第52話「13日金曜日マカロニ死す」

放映日:1973/7/13

 

 

ストーリー

石塚と早見は、寿司屋「紫光」に突入しようとしていた。

「紫光」の客である岩田勉と都倉俊二が、半月前に拳銃を探していたという密告があった。

密告が本当の場合、岩田と都倉は拳銃を持っている可能性があった。

石塚は早見の一言の影響で、拳銃に弾を装填せずに突入してしまった。

石塚と早見は「紫光」に入り、岩田(上野山功一さん)と都倉(影山龍之さん)を署に連行させようとしたが、2人とも拳銃を持っていなかった。

町子という女が店の奥から現れ、岩田に拳銃を渡した。

石塚は拳銃を発砲する岩田に反撃しようとしたが、反撃できずに撃たれてしまった。

早見は救急車と叫び、逃走した岩田と都倉を追跡しようとしたが、見失ってしまった。

石塚は病院に搬送された。

石塚は医師(弘松三郎さん)により、弾が摘出されたが、意識不明のままであり、生命力次第であった。

病院に山村が駆けつけ、弾の条痕検査により、石塚から摘出された弾が、2日前に2人組の銀行強盗が警備員を射殺したものと同一であることを報告した。

藤堂は山村に対し、早見と同行するよう命じた。

早見は資料室にて前科者カードを探していた際に、密告電話の様子を詳しく話した。

密告電話は早見が出て、石塚が受けたものであり、早見には話の内容が断片的にしか分からなかった。

早見は石塚が「徳さん」と言っていたのを思い出した。

山村は「徳さん」が石塚専用の情報屋として、早見に前科者カードを徹底的に見直すように命じたが、3人とも前科が無かった。

藤堂は野崎と伸子に2人の客の割り出しを、島に現場の聞き込みを命じた。

山村は早見に、徹夜明けの者に捜査活動はできないことを理由に、寝るように命じたが、どうしても連れて行くように頼まれ、連れて行った。

山村と早見は情報屋から情報を聞き出そうとしたが、結果が出なかった。

野崎と伸子が、寿司屋にいた目撃者から、町子についての証言を得た。

町子は5丁目のバー「さよ」で働いていた。

藤堂は伸子に、石塚の体調が好転したとして、病院に行かせるように命令した。

町子が自宅で殺害された。

死因は青酸カリで、死亡時刻は今朝であった。

アパートの管理人は町子が夜になっても起きないので鍵を開けたところ、町子の遺体を発見していた。

早見は藤堂から、「徳さん」の情報に賭ける以外に方法がないと言われた。

山村は情報屋から「徳さん」が、2年前(1971年頃)に喧嘩で殺害されそうになったが、石塚に助けられた徳岡という男であるという情報を得た。

徳岡は3丁目のキャバレー「ブルータヒチ」のサンドイッチマンをしていた。

山村と早見は徳岡(上田忠好さん)に協力を要請したが、徳岡に刑事なんか知らないと言い張られた。

早見は徳岡から強引に犯人の情報を得ようとして、山村に殴られた。

山村は徳岡に謝罪し、思い出したら「宗吉」に電話するように依頼した。

早見は山村に激怒され、抗議して暴走した。

藤堂は一係室、山村と野崎と島に宿直室で寝るように指示した。

藤堂は石塚の容態を心配していた。

宗吉は山村を励ましていた。

「宗吉」に早見が来店し、徳岡が見つからないことを報告した。

早見は責任を取って犯人を逮捕すると思っていたが、山村に命だけは無駄にしないようにと忠告された。

早見は石塚の仇を取りたいと言い残した後、「宗吉」に泊まった。

翌朝、「宗吉」に徳岡から、白寿町の喫茶店「白馬車」に早見1人だけで来てくれという電話が入り、早見は伸子に場所を教えずに急行した。

伸子が一係室に徳岡の電話の件を報告した。

徳岡と岩田が「白馬車」の向かいの喫茶店で、早見を監視していた。

徳岡が「白馬車」に駆けつけ、早見に犯人のアジトへ案内すると言って連れて行った。

一係室に病院から、石塚が助かったという報告が入った。

野崎が病院に向かう中、山村は早見の緊急連絡に備えて一係室に待機した。

早見は何も話そうとせずにバスに乗ろうとする徳岡を不審に思い、公衆便所で無線のスイッチをオンにすることを連絡した。

藤堂と山村と島が出動した。

バスは上野台行きであることが判明した。

