第42話「知らない街で…」

放映日:1973/5/4

 

 

ストーリー 

石塚は昨夜にスナックで食事をしていた際、西二郎(松本伊佐武さん)という男が挙動不審な態度を見せたため、悪事を起こすと確信した。

石塚は西を徹夜で張り込み、尾行していた。

西は京王線の電車に乗り込んだが、石塚も同じ電車に乗ることに成功した。

島は偶然に駅にいたが、石塚を目撃し、石塚が落としたパンを拾った。

石塚は西の素性を知らなかった。

石塚と西は降車して北和泉を歩いていたが、北和泉署の係長である新谷裕二刑事(久富惟晴さん)と宮本刑事に尾行されていた。

石塚は西を尾行し、スナックに入ったが、店内にいた多数のヤクザと格闘になった。

新谷刑事と宮本刑事が駆けつけ、石塚と多数のヤクザを傷害の現行犯で連行した。

新谷は石塚に、なぜ七曲署員がここにいるのかと質問し、石塚から街で見かけた怪しい男がいたためと回答された。

新谷は七曲署では山勘捜査をやっているのかと批判した。

新谷は西が新宿のバーのマスターで、スナックで西と一緒にいた、冴子(戸部夕子さん)という女は、黒岩興業のボスである黒岩の情婦であることを説明した。

新谷は石塚に、西を逮捕するのは北和泉署であるため、七曲署に帰るように忠告した。

老刑事の古山喜平(小栗一也さん)は新谷に、人を拳銃で撃ったことがあるかと尋ねた。

新谷は自慢げに、警察大学での射撃成績はトップだったうえに、どんな凶悪犯でも急所を外して一撃で倒すと答えた。

古山は新谷の、計算通りに物事が進むと思っている捜査方法を批判した後、明日に定年退職になる予定であることを告げた。

石塚は一係室の島に、北和泉署の署員の酷さと、西を逮捕するまで帰らないことを報告した。

西はバーで、黒岩(神田隆さん)と冴子と部下4名に会っていた。

石塚がバーで黒岩たちと出会ったが、黒岩にヤクザと間違えられ、賠償代わりにステーキを奢ってもらった。

そこに新谷と女性も店に来て食事をしていた。

石塚は西が新谷にばかり視線を向けるのを気にしていた。

冴子は古山と新谷が犬猿の仲で、新谷が古山の娘である古山洋子と愛し合っていることを話した。

石塚は自分の経歴を誤魔化して伝えた後、自分を黒岩興業に入れるように頼んだ。

石塚と黒岩たちは黒岩興業に帰還したが、社長室に古山がいた。

黒岩は古山に、石塚をダンスホールの用心棒くらいに使えそうとして雇ったと伝えた。

黒岩と古山は20年来の付き合いであった。

古山は黒岩を疑い、黒岩に西のことを尋ねた。

西は冴子の同業者で、商売の相談で来たと答えた。

古山は黒岩に対し、自分が署に在籍している時には騒ぎを起こさないように告げた。

古山は石塚を飲みに誘い、石塚から屋台で報告を受け、石塚にこの街を出ていくように警告した。

石塚は古山の在職中さえ何も起きなければそれでいいのかと尋ねた。

古山は新谷にヤクザの使い方を教えたが、新谷に無視されたことを話した。

古山は石塚を気に入り、自宅に泊めた。

古山は酔いながら、明後日の定年退職後から黒岩の世話で、北和泉で一番大きな工場の経理課長になることを伝えた。

石塚が洋子(京春上さん)に、レストランで新谷と食事をしていたことを告げたところ、隠れて交際するつもりはないが、内緒にしてほしいと伝えられた。

古山は隣室で就寝中、それを聞いてしまった。

石塚はダンスホールで冴子と踊りながら、西を張り込んでいた。

石塚は冴子に西が大事件を起こすと伝えたが、情婦から調子に乗ると痛い目にあうとため、忘れるように言われた。

新谷がダンスホールに来訪し、石塚を連行した。

新谷は石塚の行為を批判し、直ちに署に帰還するように命じた。

