第61話「別れは白いハンカチで」

放映日:1973/9/14

 

 

ストーリー

野崎と柴田は空港にて、麻薬密売の容疑がかけられている青龍会の幹部の菊池英夫(影山龍之さん)を張り込んでいた。

柴田は菊池を発見して追跡したが、菊池はナイフで抵抗してきた。

柴田は手を負傷しながらも菊地を追い詰めたが、直前に村岡房江(浜美枝さん)によって気絶させられ、菊池を連れて行かれてしまった。

村岡は柴田の手をハンカチで巻いていた。

柴田は一係室にて、気絶する寸前にハイヒールの足が見えたために、空手有段者の女ではないかと推測した。

野崎は、入れ違いで外交官ナンバーの車が出発しているのを目撃したが、運転手の顔を見ていなかった。

菊池のパスポートには、大麻の原産地であるチャンライのビザが貼ってあった。

ンカチには高級品の香水がついていた。

柴田はチャンライ国領事館を張り込んでいたが、村岡の乗る外交官ナンバーの車を目撃した。

柴田はタクシーで尾行したが、渋滞にあい逃げられてしまった。

柴田はトラックに乗せてもらい、再び追跡した。

車の行き先はホテルプレジデントであり、村岡は同行していた男を置いて行った。

石塚が麻薬関係者の資料を持ってきた。

柴田は村岡と同行していた男が、チャンライ在住の日本人である松山栄(黒部進さん)であったことを報告した。

松山は3年前(1970年頃)まで商社に勤務していたが、大麻の不法所持で逮捕され、会社をクビになっていた。

藤堂は石塚と柴田に松山の尾行を命じた。

松山は喫茶店で青竜会の中堅幹部の土田(宮口二郎さん)と麻薬取引の話をしていた。

松山は領事館秘書になりすました村岡を連れて行く予定であった。土田は菊池の兄貴分であった。石塚は柴田に任せて連絡をしに行った。

松山がタバコの箱に隠した麻薬のサンプルを土田に渡そうとした。

柴田は2人に近づき、麻薬取引の現行犯で逮捕しようとしたが、2人は逃走した。

柴田は松山を逮捕した。帰宅後、柴田はたきにより、逮捕の時におった顔の怪我を治療してもらっていた。

松山が拘置期限切れにより釈放されることになった。松山は柴田の告訴を誰にでもあるミスとして取り下げていた。

柴田は松山の釈放に感情を高ぶらせていた。藤堂は会議室にて村岡と話していた。

藤堂は柴田に、村岡が厚生省の麻薬捜査官であることを伝えた。

村岡は菊池や松山をトカゲの尻尾に例え、トカゲの本体には手を出さないようにと警告した。

松山はチャンライの政府役人に取り入り、外交官の特権を利用して麻薬を持ち込もうとしたために、村岡はチャンライの領事館に秘書として潜入し、情報を集めていた。

松山は現物のサンプルを渡しただけであり、本格的な取引は村岡も知らなかった。

柴田は村岡に傷の手当をしてくれたことを感謝した。

村岡と松山と土田は青竜山荘にて、青竜会の組長である沢井庄吾(川合伸旺さん)と話し合っていた。

松山は麻薬を、日本に着任する外交官の荷物に紛れ込ませて密輸していた。

土田は松山を車で送迎したが、車には時限爆弾がついていたため、2人とも爆死してしまった。

石塚と柴田は酒を飲み歩き、柴田宅に向かった。

藤堂から殺人事件の連絡が入り、酔いながらも現場に向かった。

遺体は菊池であり、針金で絞殺されて遺棄された。

刑事に顔を知られた事件の関係者が全員死亡してしまった。

藤堂は村岡の邪魔をしないために、青竜会に手を出すなと警告した。

藤堂は村岡と一緒にプラネタリウムに行き、星の話に例えて捜査情報の交換をしていた。

柴田はバーを色々調べたが、追い出された。 

柴田はチンピラに囲まれ、集団で暴行されたが、あっさり叩きのめし、元締めのもとに案内するよう脅迫した。

村岡は沢井になぜ松山を殺害したのかと尋ねたが、引き合わせることで要が済んだこと、警察を介入させる重大なミスを犯したからと答えた。

青竜会の組員の土井(内田勝正さん)は沢井に、外国から持ち帰った麻薬を売りたいという男(柴田)がいるという情報を伝えた。

