第74話「ひとりぼっちの演奏会」

放映日:1973/12/14

 

 

ストーリー

麻薬常用者のジョーという男が、麻薬の打ちすぎでショック死する事件が発生した。

鑑識の高田助手(北川陽一郎さん)によると、より刺激を求めるために麻薬の量を増やすことはよくあることであった。

アパート管理人(加藤茂雄さん)は、ジョーが「ダーティーエンジェルス」というロックのバンドのリーダーでドラム担当だということを話した。

第一発見者は、「ダーティーエンジェルス」のバンドボーイの川合隆夫(佐藤仁哉さん)であった。

「ダーティーエンジェルス」のメンバーは、トランペット演奏者のサブ、ベースのゴロウであった。

石塚と島は「ダーティーエンジェルス」メンバーの調査を担当することになった。

伸子は川合の供述を担当していた。

川合の住所は、新宿区西大久保2-3-8、「みどり荘」であった。

伸子は自分の担当だと強情に言った。

野崎はジョーが昨日の夜に泥酔し、川合が自宅まで担いでいたことを報告した。

川合はジョーをベッドに寝かせた後、アルバイト先の深夜スナック「テアトロ」で朝まで働いていた。

川合はジョーの自宅の合鍵を持っており、返事がないので入ったところ、ジョーが死亡していたというものだった。

「ダーティーエンジェルス」のメンバーは、ジョーに対する悪評を話していた。

藤堂は川合の取調べに伸子を、アシスタントに柴田を指名した。

川合は自宅で数名のヤクザに殴られていたが、柴田と伸子が自宅を訪問して発見し、柴田がヤクザを追跡した。

伸子は川合の傷を手当した。柴田は3人のヤクザのうちの1人を逃がしてしまった。

川合はヤクザにジョーの部屋に残っていた麻薬を盗んだと勘違いされ、暴行されていた。

しかし、川合はジョーが麻薬中毒者であることを知っていたが、ジョーが用心深い性格であったために、どこで入手してどこで隠していたかを知らなかった。

司法解剖の結果、ジョーの遺体の血液中に残っていた麻薬の分量から、ジョーが当日麻薬を20g打ったと推測された。

麻薬常用者が、自身が死亡するほどの量を打つ間違いをするとは思えないため、殺人と断定された。

川合は伸子と渋谷病院に行った後、伸子から治療に使った手ぬぐいを貰った。

伸子は電話で報告に行った際、藤堂から一番疑わしいのが川合だと聞かされたが、電話中に川合がいなくなっていた。

柴田はみどり荘に向かい、伸子は調査中に電柱に張り付けてあるダーティーエンジェルスのビッグジョーの追悼コンサートのポスターを見た。

伸子は川合を発見し、柴田と合流した。伸子は自分の方法で川合を落とすつもりであった。柴田は伸子の方法に反対し、嫌った。

伸子は川合と再会した後、ジャズミュージシャンの須田一郎(成瀬昌彦さん)とも会った。

須田はジョーを自分のバンドに引き抜こうとしていたが、ジョーが死亡したことで川合は「ダーティーエンジェルス」のリーダーになっていた。

伸子はジョーの追悼コンサートに行くことを約束した。

後日、伸子は川合とデートをし、川合は自分の働いている「テアトロ」のマッチをプレゼントした。

川合はドラムを叩くことを何よりの楽しみとしていた。川合は「テアトロ」に、人真似を使って友人のふりをして遅刻するという電話を入れた。

川合は張り込んでいる柴田を発見し、自分を疑っているのかと怒った。伸子は川合が犯人でないという証拠が欲しくてデートしていた。

川合は当日にジョーを自宅まで送った後、「テアトロ」で勤務中にジョーから電話がかかってきたというアリバイを告げた。

「テアトロ」のマスター(山本廉さん)は、川合が午前1時頃、ジョーから川合宛に電話がかかってきたことを記憶していた。

川合は店にゴミを出していたため出られず、電話はマスターが出ていた。

伸子は自分が麻薬のことしか言っていないのにも関わらず、川合が「自分が殺したのではないか」と言ったことに疑問を持った。

川合は「テアトロ」に入店し、マスターから店に刑事が来たことを聞かされた。

伸子は「テアトロ」の近くにあった公衆電話から川合に電話をかけた後、入店した。

伸子はジョーがバンドにいる限り、川合がドラムも叩けないし他のバンドに移れないため、ジョーが泥酔している隙に大量の麻薬を注射してショック死させ、店の表の公衆電話を使ってジョーが生存していると見せかけたという推理を言った。

川合は伸子の推理を聞き、「テアトロ」を脱出し、オートバイを盗んで逃走した。

伸子はタクシーで川合を追跡し、応援に来た山村も川合を発見した。

川合は河川敷でオートバイを降り、川を伝って逃走した。

川合は明後日にダーティーエンジェルスのコンサートがあり、ドラムを叩いて客を喜ばせたいので、逮捕を待つように懇願した。

川合は伸子なら気持ちが分かってくれると思い、広い道を伝って逃げた。

山村は殺害されたのがどんなに嫌な奴でも、殺したのがどんなに可哀想な奴でも逮捕しなければならないのが刑事の仕事だと話した。

川合は麻薬組織を知っているため、麻薬組織に消される可能性が出てきた。

伸子と柴田は「テアトロ」で待機していた。「テアトロ」に川合から、コンサート会場のジャンジャンに1人で来てほしいという電話がかかった。

伸子は柴田に促され、川合の居場所を報告した。

伸子はコンサート会場に赴き、川合はドラムを演奏した。

柴田はコンサート会場の前で待機していたが、山村と野崎が合流した。

川合がドラムで演奏している最中、山村と野崎と柴田が入り、川合は逮捕された。

川合は伸子を汚いと叫んだ。

柴田は伸子を資料室で励ました。

 

 

メモ

*「影への挑戦」以来、久々のシンコ主演作。

*川合が「女性が刑事? まさか」と言っているシーンに時代を感じる。後年のマミーではありえない光景。

*ゴリさんは外国人が苦手らしい。

*ジーパンが怒鳴っているシンコを宥めようとするシーンがあるが、川合に「お前」と言われて結局ジーパンも怒鳴っている。(笑)

*今回は「眠りの中の殺意」と「仕掛けられた銃声」と同時撮影。

*川合がドラムを弾く音は、後期にSEとして使われている。

*最後、ジーパンがパチンコ屋で得たタバコをシンコにプレゼントしていたが、当時関根氏は未成年なので喫煙していないと思われる。

*予告編にはナレーションが「次回~」しかなく、川合の演奏がメインとなっている。

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)

藤堂俊介:石原裕次郎

柴田純:松田優作

内田伸子:関根恵子(現:高橋惠子)

島公之:小野寺昭

野崎太郎:下川辰平

 

 

永井久美:青木英美

川合隆夫:佐藤仁哉

須田一郎:成瀬昌彦

「テアトロ」マスター:山本廉、アパート管理人:加藤茂雄、高田助手:北川陽一郎

剣崎龍次、岩田博行、「ダーティーエンジェルス」メンバー:広田正光、相馬優子、渡部雄二

 

 

石塚誠:竜雷太

山村精一:露口茂

 

 

脚本:長野洋

監督:石田勝心