少し日が経ってしまったが、11月26日に今年度の地方創生有識者懇談会の5回目となる会合が開催され、懇談会としてのとりまとめが公表されている。
https://www.chisou.go.jp/sousei/meeting/index.html#an41
とりまとめを見ると、デジタル一色のような感を受けるが、議事概要を見ると必ずしもそうではないことがわかる。
キーワードとして、「デジタル」のほかに「グリーン、ヒューマン」が挙げられ、またデジタル田園都市国家構想においても「サステナビリティ」と「ウェルビーイング」が大事なキーワードになっていることが紹介されるなど、従来の国の政策の重点が「稼ぐ力」「生産性向上」にあったのとは少し方向性が変わってきている印象。
第5回会合の議事概要をいくつか興味深いコメントがあったのでまず紹介
「地方に人が流れることは歓迎する一方で、地域に残していくべき、あるいは守っていくべき文化や自然の景観というものを、どのように残していくか。(中略)ここに関しては、何らかの制度的なレギュレーションが必要なのではないか(P5)」
「デジタルの利便性というものが交通のインフラよりも重要な時代がやってきているのではないか(P6)」
「デジタルは中立的な手段だから、地方に行っても東京の仕事もできるし、転職しなくていいからすごくいいのですが、一方、東京のいろいろなコンサルなどが地方の仕事も全部とれるという逆方向もあるので(中略)地方で文化を磨くとか、地方でのいろいろな住まい方についても、もっといろいろ磨いていかなければいけない(P17)」
>これまで地方に拠点を置いていた東京の企業が、オンラインで間に合うからと拠点を廃止する動きも今後きっと出てくるだろう。支店経済で回しているような地方都市は今後たちゆかなくなることも危惧される。自前の産業をいかに確立するかが今後問われることになるのだと思う。
「いかに市町村レベルの自治体が自分事として改革をしていかなくてはいけないという意識になってくれるか(P18)」
>国レベルでいろんな提言をまとめたとしても、国が簡単にできるのはお金を出すことだけで、具体的な取り組みの多くは地方自治体をはじめとする現場次第にならざるを得ない。そこに向けて国としてどんなメッセージを出すかが問われる。
次いで、報告の内容から、気になった部分をいくつか紹介
「関係住民票など地域に関わる人を自治体が把握できるようにする仕組みやデュアルスクールの導入、税制なども含め、制度面での検討も行うべきである。」
>過去の地方創生関係のいろんな会議でも指摘されてはいるが、結果として国レベルではなかなか検討が進まず具体化していない部分である。前に進むことを期待したい。
「ハード・ソフト両面での地方のデジタル環境整備」
>経済の論理で進めると、デジタル環境の整備はまず人口が多く経済集積が進んでいる都市からとなり、過疎地は一番後回しとなる。この部分にしっかりとテコ入れをして都市と地方で格差が生じないようにするのは、まさに国の役割ではないかと思う。
提言を受け、総合戦略をはじめとする国としての施策にどう反映されるのか注視したいと思う。
