賃貸の暮らし〜憎き害虫との戦い〜其の壱 コードネームG
今日はちょっと長編で、今年の夏の思い出を![]()
そう、それは長期出張へ旅立って楽しく打ち上げに参加している夫の様子を色んな方のインスタストーリーで監視しつつ、子ども2人は安らかにお休みになっていた晩夏の深夜1時半の出来事であった
家事も終え、コンタクトレンズも外し、あとはパジャマに着替えて寝るだけ〜なんて思っていたものの、ふと上の子の激臭を放っている練習ウェアを始末するのを忘れていたことに気付き脱衣所に…
そっとドアを開けると目に刺さるような刺激臭
うむ、いつも通り
よく汗をかいて今日も頑張ったんだなと、床に落ちてしまっていたドブ色の靴下を拾い上げようとした時にふと何かの違和感
コンタクトレンズを外してしまっていたのでハッキリは見えなかったのですが、ツヤっと艶かしく光る赤黒い大きすぎる柿の種状のもの…
それを視界の端でとらえた瞬間から高速回転するアタマ
「アイツだ…」
そう、それは絶対に負けられない戦いのゴングが静かに鳴らされた瞬間だった
「一瞬の隙も与えてはならない…」とすぐに2年前の死闘を制した際に使用した最強兵器の場所をイメージしつつも目標からは目を離さない私
目標は本来は見るのも嫌なほどに悍ましい存在だが、今はそんなことも言ってはいられまい
左手はドアノブ、右手はドブ色の靴下に伸ばしかけた中腰の体制をじわり、じわりと整え、集中力を研ぎ澄ませる
「今だ…」
左手を軸にノールックで棚の1番上、だが1番取りやすい場所に鎮座している最終兵器目掛けて右手を振り上げ、伸び上がる、掴む
着地とともに目標に目掛けゴキジェット第一射!
…っ、なに?!
ミスった!
目標に高エネルギー反応!!
マズイ…第二射急いで!
最終兵器を振る右手に全エネルギーを託し、敵の侵入を防ぐため苦渋の選択を秒で行いドアをノールックかつノーサウンドで閉め最大出力で第二射
目標は沈黙しました
さぁ、ここからが本当の戦いになる
静かになった目標をどう始末するかが問題だ
奴らは今際の際に子孫を残すため卵を産み落とすというではないか
それを見過ごし、奴らの栄耀栄華を極めさせるなど絶対に許してはならない
少し考えあぐねた私は、おもむろにトイレへ向かいトイレットペーパーを分厚く巻き取る
安易にティッシュでゴミ箱にポイなどあってはならぬ愚行だと考え、トイレに流す作戦を思いついたのである
トイレットペーパーを片手に、ふと、いくら分厚いとはいえ、このまま摘んで捨てられるのか?
…いやそんなことは到底できない
割り箸で掴む事も考えたが、あまりにも距離が短いではないか
私はベランダに向かい、ゴミ拾いトングを手に再び戦場へ戻るのであった
さぁ準備は整った
第二ラウンドが始まる…
なに?目標から再び高エネルギー反応だと?
さすがに動揺が隠し切れないが素早くトイレットペーパーを目標に目掛け投げつけ、トングをねじ込んだ
目標は完全に沈黙しました
「これで終わった…」
再び静寂に包まれた戦場から自身がもてる全握力で握りしめたトングを片手にトイレに向かい、便座の蓋を開け、目標を葬ろうとしたその時
「待てよ?目標は完全に終わったはずだが、奴らの生命力は地球上でナンバーワンと言われている。
仮に蘇生した場合、奴らはまた帰ってくるのではないか?」
そう考えた私は、ちょうどゴミを捨てようとポケットに入れたビニール袋の存在を思い出した
「これしかない」
その日キムチを買った時に漏れないよう念のためサッカー台で拝借した一枚がこんなに役立とうとは
爆走する下の子を制しつつ白目を剥きながらエコバックに買った商品を投げ入れていた私は想像だにしなかった
意を決して、片手でビニール袋を大きく開き、もはやお尻を拭くのには適さないほどにギュッと固められたトイレットペーパーを入れた
慎重に袋を縛ろうとするが、嗚咽と手の震えで上手くいかない
しかしここでモタモタして蘇生しては今までの苦労が水の泡になってしまう
完全に覚悟を決め、何重にも固く結んだ
そして、明日の朝に出せば良いと思っていたゴミ袋に入れ、ゴミステーションに全力で向かうのであった
24時間出して良い&収集の8時間前という幸運を背に
こうして我が家に平和が戻ってきたのだ
床掃除も終わり、本来の目的であったウェアの消毒も終え、パジャマに着替えて、可愛い我が子の眠る寝床へ滑り込んだ
今日の戦いを振り返りながら、目標について想いを巡らせていた
あの忌まわしい存在…
なぜ奴は存在するのか
なぜ奴は出現したのか
なぜ奴はあんなに赤っぽかったのか…
ん?赤っぽかった?
凪のようだった私の心がザワついた
何でも教えてくれる師匠、Google様に震える手で問いかけてみる
「ゴ◎◎リ 赤っぽい」検索
【幼体の可能性が高い、もしくはチャバネ】
幼体だ?と!?!?!?!
もしくはチャバネだと?!?!?!
幼体がいるということは、奴らのコロニーがどこかにあるのか?
この段階でもはや1人では抱え切れなくなったからか、いつもの通りなのか、気を失ったかのように眠ってしまいました
翌日、帰ってきた夫に「ここぞという時にいつもいない」と散々罵倒したのはまた別のお話
まぁ戦々恐々としましたが、そこから一度もお見かけしておらず、きっとその日届いた段ボールについてきたんだということで話は落ち着いています
二度とごめんだ…