地方創生のよもやま

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地方創生にまつわるいろんな話題を提供します。

地方創生に取り組むお友達の自治体職員に役立つ情報やヒントをお届けしたい

そんな想いでメルマガを始めたのが平成28年春のこと


そのメルマガの記事の一部をこちらで公開しています。


地域で育まれた本物の価値を見出し

その価値に地域内外の多くの人が共感し、

その価値を地域の活力につなげる取組が生まれ

その取り組みを地域内外の多くの人が応援・支援し

自然と調和し、豊かで持続可能ままちになる


そんなまちが一つでも多く生まれればいいなと思っています。


たいしたことはできないけれど、ずっと続ければ自分の力になる。そして誰かの力になれる。

そう信じて発信を続けていきたいと思っています。




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 少し日が経ってしまったが、11月26日に今年度の地方創生有識者懇談会の5回目となる会合が開催され、懇談会としてのとりまとめが公表されている。
https://www.chisou.go.jp/sousei/meeting/index.html#an41
 

 とりまとめを見ると、デジタル一色のような感を受けるが、議事概要を見ると必ずしもそうではないことがわかる。


 キーワードとして、「デジタル」のほかに「グリーン、ヒューマン」が挙げられ、またデジタル田園都市国家構想においても「サステナビリティ」「ウェルビーイング」が大事なキーワードになっていることが紹介されるなど、従来の国の政策の重点が「稼ぐ力」「生産性向上」にあったのとは少し方向性が変わってきている印象。


第5回会合の議事概要をいくつか興味深いコメントがあったのでまず紹介

「地方に人が流れることは歓迎する一方で、地域に残していくべき、あるいは守っていくべき文化や自然の景観というものを、どのように残していくか。(中略)ここに関しては、何らかの制度的なレギュレーションが必要なのではないか(P5)」

「デジタルの利便性というものが交通のインフラよりも重要な時代がやってきているのではないか(P6)」


「デジタルは中立的な手段だから、地方に行っても東京の仕事もできるし、転職しなくていいからすごくいいのですが、一方、東京のいろいろなコンサルなどが地方の仕事も全部とれるという逆方向もあるので(中略)地方で文化を磨くとか、地方でのいろいろな住まい方についても、もっといろいろ磨いていかなければいけない(P17)」

>これまで地方に拠点を置いていた東京の企業が、オンラインで間に合うからと拠点を廃止する動きも今後きっと出てくるだろう。支店経済で回しているような地方都市は今後たちゆかなくなることも危惧される。自前の産業をいかに確立するかが今後問われることになるのだと思う。

「いかに市町村レベルの自治体が自分事として改革をしていかなくてはいけないという意識になってくれるか(P18)」

>国レベルでいろんな提言をまとめたとしても、国が簡単にできるのはお金を出すことだけで、具体的な取り組みの多くは地方自治体をはじめとする現場次第にならざるを得ない。そこに向けて国としてどんなメッセージを出すかが問われる。


次いで、報告の内容から、気になった部分をいくつか紹介

「関係住民票など地域に関わる人を自治体が把握できるようにする仕組みやデュアルスクールの導入、税制なども含め、制度面での検討も行うべきである。」

>過去の地方創生関係のいろんな会議でも指摘されてはいるが、結果として国レベルではなかなか検討が進まず具体化していない部分である。前に進むことを期待したい。


「ハード・ソフト両面での地方のデジタル環境整備」

>経済の論理で進めると、デジタル環境の整備はまず人口が多く経済集積が進んでいる都市からとなり、過疎地は一番後回しとなる。この部分にしっかりとテコ入れをして都市と地方で格差が生じないようにするのは、まさに国の役割ではないかと思う。


提言を受け、総合戦略をはじめとする国としての施策にどう反映されるのか注視したいと思う。
 

 

12月6日に令和3年度補正予算案が国会に提出され、予算書が財務省HPにアップされている。
先の記事で紹介した地方創生関連の経済対策がどのように計上されているのかを確認したい。

