「そして南京へ ④ 」 蒋介石の抗戦宣言(日中戦争)

 昭和12年(1937年)8月8日、中国国民政府リーダー蒋介石は(対日)抗戦を宣言。

 「※ 9・18以降、我々が忍耐・退譲すれば彼らは益々横暴となり、寸を得れば尺を望み~
侵略日本と生死をかけて戦わねばならない。」 (「※ 9・18」とは満州事変のこと)
 ↑ これは、日中戦争開戦の昭和12年(1937年)8月8日に発表された中国国民政府・
 蒋介石による演説(抗日宣言)の一部抜粋である。

  蒋介石の抗戦宣言の冒頭にも有るように、日本軍が満州事変以降続けてきた中国大陸

への侵略政策に対する批判が、彼らが抗日戦争(「抗日戦争」は、日中戦争の中国側の

呼称)を決意するに至った背景にあることが、明確に述べられている事例と言えるだろう。

  蒋介石は、また、同年同月18日には、こうも述べている。
 「『~戦わずして我を屈せんとした日本の戦略』は、既に事実上失敗しつつある・・・。」
  そして、日本軍の速戦即決の方針に、粘り強く持久戦をもって臨むことで、日本軍の

侵略意図を挫く必要があることを中国国内に訴える趣旨の発言をしている。

 これら蒋介石の抗戦宣言前後の発言記事の行間分析からも、日本軍が中国大陸への

侵略政策を進める過程において、中国人を際限なく追い詰めていった事実が推認され

得るだろう。


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 【 後 記 】
 今回は、純粋に相手側の立場で考えた記事構成をしてみた。
 我々のように戦争を知らずに日本国内で育った世代としては、日本が過去の戦争に

おいて、東アジアを始めとしたアジア諸国で、他国の人々に対し酷い仕打ちをしてきた

事実を、 「過去の事ww」或いは「戦争だから仕方がないww」などと斜めに構えて矮小化

したがる風潮(歴史修正主義など)が一部の自称愛国者の間で蔓延しつつあるようだが、

歴史事実は変えられないのだから、日本人としては歴史と誠実に向き合うほかない。

  したがって、「日本が何故、満州事変から敗戦に至る15年戦争といわれる長期戦争

に、のめり込んでいったか?」という観点での歴史検証は必要であり、現在残されている
 歴史資料や論評記事などの「バイアスに対する評価・補正」も含めた歴史検証作業の
必要性についても、今現在進行中の問題として提起しながら、歴史検証を進める必要

があるのではないだろうか。

 このブログなどでも、戦争に至る歴史のプロセス解明に重点を置いた構成で、今後も
 歴史検証を続ける予定だ。