「ユーチューバーが消滅する未来」 岡田斗司夫 著 PHP新書 | 地方創生のよもやま

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人工知能の発達をはじめとする社会の変化により、約10年後の2028年の世界における社会と人間のあり方を見通そうとする1冊
 
 
未来を予測するポイントとして3つの価値観の変化を指摘
「第一印象至上主義」
「考えるより探す」
「中間はいらない」
 
この中で一番重要なのは「中間はいらない」という点
 
今までお金を取っていた商品やサービスがネットなどで便利に、あるいは無料で提供されるようになった結果、これまでそこそこ食えていた人が食えなくなる。
バーチャルのクオリティが向上してきたら、「バーチャルの方が中途半端なリアルよりもよっぽどいい」ということになっていくのではないでしょうか。(P32)
といったことも今後出てくる。
 
この現実に対抗する視点として
 
「安さ」「便利」には人間は抵抗できない
「特別」の追求には無理がある
 
ことを指摘し、
「地方」や「田舎」、「ふるさと」の一番のバリューは、「平凡だけど、自分にとっては大事」ということのはず。どうして、みんながみんな、ほかと違う「オンリーワン」をめざさないといけないのか。「どこにでもあるつまらないところだけど、自分が生まれた街」というだけでいいじゃないですか。(P106-107)
これからの日本で広がる格差というのは、経済的な格差ではなく、地縁、人の縁の格差なんでしょう。(P109)
と説く。
 
このくだりを読んで関係人口が想起されたが、
関係人口も、出身等で縁がある場合も含め、本質的には、その地域自体に何か特別なものがあるがゆえではなく、多くは、出身、就学や就職、旅行や地域イベントでの出会い等で、たまたま縁が生まれた地域との関係性に由来するもの。
となると、縁が生じる機会をうまく生み出し、それをうまく生かせるかどうかで、地域に格差が生じることになるのだろう。
 
 
その他気になった記載
ネットを利用した便利なサービスは、都会の定義も変えていくでしょう。都会には「人が多くてごみごみしている」というイメージが今はありますけど、そのうち「プライムナウみたいな便利サービスの対象地域」というのが一番の重要事項になって、それが地代にも反映されるようになるのかもしれません(P106)
 
ちなみに、なぜユーチューバーが消滅するのかについては・・・
手に取ってお確かめください。