルの「シンデレラ刑事」はジーパンの発言。

*車の時限爆弾のシーン、「残り1分だ」と言っているが、どうみても1分でたどり着かない距離を走っている。

*爆弾飛行機は後に「風船爆弾」にも登場する。

*珍しく山さんが発砲。

*長さんは心の底では20億円が欲しかったようだ。

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)
藤堂俊介:石原裕次郎
柴田純:松田優作
島公之:小野寺昭
野崎太郎:下川辰平

 

 

永井久美:青木英美
高畠英明:多々良純
高畠信一:佐々木剛
野崎康江:西朱実、野崎良子:井岡文世、野崎俊一:石垣恵三郎
若尾義昭、記者:小倉雄三、山本純一、記者:永谷悟一、伊藤健

 

 

石塚誠:竜雷太
山村精一:露口茂

 

 

脚本:田波靖男、四十物光男
監督:竹林進