早見と徳岡はバスを降りた。

石塚は野崎に、徳岡が「犯人は知らないが、顔見知りのヤクザと飲んでいたときに拳銃を売ってくれ」と言ってきたことを伝えた。

石塚は早見が罠にかかったと推測し、早見を止めろと叫んだ。

徳岡は資材置き場に早見を連れ込んでいた。

早見は徳岡が自分を罠にはめたと推察し、隠し場所を聞き出そうとしたが、徳岡に逃げ出された。

徳岡は岩田によって気絶させられた。

早見が拳銃を構えた後に、岩田と都倉が発砲して銃撃戦が始まった。

銃撃戦が長く続いた結果、早見の銃弾が無くなってしまった。

岩田と都倉は拳銃の予備の弾がまだあると挑発してきた。

岩田と都倉が早見を追い詰め、射殺しようとしたその時、山村が覆面車を爆走させて駆けつけた。

岩田は早見との格闘の末に逮捕され、戸倉も藤堂と野崎と島により逮捕された。

藤堂達は一係室で祝杯を挙げていた。

早見は石塚の病室に見舞いに行き、刑事になって良かったと心の中で告げた。

早見は病室を去った後、工事現場で立小便をしていたが、終った直後に強盗に腹部を刺されてしまった。

早見は強盗犯を捕まえようとしたが、倒れてしまい、強盗犯に逃げられてしまった。

早見は1回だけ正座の態勢で起き上がり、周辺を見回した後、再び倒れ、数分後に死亡した。

翌朝、早見の遺体が発見され、石塚を除く捜査員が駆けつけた。

早見の遺体からは財布が抜き取られていた。

 

 

メモ

*マカロニ編最終回にして、「太陽」史上初の殉職編。それも本筋の事件とは全く関係なく、避けられたかもしれないところで死亡…

*「マカロニ刑事登場!」と同じ状況に立たされるマカロニ。しかし今回ゴリさんは重傷を負ってしまう。

*監修担当の小川氏が直々に執筆。

*某掲示板によると、当初、マカロニを殺害した犯人は「都会に潜む悪」として犯人を逮捕する後日談を描くつもりは無かったらしいが、「犯人を逮捕してくれ」という投書が多かったらしく、「マカロニを殺したやつ」が作られたとのこと。(結局、その犯人は逮捕できずに死んでしまうが…)

*意外にも、刺殺による殉職は彼とボギー、夜での殉職は彼と山さんのみである。

*初めて「山さんが刑事を殴った」。他に山さんが刑事を殴った話は、ロッキーの「山男」と、ブルースの「刑事・山さん」、「ゴリさん、見ていてください」。

*殴られて激怒されてもここまで反抗するのは珍しい。

*「ゴリさんが死ぬわけがない」という宗吉。しかし、約9年後にゴリさんは殉職してしまう…

*マカロニがシンコに気があったのかは不明のままであった。

*「やっぱり人間は生きていないとダメだね。刑事になって良かったよ…」「良かったなマカロニ…」 マカロニが刑事という職業に誇りを持った瞬間であった。

*立小便さえしなければ(石塚の病室にいれば)、早見は死ぬことが無かったのに…

*放映日の7月13日といえば、ボンも同じ日に殉職している…(「13日金曜日 ボン最期の日」)

*13日金曜日 早見淳(24)死す」「バスに乗ってたグーな人」でマカロニは24歳と言っているから、マカロニの生年月日は1947年の9月~12月生まれと推測される。

*マカロニが刺殺された工事現場には、後に野村ビルが建つ。(「マカロニを殺したやつ」で工事が始まったと語られ、「男たちの詩」で藤堂が行った時にはビルが完成していた。)

*今回の予告編には予告ナレーションが一切なく、マカロニが殺害されるシーンを中心に当てられている。

*岩田勉と都倉俊二(今回の犯人)の名前は劇中未呼称。ソースはノベライズより。

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)
藤堂俊介:石原裕次郎
早見淳:萩原健一
内田伸子:関根恵子(現:高橋惠子)
島公之:小野寺昭
野崎太郎:下川辰平

 

 

内田宗吉:ハナ肇
徳岡:上田忠好、岩田勉:上野山功一
松風はる美、都倉俊二:影山龍之(現:辰馬伸)、医師:弘松三郎
三枝美枝子、大川義幸、森本三郎、岡本隆
ノンクレジット 早見を刺した男:車邦秀

 

 

石塚誠:竜雷太
山村精一:露口茂

 

 

脚本:小川英
監督:竹林進