山本宣治(やまもと せんじ)代議士刺殺事件

昭和4年(1929年)3月5日、 旧労農党員京都選出代議士の山本宣治氏が、

右翼団体員に刺殺された事件。

 山本氏を襲った右翼団体員は、同氏を訪問直後に斬かん状を突きつけた。

 (斬かん状の概要)
1、直ちに衆議院議員を辞職すること
2、選挙民を欺き赤化させたる罪
3、治安維持緊急勅令に反対し赤化運動を容易ならしめたる罪
以下略


 山本氏は同氏を襲撃した右翼団体員と、しばらく議論していたが、20分程議論

した後に、突然、右翼団体が懐から短刀を出して山本氏の首を突き刺した。
  その後、逃走しようとする右翼団体員に山本氏は血塗れになりながら梯子段から

飛び掛ったが、重傷を負っていたため、襲撃犯に更に心臓部を刺され、板の間先の

玄関に倒れた・・・。
 山本氏は襲撃されてから数十分後の10時40分頃死亡した。

 昭和初期には、左派的な市民運動も活発だった反面、アンチコミンテルン(防共)に

影響された右翼の活動も活発化し始めていたことを窺わせるようなテロ事件も起り

始めていた。
 この、山本宣治代議士刺殺事件なども、当時の「右傾化や右翼の過激化」を示す

事件であろう。