第21話「バスに乗ってたグーな人」

放映日:1972/12/8

 

 

ストーリー
早見は伸子とデートの約束をしていたが、伸子の仕事が入ってしまったために断られてしまった。
早見はバスに乗っていたが、1000円札のみで小銭が無かったため、運転手(柿木恵至さん)から降車を強制された。
そんなとき、寺沢彩子(星由里子さん)という女性から小銭を渡された。
早見は寺沢を追いかけたが、その早見を追尾する小野(石山雄大さん)という男の影があった。
寺沢は玩具屋でロボットを買っていたが、小銭を返そうとする早見が付きまとっていた。
寺沢はファッション専門のカメラマンだった。なおも小野が追尾していた。
寺沢は、早見が結婚相手の素行調査をしている興信所の所員だと推測した。

早見は寺沢を子持ちと推測したが、寺沢は未婚の母であると話した。
早見と寺沢はお互いに自己紹介と年齢紹介をして、早見は寺沢の荷物を運んだ。
寺沢の母親(露原千草さん)と寺沢拓郎が出向いた。

拓郎は寺沢の姉の子供で、姉が外国に行ったために母親代わりをしていた。
小野の上司の神谷(江見俊太郎さん)は、小野に早見の調査を命じた。

寺沢は上司の山田(勝部演之さん)とともにモデルの撮影をしていた。
早見はパトカーで寺沢宅に赴き、寺沢に同行を奨めた。

寺沢はやっと早見を刑事だと信用したが、男達も早見を刑事と気づいた。
寺沢は早見を痴漢扱いして警察に突き出そうとしたことを謝罪し、早見に写真をプレゼントした。
神谷に写真の強奪を命じられた部下2名は、早見を殴り倒して写真と財布を強奪した。
藤堂は早見に、パトカーを使用してデートしたことを叱咤した。
自動車のナンバーから、自動車が不動産屋の神谷商事の神谷社長のものであることが判明した。
石塚と島
は寺沢の恋人が、早見を恋人と勘違いしたために殴り倒されたとからかった。
早見は寺沢が狙われていると推測し、ボディガードになると宣言したが、藤堂に他にも事件があると拒否された。
早見は財布の被害届を提出し、独自で捜査すると宣言した。
神谷は不動産屋殺人事件の重要参考人であったが、神谷が当日九州にいたアリバイが崩せなかったため、事件が迷宮入りになっていた。
事件が起こったのは半年前の終戦記念日である8月15日であった。
小野は写真のことは気づかれていないと推測したが、神谷は油断できず、ネガだけは入手したかった。
神谷は小野に対し、スタジオにいる早見と寺沢の抹殺を命じた。

山田は寺沢に対し、早見が目障りだと伝えた。
山田はホテルで食事を待っている最中、寺沢に次の創刊号を依頼しようとしていたが、そこに早見が駆けつけた。
早見は山田に自分の身分を伝えたが、山田は帰ってしまった。
早見は向かいの席のバッグに入っている時限爆弾に気付き、間一髪で寺沢を庇った。
鑑識の報告によると、爆弾にはかなり精巧な時限装置がついていた。

野崎は早見の予定外の行動で神谷達の計画が狂ったと推測した。
山村は、神谷が半年前まで小さな不動産屋だったが、殺人事件後から景気が良くなったという情報を掴んだ。
神谷の部下がアパートの一室で寺沢宅を張り込んでいたが、小野がラジオで盗聴をしていた。
寺沢の母親は早見に帰るよう言ったが、早見に断固拒否された。
早見は神谷一派の狙いが写真で、財布がカモフラージュであること、別の写真を盗んでしまった可能性があると推理した。
寺沢の写真を全て拡大するのは困難だった。

寺沢は以前、個展を開いたときに街頭スナップのパネルが1枚盗まれたことを思い出した。
そのネガを現像したところ、神谷と殺害された大川が映っていた。
寺沢宅に、拓郎を誘拐したのでネガと写真を渡せという小野からの電話が入った。

早見が一係室に通報しようとしたが、小野に警告さた。
早見は盗聴器に気付き、事情を知れば母親も危ないと筆記で伝えた。
早見はライターの中に盗聴器があると推測し、一係室に「五目そば2つと餃子1つ、5丁目の寺沢」と誤魔化して伝えた。
寺沢は小野からの電話を聞いてフィルムを渡しに言った。
石塚が中華料理屋の出前を装って潜入し、早見が代わりに出前に扮装してカブで追跡した。
石塚は小野を挑発し、一係室に、小野が南東50mの木造アパートにいると報告した。
山村と野崎と島がアパートの一室に潜入し、小野から事情を聞こうとした。

早見と寺沢は拓郎が監禁されているマンションの一室に潜入した。
神谷から「ネガと写真をハンカチに包んで下に投げろ」という電話がかかった。
神谷は寺沢がネガと写真を渡した後、子供が浴室にいると電話をかけた。
早見は自分たちを無事に帰すつもりがないと推測し、警戒した。

浴室にはドアを開けると爆発する爆弾がついていた。
早見はタオルを手に包んで扉の窓を割って侵入し、拓郎を救出した。
山村と野崎と石塚と島が駆けつけ、誘拐と不法監禁と半年前の殺人容疑で神谷と部下を逮捕した。
早見は爆風に巻き込まれていたが、寺沢に手当てしてもらっていた。

 


 

メモ
*シンコは冒頭のシーンのみの登場。
*「グー」という表現がいかにも1970年代。
*煙草をポイ捨てし、公衆電話に唾をかけるマカロニ。「お前それでも警察官か!?」byボス
*やっと「刑事みたい」と言われたが、刑事だと正直に言ったのに「真面目に答えないなら知らない」と怒られるマカロニ。
*マカロニが24歳であることが判明。(1947年か1948年生まれ、ちなみに萩原氏は1950年生まれ)「13日金曜日 マカロニ死す」の年齢表示と一致する。
*寺沢は20歳と30歳の間らしい。(演じた星氏は当時29歳)
*ファッション雑誌のスタジオの背景がサイケデリック。
*パトカーで出迎えしてボスに叱咤されるマカロニ。同じようなことでスニーカーも怒られていた。(「流れ者」)
*石山氏が若い。
*スタジオで喫煙している早見に対し、注意する所員。
*自分を「おお山さんだよ」と伝える山さん。
*機転が利く部分を次々と発揮するマカロニ。
*やっと一係の和気あいあいシーンで終了となった。
*予告編ではマカロニが視聴者に語りかけるというメタなシーンがある。この他に刑事が次回予告をするパターンは「おやじに負けるな」と「対決! 6対6」がある。
*山本監督の「太陽」初監督作品。

 


 

キャスト、スタッフ(敬称略)
藤堂俊介:石原裕次郎
早見淳:萩原健一
内田伸子:関根恵子(現:高橋惠子)
島公之:小野寺昭
野崎太郎:下川辰平

 

 

寺沢彩子:星由里子(特別出演)
神谷社長:江見俊太郎、山田:勝部演之、小野:石山雄大
寺沢の母親:露原千草、神弘予、遠藤義徳、池田勝美
高橋義治、大宮幸悦、バス運転手:柿木恵至、野本博、芦田昌子

 

 

石塚誠:竜雷太
山村精一:露口茂

 

 

脚本:鴨井達比古、小川英
監督:山本迪夫