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地方創生のよもやま

地方創生にまつわるいろんな話題を提供します。

各省で令和4年度予算の概算要求書がアップされている。

毎年の定番記事だが、今年度も概要について紹介したい。

 

概算要求基準は従来とほぼ同じ

裁量経費は対前年9割が上限で、裁量的経費と義務的経費の削減額の3倍までを新たな政策のための経費「新たな成長推進枠」として要求できるというもの。

 

(令和4年度概算要求基準)

https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2022/sy030707b.pdf

 

概算要求書には「新たな成長推進枠」を含まないいわゆる要求額しか計上されていないので、新政策枠を含む予算要求全額は、内閣府の概算要求概要(地方創生関係予算はP11より)で併せて確認する必要がある。

(内閣府令和4年度予算概算要求概要)

https://www.cao.go.jp/yosan/soshiki/r04/gaiyou_r04.pdf

 

いわゆる地方創生予算は例年通り次の3部局において計上

・内閣府地方創生推進室

・内閣府地方創生推進事務局

・内閣官房まち・ひと・しごと創生本部

 

まずは、地方創生推進事務局

https://www.cao.go.jp/yosan/soshiki/r04/pdf/38.pdf

 

 

とりあえず、地方創生推進交付金(概算要求書P42-43)

 

要求概要によると予算要求額の総額は1200億円(要求概要P11)

要求額が900億円で新たな成長推進枠が300億円

 

要求額の内訳は概算要求書によると

・地方創生推進交付金   49,701百万円

・地方創生拠点整備交付金   4,500百万円

・地方創生整備推進交付金 35,799百万円

 

新たな成長推進枠300億円の内訳は不明だが、要求額は一律1割減なので、こちらも減額幅の3倍ずつ要望しているのではないかと推測。

 

 

以下その他の項目を順に

 

地域活性化伝道師や地方創生コンシェルジュに関する旅費は昨年同額。(概算要求書P3)

 

絶対額は少ないが、中活関係は倍増(概算要求書P6-7)。ハンズオン支援の実施が盛り込まれている。

 

地方創生推進事務局のサテライトオフィス関連経費は令和3年度限りで廃止(概算要求書P31-32)。やめちゃうのね・・・

 

地方創生テレワーク交付金は金額を明示しない事項要求(予算要求概要P16)

R2補正の地方創生テレワーク交付金と同じような内容と理解するが、元が補正だから当初に計上できる財源がないということか・・・今回も補正で決着かな。

 

コロナ対応の地方創生臨時交付金が事項要求なのは、額も読めないし事柄の性格上やむを得ないか。こちらも総裁選・総選挙後に補正の目玉で大型の計上かしら。

 

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次いで、地方創生推進室

https://www.cao.go.jp/yosan/soshiki/r04/pdf/21.pdf21.pdf

 

自治体SDGsモデル事業補助金は1.5億円で、要求では1.2億円の減(概算要求書P8)

内訳不明だが、地方創生SDGsの新たな成長推進枠が4.4億円計上されているので、どこまでとれるか。

 

RESASや地方創生カレッジはどちらも要求額は要求基準の1割減を超える減(概算要求書P11‐P12)。新たな成長推進枠で少し取り返して微減くらいで決着かな?

 

高校生の地域留学推進のための補助金は、要求額総額は減少(概算要求書P21)

が、R3からの継続分のほかR4新規も加え、R3の15団体から20団体に増。新たな成長推進枠での要望もあるが、全額とれたとしてもR3比微増にすぎないので、実績を踏まえた1団体当たりの単価減と推察。

 

関係人口創出・拡大のための対流促進事業補助金は、要求額の段階で5300万円増の7300万円。(概算要求書P25)その分委託費のほうが減になっている。

 

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まち・ひと・しごと創生本部分は、基本的に本部の事務経費のみのため今回も省略。

興味がある方は以下より(関係部分は79ページ目より)

https://www.cas.go.jp/jp/yosan/pdf/r4_07.pdf

 

 

 さいたま市役所の現職公務員で、公務員としてのキャリアや働き方についてライフワークとしていろいろ取り組んでいる著者が、公務員が自分らしく主体的に働くために役に立つ「行動や考え方のデザイン」について紹介する1冊
 

 

