華北における特殊貿易(密輸)と日本による華北の自治工作

 日中戦争勃発前の1935年11月頃には、中国の国民政府切り崩しの一環として、

日本軍による華北の自治工作も進んでいた。

 自治工作が進んでいた根拠として、華北における特殊貿易(中国側から見れば

「密輸」になる)が関東軍などの関与で盛んに行われていた趣旨を記録する資料が

残されている。

 中国側の国民政府から見れば、華北の自治工作等も日本軍による傀儡政権化に

過ぎず、傀儡政権を利用した密輸によって税収が激減したので、日本陸軍が関与した

密輸を含む華北文治政策が日中関係に悪影響を与えたという事実は、疑う余地は無い。