尾行していたヤクザが西達に報告したために、石塚が刑事であることが露見してしまった。

石塚は西から直接聞こうとしたが、暴力団の思うがままになるとして中止した。

黒岩は西に拳銃を渡し、新谷の暗殺を指令した。

西は新谷を尾行した。

石塚は将棋をしている古山に、新谷が狙われていることを伝えた。

西は新谷をサイレンサー付き拳銃で狙撃したが、自動車が通りかかったために、銃弾が腕に命中した。

古山は石塚から、撃たれてからでは遅いと説得されたが、結局行動しなかった。

古山のもとに、新谷が狙撃されたという報告が入った。

新谷は部下の刑事に、黒岩興業の関係者を徹底的にマークするよう命じた。

石塚が新谷に犯人の特徴を尋ねた。

宮本は背中を見せただけで確認したのは黒っぽい背広だけだった。

新谷は何かを伝えようとしたが、古山に制された。

石塚は黒岩興業で黒岩と対面した際に、古山が中で話そうと言ってきた。

黒岩は新谷を撃ったヤクザを身代わりに自首させたが、古山はそれを見抜き、明日までに本当の犯人を出頭させるように命じた。

黒岩は面目が丸潰れであることを理由に、古山が単独で行くことを条件に、西の居場所が黒岩興業の倉庫にいることを教えた。

古山は1時間後に踏み込むことを決意した後、石塚に黒岩との因縁を話した。

20年前(1953年頃)、古山が若手刑事だった頃、凶悪犯に古山が狙撃された時、震えがきて拳銃を拾えずに黒岩に助けられていた。

黒岩は古山の不格好の姿を公表せず、頻繁に協力してくれたが、街が巨大になるにつれて本性を出し始めていた。

古山は黒岩との決着をつけなければならないこと、万一の時には洋子を頼むこと、部下を見れば上司も分かることを伝え、石塚のもとを去った。

石塚は拳銃に1発弾を装填した。

古山は倉庫に駆けつけたが、黒岩や黒岩の部下、西たちに包囲された。

黒岩は古山の考えが変わらないとして、西に古山を射殺させようとしたが、陰で尾行した石塚に阻止された。

古山は黒岩を殺人教唆の容疑で逮捕した。

石塚が一係室に帰還したときに、一係室に古山が訪れていた。

古山は石塚に、無事定年が迎えられたことを感謝した。

藤堂は石塚を、規律無視と連絡不履行で減俸5日の処分にしていた。

 

 

メモ

*今回、マカロニが欠場。ゴリさん以外の一係のメンバーはほとんど活躍しない。

*ゴリさんは「死んでも食い物は離さない」らしい。

*犯人が刑事をチンピラorヤクザと勘違いするのは「危険な約束」を思わせる。

*ゴリさんの出張編には他にも、「ハマッ子刑事の心意気」(山さんと同行)、「その灯を消すな!」(ジーパンと同行)、「ゴリ、爆発!」がある。

*今回のキーマンである古山(小栗一也氏)と黒岩(神田隆氏)。実は神田氏の方が5歳年上だったりする。

*小栗氏は後に「故郷の父」、「ペスト」、「高校時代」でも竜雷太氏と組んでいる。

*バー「黒猫」は北和泉にもあったのか。

*古山がラストに死亡しそうな雰囲気だったが、何とか石塚の機転で生存。

*ところで、ゴリさんが落としたパンは殿下が食べたのだろうか?

*古山と新谷の名前、冴子(黒岩の愛人)の名前は本編未呼称。ソースは台本。

 

 

キャスト、スタッフ(敬称略)

藤堂俊介:石原裕次郎

内田伸子:関根恵子(現:高橋惠子)

島公之:小野寺昭

野崎太郎:下川辰平

 

 

古山喜平:小栗一也

黒岩社長:神田隆、新谷裕二:久富惟晴

冴子:戸部夕子、古山洋子:京春上、貫恒実

西次郎:松本伊佐武、石川隆昭、築地博、久本昇、岡本隆、金子富士雄

ノンクレジット 黒岩の部下:大宮幸悦、黒岩の部下:新井一夫

 

 

石塚誠:竜雷太

山村精一:露口茂

 

 

脚本:小川英、中野顕彰

監督:土屋統吾郎