(内閣府補正予算の概要)
https://www.cao.go.jp/yosan/soshiki/r03/yosan_r3_hosei.pdf
(補正予算書)
https://www.bb.mof.go.jp/server/2021/dlpdf/DL202121001.pdf

交付金として計上されているのはコロナ対策の臨時交付金のほか次の2つ。

・デジタル田園都市国家構想推進交付金(200億円)
「社会課題に直面する地域において、デジタル実装の加速化を図ることが喫緊の課題となっていることを踏まえ、デジタル実装を一気呵成に進めるため、デジタルを活用した地域の課題解決や魅力向上に向けて、地方公共団体が他の地域等で既に確立されている優良なモデル・サービスを活用し、迅速な横展開を図る事業を国として支援するとともに、「転職なき移住」を実現し、地方への新たなひとの流れを創出することで、デジタル田園都市国家構想の実現に貢献するため、地方公共団体によるサテライトオフィス等の施設整備・運営、民間企業によるサテライトオフィス等の開設・運営への支援、進出企業と地元企業等が連携して行う地域活性化に資する取組の支援等を行う地方公共団体を支援する」

地方創生推進事務局の予算として計上されているので、デジタル田園都市国家構想の地域レベルでの取り組みは地方創生のラインですすめられるということなのだろう。
具体的な使途のほか、地方版総合戦略や地域再生法との関係も気になるところ。要綱が公表されたら確認したい。

・地方創生拠点整備交付金(460億円)
「デジタル田園都市国家構想による地方活性化をはじめ、未来社会を切り拓く「新しい資本主義」の起動という喫緊の課題に対応するため、地方版総合戦略に位置付けられた地方公共団体の自主的・主体的で先導的な施設整備等を支援する」

経済対策での記載の印象よりはやや使途が広そうな印象。あと、「地方創生整備推進交付金」については計上なし。やはり経済対策での立て付け上無理があったのだろうか。

地方創生テレワーク交付金は、経済対策では言及があったものの補正予算の概要では記載なし。デジタル田園都市国家構想交付金の内数なのだろうか?

 

11月19日に新たな経済対策「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」が閣議決定されている。
https://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/2021/20211119_taisaku.pdf

地方創生施策は、第3の柱である、「未来社会を切り拓く「新しい資本主義」の起動」の一環として、
「地域を活性化し、世界とつながる「デジタル田園都市国家構想」の推進により、デジタル技術を活用し、地方から変革の波を起こすとともに、地域経済の基盤となる農林水産業、観光業等の活性化や中小企業の事業再構築・生産性向上を図り、地方と都市の差を縮めていく(P4)」
というように位置付けられている。

具体的にはP30あたりで言及があり、地方創生推進交付金、地方創生テレワーク交付金、地方創生拠点整備交付金についてもこのパートの
「デジタルを活用した、意欲ある地域による自主的な取り組みを応援するための交付金」
の部分に対応するものと思われる。

昨年度は拠点整備交付金で500億円、テレワーク交付金で100億円だったが、今回はいくらつくのだろうか?
拠点整備交付金は、地方創生関連のハードならかなり広く使えていた例年と比べると使途が相当限定される可能性が高いので、まとまった額がついた場合、活用しきれずに不用額となってしまうことを懸念するが、具体的な案件の球出しのめどはついているのだろうか?

また、例年拠点整備交付金の内数で30億円程度ついていた、地方創生整備推進交付金は、今回は計上されるのだろうか?

道・汚水処理施設・港の整備とデジタル活用は、関係が全くないとはいわない(例えば自動運転のための基盤整備とか)が、現実に行われている事業の内容とデジタル活用はあまりにもかけ離れている気がするので、今年度はやや無理があるような気がする。

その他気になっているものを項目だけ
・食とくらしの「グリーンライフ・ポイント」推進事業(環境省 P28)
・デジタル化による行政の業務効率化及びサービス向上(デジタル庁等 P33)
・地域観光等の拠点や多様な世代の集いの場を創出するコンパクトでウォーカブルなまちづくり等の実現(国土交通省 P36)

来月国会が召集されれば予算額なども明らかになるので、また何か気になることがあれば紹介します。