「塩は良いものである。だが塩に塩気がなくなったら、どうして塩味を取り戻せようか。もはや何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。あなたがたは自分自身の内に塩を持ちなさい。
「体のともし火は目である。目が澄んでいればあなたの全身が明るいが、濁っていれば全身がくらい。だから、あなたの中にある光が消えれば、その暗さはどれほどであろう。」


ソクラテスは多くの人々のところでは知られていなかった。人々は彼のところに、哲学者たちに紹介してくれるよう頼むためにやってきた。そのとき彼は我々がするように腹を立てたであろうか。そして「私は君に哲学者と見えないか」と言っただろうか。いや、彼は彼らを連れていって、紹介したものだった。そして彼は自分が哲学者であるというただひとつのことに満足し、そして自分がそう見えないことを気にしないでいられることを喜んだ。というのは、彼は自分の固有の仕事を記憶していたからである。