第45話「怒れ! マカロニ」

放映日:1973/5/25

 

 

ストーリー

深夜、竜神会の幹部の水上吾郎(吉中正一さん)が線路で刺殺体となって発見された。
水上の死亡推定時刻は11時~12時、ドスのようなもので腹部を抉られており、死因は出血多量であった。
山村は竜神会と抗争状態にある梶田組が、幹部を殺して必死の抵抗を試みたのではないかと推測した。
早川清(高岡健二さん)は、真犯人である梶田組の幹部の植松(木村博人さん)に犯行の詳細を教えられ、身代わり自首をしていた。
早川は早見の中学時代の同級生であった。

藤堂は早見に、早川が取り調べられていることを告げた。
早見は取調室で早川と再会し、山村は取調べを早見に任せて石塚とともに去った。
鑑識の結果によると、早川が持っていたドスに付着していた血液は水上のものと一致していた。
山村は早川が自信たっぷりに話しているのを疑問に思っていた。
早川は梶田組の看板を背負っているとして、殺人など何とも思っていないこと、水上が梶田組にとって邪魔だから殺害したこと、それで一人前のヤクザになれること、出所したら兄貴分なのでごちそうすると述べた。
早見が早川の自宅を訪れたところ、同居している由美(井上れい子さん)がいた。
由美は食堂のウェイトレスをしており、早川とは1年前(1972年頃)から交際しているが正式に結婚していなかった。
由美は午後10時頃に帰宅したこと、早川が帰宅してきたのは午前1時頃であること、早川が帰宅するなり人を刺してきたので自首すると言ったことを述べた。

早見は早川が人を殺せないと直感した。
早見は部屋に妊娠に関する本があったので、由美に子供を産むのかと尋ねたが、由美に出産する気がないと答えられた。
由美には両親と兄がいたが、姉はいなかった。
由美は早見を呼び出し、午後10時には早川がアパートにいたこと、梶田組の組員が迎えに来るまで家で待っていたという真実を話した。
由美は赤ん坊が欲しかった。早見が藤堂と取調中の山村に真実を話した。
山村が早川に由美が妊娠していることを告げ、早川はついに牙城を崩した。
早川が植松のことを自白したことで、植松は野崎と早見によって逮捕され、早川は釈放された。
藤堂と野崎は早川に対し、早川が梶田組にとっては裏切り者であると認識されているため、この街を出るようにと要請した。
藤堂は早見を早川のボディガードに付けさせた。

早川は梶田組に戻って謝罪をするつもりであったが、梶田組の山中が尾行していた。
早見が喫茶店を出た直後に山中の尾行が再開され、早見は早川と由美と別れた。
山中が早川を発見したが、それは変装した早見であったために、早見に蹴散らされた。
由美は早川にヤクザの世界から足を洗うチャンスとして街を出ようと説得した。

早川もやっと合意した。
早見が早川と由美を駅で送迎しようとした矢先に、梶田組の組員が現れ、3人とも拉致されてしまった。
早見はトイレで組員に暴行され、手錠で繋がれてしまった。

早見は目を覚まして駅を疾走し、交番で手錠を解放してもらった。
早川は梶田組内で、指を詰めることを強制されていた。
しかし幹部の工藤(和崎俊也さん)は、竜神会の幹部の田所(田中浩さん)を刺殺すれば故郷へ帰すと約束した。
田所には午後4時から5時まで、1丁目のゴルフの練習場でゴルフを練習するという日課があった。
工藤が梶田組の事務所に帰還したところ、早見が事務所内で張り込んでいた。
早見は組員の塩沼を公務執行妨害と刀剣不法所持で連行した後、路地裏で暴行し、田所の暗殺計画を聞き出した。
早川はゴルフ場のトイレで田所を刺殺しようとしたが、逃走されてしまった。

早見は偶然早川を目撃し、追跡した。
工藤はレストランで田所と会談し、早川を始末することを告げた。

早見は会談を報告していたが、早川が来店したために電話を切ってしまった。
藤堂は石塚に、梶田組を叩いて由美について聞き出せと命じた。

早見は早川と合流し、工藤に電話をして出方を探るようにと要請した。
工藤は竜神会と話がついたので由美を解放すること、早川を小幹部に昇格すること、第三倉庫で待つことを告げた。
早川は工藤を信じていたが、早見は一緒に第三倉庫に赴くことにした。

石塚は梶田組の幹部を車に乗せて拷問し、由美の居場所を吐かせた。
早川は第三倉庫に赴いたが、工藤たちに裏切られて射殺されそうになった。
早見は拳銃を突き付けて工藤たちの拳銃を捨てさせたが、早川が拳銃を手に取り、工藤を射殺しようとしていた。
早川は一度ヤクザになったら堅気になれないこと、逮捕しても釈放されてしまうことを告げた。
藤堂たちが由美を連れて駆けつけ、早川は拳銃を捨てた。工藤たちは連行された。

 

 

メモ
*殿下が欠場。
*萩原氏のスケジュールの関係で、「危険な約束」以来のマカロニ主演。

*ゴリさんは車を急発進させて拷問し、自白させる手段を初使用。(以後、「父と子の再会」、「したたかな目撃者」、「鹿児島・東京・大捜査線」、「戦士よ翔べ!」で使用されている)
*マカロニ1人のボディガードは嫌だなあ。(私はゴリさんと長さんがいい)
*凶悪な暴力団の世界。
*「ボスを殺しに来た女」に引き続き、「殺してやりたかった」と述べるマカロニ。この発展形が「撃て! 愛を」となる。

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)
藤堂俊介:石原裕次郎
早見淳:萩原健一
野崎太郎:下川辰平

 

 

早川清:高岡健二(現:高岡建治)、早川由美:井上れい子
工藤:和崎俊也(現:和崎俊哉)、田所:田中浩
植松:木村博人、岡本隆、影山龍之(現:辰馬伸)
遠矢孝信、尾崎孝二、金井哲男、都家歌六
ノンクレジット 水上吾郎:吉中正一(現:吉中六)

 

 

石塚誠:竜雷太
山村精一:露口茂

 

 

脚本:永原秀一、峯尾基三
監督:山本迪夫