2022年記事



何かを待ってる。

一体なにを待ってるのか覚えないけど…







カランカラン





うん…珈琲のいい香り





中に入ると青い髪の中性的な女性がギターのチューニングをしているようだ





ゆずみたいにハーモニカが付いているギター





奥のカウンターに案内されてメニューを見ながらどの珈琲が美味しいか悩んでいた





"マスター!裏の焙煎機見せてよ"





《どうぞ、好きに見てって》





お友達なのか奥へと入っていった





店内には私ともう1人





《お客さん、これから1曲歌ってもいいかな?》





「どうぞ、是非」



《♪〜♪〜♪〜》



窓際に座って携帯を弄りながら外を見ている



誰かと待ち合わせなのかな



〈お待たせしました
当店オリジナルゆうなぁブレンドでございます
先程悩まれてたこちらも試飲ですがどうぞ〉


可愛らしい声と柔らかい雰囲気の店員さん


「え、いいんですか?ありがとうございます」



2種類の豆で迷っていたのですごく嬉しい




ゆうなぁブレンドは深煎りなのに甘さもあって暖かい味がする







珈琲の香りに誘われて入ったお店で




美味しい珈琲と



オシャレなケーキ




陽気な音楽を楽しめる



このカフェに通うことになるだろう








『なぁちゃん、ごちそうさまでした』




《今日は待ち人現れました?》




『まだ。でもここに来たらもう少しで会える気がするんだ…』




《それならまたいつでも来てください》


〈いつもの場所空けとくから〉


『ありがとうゆうちゃん、またねー』



カランカラン




あれからこの珈琲屋に通う私



来る度に必ずいる、窓際に座っている彼女は一体誰を探しているんだろう














あー、今日はいつもより遅くなっちゃった…



珈琲屋さんにも行けなくて気分が落ちる



明日は休みだけど珈琲飲みに来ようっと



《いらっしゃいませ。今日はいつもと雰囲気違いますね?お仕事お休みですか?》



「はい、昨日来れなかったんで今日来ました」


ガタン!!!!!!


『…見つけた。』


窓際の彼女がこちらに歩いて来る



「へ???」



 
《あ、そうか。君だったんだね》



え?なんのこと?
マスターは何かを知ってるみたいだけど



『美音ちゃん…だよね?』



「え、どうして私の名前…」



『知ってるに決まってる。

ずっと前から』


どういうこと…


『なぁちゃん…前に言ったブレンドお願いしてもいい??』


《いいよ。すぐだから待ってて》




〈はい、おまちどうさまです。

ミルクと砂糖を入れてお飲みください〉



あれ…この香り…どこかで…



「この香り…知ってる。」


『ミルクと砂糖、入れてみて』


「え?あ、はい。」


せっかくならブラックで味わいたいところだけど2人が言うので…


「いただきます………


あれ?この味、、懐かしい。グスッ」


『泣かないで…』


あれ、なんで私泣いてるんだろ


彼女の指が私の涙を拭う


初対面じゃないみたい


この手も指も知ってる


ふと、手を握られた


『昔と変わらない小さい手だ…ニコッ』








『みおんちゃんの手は小さいねー、』


「〇〇ちゃんが大きいんだよーグスッ」


『わー、泣かないで?私がずっと守ってあげるから』


「ほんと??」


『うん、離れ離れになっちゃうけど絶対に迎えに行くね』グスッ


「ぜったいに??」


『これみおんちゃんにあげる。お家でママと作ったんだ。
コーヒーって言うんだよ。これはみおんちゃんの特別な味。
でもにがにがだからお家でミルクとさとー入れてね』


「とくべつ??」


『うん!お名前つけたんだ。コーヒーって英語でかーひーって言うんだって…だからこの名前は"かひあん"。ママが字を書いてくれたんだけど難しくてわたし書けないから…
大人になったら迎えに行って教えてあげるね。約束』グスッグスッ


「約束だよ、ぶーちゃん」グスッ、グスッ





 




『このブレンドの名前は…



「…かひあん」


!!!!!


"珈琲音"



「こういう字だったんだ…」



『珈琲と美音ちゃんを合わせたんだ

迎えに来るの遅くなっちゃってごめんね』



違う。いつの間にか私が忘れてた



小さい頃の約束


あんなに大事にしてたはずだったのに


ずっと覚えてくれてたんだ



『18年ぶり…かな??』



「そう、だね…」



『その、、えーっと、か///

髪、染めたんだね?////』




《もぎさん!そうじゃないでしょ》
『いや、だって恥ずかしい///』

〈ちゃんと、言ってきな〉

『はい…』



『その、えっと…可愛く綺麗になったね//』



「え?///そんなこと…ない///」




『今度からは…ずっと、隣で、、離さないから、

珈琲音一緒に飲んでもらえませんか…』



「グスッ、グスッ…」


そうだよ、私ずっとこの時を、この人を、待ってたんだ




「ぶーちゃん!!!!!」



あなたの胸に飛び込んだ




「会いたかった、会いたかったのに私忘れてて、グスッ、ごめんなさい。グスッ」



ぎゅーっ

『美音ちゃん!!』




「もう、離れない?グスッ」



『離れない!グスッ』

 

「ずっと一緒?グスッ」



『うん、ずっと一緒』




こんなにも私のことを想い続けてくれてたんだ




一緒に過ごした時間なんてほとんどないけど、迷うことなんてない



「私もぶーちゃんと珈琲音一緒に飲みたい//」