第26話「みんな死んでしまった」

放映日:1973/1/12

 

 

ストーリー

七曲署捜査一係の面々は九州へ帰ることになったが、石塚は熊本の実家で見合いをすることになっていた。

石塚が小串郷駅で電車を降りた後に、送迎担当だと名乗る光子(倉野章子さん)という女中が来た。

石塚が歩いていたところ、4人の男性に取り囲まれ格闘になったが、巡査(奥村公延さん)が駆けつけたためにトラックで逃走した。

巡査が警察手帳を無くした石塚を刑事ではないと誤解して逮捕しようとしていたところ、突如車が現れ、山口と木村と伊東が石塚を「坊ちゃん」(樋口一郎)として誘拐した。

石塚の警察手帳は地面に落ちていたが、それを拾った男がいた。

石塚は事情を聴こうとしていたが、山口(山本麟一さん)は船長に雇われた4人組から石塚を助けてやったと述べた。

木村は船長が宝を独占しようとしていると推測し、伊東は3人のものだと述べた。

3人が光子の知らせで来ていたことを聞いた石塚は、光子に「坊ちゃん」と呼ばれる男と間違われたと推測した。

3人は、石塚から「例の物」の隠し場所を聞き出そうとしていた。

車が樋口の自宅に到着した。

石塚は、丸三郵船社長の樋口利兵衛の写真を見ていた。

一郎の母親は樋口にとっては行きずりの女にすぎなかったために、一郎は樋口の入院にさえも来ていなかった。

美津子が買い物に出かけた。

石塚は3人側から喋るよう要求したが、木村はナイフで襲おうとした。

石塚が制した直後に、裏口から侵入した元船長の古屋(成瀬昌彦さん)が拳銃を持って現れた。

古屋は自己紹介をした後に、木村と山口と伊東が同じ船の仲間だと伝えた。

古屋と山口たちは対立していたが、同じ目的を持っていたために石塚の助言で仲間になることを決意した。

古屋は石塚に、宝は船で「大きな仕事」をしている最中に樋口社長が手に入れたこと、報酬を支払う前に樋口が病死してしまったことを伝えた。

古屋は「大きな仕事」の内容を教えなかった。

石塚は凶器を隠すこと、父親の墓参りをするまで待つようにと伝えた。

石塚は2階にいる何者かの影を直感していた。

石塚の警察手帳を盗んだ男が食事をしていたが、主人が警察手帳を調べようとしたところ逃走した。

捜査一係室に石塚が暴行を加えたことと食い逃げをしたことの通報が入った。

石塚たちは裏山にある樋口の墓に行った。

樋口は焼かれるのが嫌で土葬にしていた。

雨が降ったので樋口邸に戻ったところ、車のタイヤがパンクしていた。

船長は石塚が何も知らないのではと推測したが、石塚は殺し合いをするか力を合わせるかの2択にしろと言った。

古屋たちが食事をしている最中に、土砂崩れの音がした。

山口によると、崖が崩れると館が孤立してしまうようだった。

木村は古屋が雇った連中の犯行ではないかと言ったが、古屋は拒否した。

山口は光子が隠し場所を知っていると推測した。

伊東は光子と接触した。

石塚と木村は深夜に起きて行動を開始した。

石塚は館内を捜索し電話しようとしたが、電話線が切れていた。

石塚は外を調査し何者かを発見したが、何者かに発砲された。

石塚は道中に落ちていた弾を拾った。

石塚は古屋と山口にライフルの薬莢を見せたが、2人は知らなかった。

石塚達は木村と伊東が行方不明になったために調査を開始していたが、クローゼットから伊東の死体が出た。

伊東の遺体には木村のナイフが刺さっていた。

食堂から光子の悲鳴が聞こえたために急行したが、光子はいなかった。

石塚たちは棚を動かした跡を発見し、地下の隠し通路を捜索した。

光子は地下室に監禁されていた。