以下特になるほどと思った部分を引用

想像力は「想像できる力」と「想像する習慣」の掛け算とも考えられます。(中略)「想像する習慣」は、想像という行動が、必要なときにちゃんと実行できるくらい習慣化されている状態のこと(P15)

理解してもらいたくて一所懸命に説明しますが、「理解してもらおう」と考えるのは、あくまで私たちの都合にすぎません。窓口や電話の向こうの住民は役所の事情を理解したいわけではないのです(P61)

自分の仕事で手いっぱいだとつい疎かにしがちなことを、ちゃんとできたら自分を褒めます。(P112)

微力ではあっても無力ではない(P138)
私たちは日々の暮らしの中で、「こんな社会にしたい」と意識しながら、それに合った経済活動をしたり、人とのかかわり方を変えたりすることができます。(P139)

 

 

さいごに
「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」(P199)

 本当にその通りだと思います。
 及ばずながら楽しくクリエイティブに働くことのできる環境を作っていきたいと思います。

 

 

 地方分権改革に関する令和3年度分の国への提案内容が取りまとめられ、公表されている。

 今年度の提案募集の重点テーマの一つが「計画策定」
 呼応して地方版総合戦略など地方創生関係でもいくつかの団体から提案が上がってきている。

(提案のうち内閣府関係分)
https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/teianbosyu/doc/r03/tb_r3_kohyou_02_1_cao.pdf

 

その中で気になったのが次の提案

No.75 地方版総合戦略における数値目標やKPIの不要化(岡山市など)


地方創生推進交付金の申請に当たっては、「地方版総合戦略」、「地域再生計画」及び「事業実施計画」の3つの計画等を策定する必要があり、地方自治体における事務負担が過重となっている。
特に、地方版総合戦略については、まち・ひと・しごと創生法でその目標等を定めることが明記されているものの、重要業績評価指標(KPI)を記載することまでは法定されていない。
このため、いわゆる「総合計画」において、人口減少克服・地方創生という目的が明確であれば、数値目標やKPI が記載されていなくとも総合計画を地方版総合戦略とみなし、同戦略の策定を省略することで、事務負担が軽減される。
また、数値目標や KPI を設定するために、現状分析や今後の動向を分析することが必要となり、外部の専門家に調査分析を依頼する必要があるなど、時間・経費・労力が必要となり、このことも自治体の負担になっている。

 

 地方創生もそこまで堕ちたのね・・・

 というのが初めて目にした感想。


 KPIによるPDCAサイクルが地方創生施策に導入されたのは、ともすれば事業を実施すること自体が目的化して、事業完了後はやりっぱなしになり、結果として成果が上がっていない事業があまりにも多いことの反省に立ったもので、地方創生施策の肝といえる部分。
 地方創生5原則においても、5つめの「結果重視」において、「明確なPDCAメカニズムの下に、客観的データに基づく現状分析や将来予測等により短期・中期の具体的な数値目標を設定した上で施策に取り組む。その後政策効果を客観的な指標により評価し、必要な改善を行う」と、数値目標とKPI(客観的な指標)によりPDCAを回すことが明記されている。


 そもそも、地方創生施策は、地域活性化のために取り組む内容そのもの以上に、取り組み方を抜本的に変えていこうというものだったと理解している。
 なので、数値目標やKPIによる検証をしないというのであれば、それは地方創生施策ではないと言ってもいいくらいのものだと私は考える。


 地方版総合戦略が当初の理念を失ってしまい、総合戦略を作ること、KPIを策定することが、国の施策を使うためのただの手段に成り下がってしまっているのではないだろうか。
 ただ単に国の交付金などをとってくるための手段に過ぎなければそんなに手間はかけてられないだろうし、都市部では地方創生施策自体をほとんど使っていないところもあるだろうから、そういうところでは確かにただの負担だろう。

 もっとも、平成27年からの数年で取り組んだようなエネルギーですべての自治体でこれからもずっと取り組みを続けるというのもあまり現実的ではないのかもしれない。

 地方創生自体も、年月を経て、継ぎ足された部分、当初の理念から離れた部分、制度疲労を起こしている部分などいろいろ問題はあるのだろう。
 そろそろ地方創生施策全体の進め方や立て付けを全面的に見直すべき時が来ているのかもしれない。