沢井は村岡が秘書として入ってから警察が介入するようになったことを疑問視し、村岡か男のどちらかが麻薬捜査官ではないかと疑った。

青竜会の組員が柴田を連れてきた。柴田は麻薬が3kgと重いので持ってこなかったと誤魔化した。

村岡は柴田を気絶させた。たき(菅井きんさん)は一係室に、柴田が昨日警察手帳と手錠を置いたまま帰宅しなかったことを連絡した。

山村は柴田が一人で青竜会に潜入したのではないかと直感した。

厚生省から麻薬を欲しがっているヒッピー風の男が拉致されたという連絡が入った。

藤堂は男を柴田ではないかと考えた。

石塚は青竜会の事務所に乗り込み、柴田の居場所を聞き出した。

山村は麻薬取締事務所を調査していた。

麻薬取締官(中島元さん)は山村に、刑事の潜入捜査が固く禁じられていること、アジトの青竜山荘は車がほとんど通らないためにパトカーが来たら迷惑だと抗議した。

捜査員が青竜山荘に直行した。

沢井は村岡に、スポンサーから麻薬がもうすぐ着く頃だということを伝えた。

村岡は柴田を救出し、脱出を促したが、柴田は村岡を救出するために来たので行かないと頑固に言った。

柴田は村岡を気絶させたが、扉を出ようとしたときに組員に脅迫された。

柴田は再び捕縛され、土井に殺害されそうになった。

しかし、村岡が自分の身分を明かし、阻止した。

沢井は柴田と村岡を人質にしようとしていた。

青竜山荘の付近で、麻薬取締官が山村と島の通行を妨げていたが、銃声が聞こえたために突破された。

柴田と村岡は多数の組員を格闘の末に蹴散らして逮捕した。

沢井も山村によって逮捕された。

村岡は海を見ていたが、村岡を双眼鏡で見ている若い女の姿があった。

柴田は村岡に謝罪した。村岡はチャンライの外交官を買収した黒幕を逮捕できなかったのを残念に思っていたが、麻薬汚染を食い止めたので半分成功のようなものだと伝えた。柴田は村岡に白いハンカチを贈り、村岡と別れた。

 

 

メモ

*村岡房江、2回目の登場。今回はジーパンを助ける立場に。

*大使館関係の事件は「さらば! 山村刑事」でも描かれている。

*ゴリさんは一係室に帰ると「腹が減った」と言うらしい。(後期には見られなくなるが)

*松山と土田の逮捕はゴリさんが帰るまで待つべきだったジーパン。しかも結局この2人が後に爆死させられてしまうことを考えると、ジーパンのミスは若干大きい。

*マカロニの話題が出ている。村岡はジーパンに無茶をしなければいいと言ったが、結局ジーパンも殉職してしまう。

*車が爆発するシーンはミニカーが使われているが、このような例は今回のみ。(ほとんど本物の車を爆発させている。)

*久美が乳児をコインロッカーに置くような母になりそうという殿下。いくら軽い久美とはいえ、言い過ぎでは?

*監禁されているのにヨガ体操(?)と言って逆立ちするジーパン。

*プールでの水中戦は今回と「闇の中の殺人者」のみだが、今回のプールが清涼な水であるのに対し、「闇の中の殺人者」のプールは汚い。

*ラスト、村岡を見ていた若い女性の正体は不明。麻薬取締官の同僚かな?

*白いハンカチを「お別れ」と言う村岡。確かに、ジーパンと村岡の接触は今回のみとなった。

*ラストがBGM「アクション」で終るのは非常に珍しい。

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)
藤堂俊介:石原裕次郎
柴田純:松田優作
島公之:小野寺昭
野崎太郎:下川辰平

 

 

永井久美:青木英美、柴田たき:菅井きん
村岡房江:浜美枝
謎の女:恵美(フィーミー)、沢井庄吾:川合伸旺
松山栄:黒部進、土井:内田勝正、土田:宮口二郎
麻薬取締官:中島元、菊池英夫:影山龍之(現:辰馬伸)、田川恒夫、トラック運転手:小沢直平、岡本隆、鴨志田和夫
ノンクレジット チンピラ:戸塚孝、青竜会組員:大宮幸悦

 

 

石塚誠:竜雷太
山村精一:露口茂

 

 

脚本:田波靖男、四十物光男、小川英
監督:山本迪夫