光子は木村と伊東が地下室には何もなかったために揉めだしたと言った。

石塚は光子から、樋口船長の土葬を決めたのは光子とかかりつけの医師だということを聞いた。

しかし、石塚は近辺に土葬の風習が無いため、棺の中に手提げ金庫のようなものを隠したのでは推測した。

山口は石塚たちを監禁し、樋口の墓を掘り起こしていた。

古屋は3年前(1970年頃)、丸三郵船に密輸の誘いがかかって引き受けたが、船が航海中に機関の爆発で沈没したことを話した。

石塚は船長が沈めたこと、荷物はガラクタとすり替えて売り飛ばし、船と荷物の保険金を入手したと推測した。

島が九州の警察署に赴いたが、刑事によると石塚の消息は不明であった。

警察手帳を盗んだ男は逮捕されていた。

山口は棺を掘り起こしたが、中身は木村であり、山口もスコップで殴られ殺害されてしまった。

盗んだ男は喧嘩騒ぎを目撃したこと、石塚に女性の連れがいたこと、千王山に住んでいる老人と歩いていたことを話した。

石塚と古屋は地下室をなんとか抜け出し、樋口社長の墓に赴き、山口と木村の遺体を確認した。

古屋が山に発破の跡があったと言ったために、石塚は何者かが全員を皆殺しにしようとしていると推測した。

古屋は館内に戻ろうとしたが、石塚は罠だとして表門と裏門の二手に分かれようと言った。

古屋は二階の一室を調査した際に、石塚の犯人逮捕の記事を見て刑事だと知ってしまった。

古屋は石塚を射殺しようとして、窓から2人で転落した。

光子と姿を隠していた樋口利兵衛(菅井一郎さん)が合流した。

島が刑事の手引きで館に接近していた。

樋口は隠してあったダイヤを光子と2人で分配しようとしていた。

樋口は偽の診断書を書いた医師も殺害していた。

光子は乾杯と偽って樋口を酒で毒殺しようとした。

光子は毒殺に失敗すると鬘を剥ぎ、樋口を死人は殺人にならないとして射殺しようとした。

樋口は光子を逆に射殺しようとしたが、石塚が駆けつけ、樋口と光子を逮捕した。

古屋はベッドで気絶していた。

石塚は一係室に戻ったが、藤堂から本物の樋口一郎を紹介した。

本物の一郎は九州に行く前に、バーで恋人と痴話喧嘩して怪我させたために留置されていた。

 

メモ

*九州ロケ編後編(ただし館内の場面がメインで、ロケの要素はほとんどない)。ほとんどゴリさんの独断場でもある異色作。

*ゴリさんの出身地が熊本であることが判明。(この後たびたび変わる)

*「気が狂ったとしか思えんね」by山村、「お見合いの相手が美人過ぎておかしくなったんじゃないすか」byマカロニ

*クローズドサークルや一人ずつ殺されていく男たちなど、完全に「金田一少年の事件簿」のような雰囲気。

*石塚と古屋と女中が倉庫を脱出する場面はカットされたようだ。

*1人で4人殺害し、女中まで殺害しようとした樋口社長。「太陽」史上でも屈指の凶悪犯。

*戸塚氏が前回に引き続き登場。(ただし別役)
*ゴリさんが間違われなければ古屋も一郎も死亡し文字通り「みんな死んでしまった」になるところであった。

 

キャスト、スタッフ(敬称略)

藤堂俊介:石原裕次郎

早見淳:萩原健一

内田伸子:関根恵子(現:高橋惠子)

島公之:小野寺昭

野崎太郎:下川辰平

 

 

樋口利兵衛:菅井一郎、古屋船長:成瀬昌彦

山口:山本麟一、光子:倉野章子

地元の駐在:奥村公延、成松守、峯秀一、杉浦賢次

坪内俊蔵、古屋に雇われた男:戸塚孝、古屋に雇われた男:大宮幸悦、大前田武

 

 

石塚誠:竜雷太

山村精一:露口茂

協力:弓張観光ホテル、佐世保市観光協会

 

 

脚本:小川英、長野洋

監督:金谷稔