初めて見たのは小学生の頃だったと思うけど
いかんせん記憶力の悪い私のことだから
それがいつだったのかどんな内容だったのかハッキリ覚えてるわけではないんだけど。

でもやっぱり私がエジプトを好きになったのは、ううん、エジプトだけじゃないな
世界の色んな遺跡や民俗文化が好きになったのは、間違いなく世界ふしぎ発見のおかげだと思う。

何曜日の何時から何チャンネル
っていうのも覚えるのが苦手な私は
流行ってるドラマも見たことがない
…というか、
いつやってるのか覚えられないから、続きが見れなくてまともに見れたことがない
が、正しいか。

そんな私が初めて覚えることができたのが
毎週土曜日 21時 だった。


どうやって何千年も前にこんな大きな建物をつくることができたんだろう
その時代の人達はどんなふうに暮らしてたんだろう

何千年も前に作られたとは思えない建築物も
精巧な絵画や文字も
見たこともない景色も民族も
世界ふしぎ発見で放送する映像は、いつも私をドキドキワクワクさせてくれた。

司会の草野さんの優しい声に、時々混じる意地悪な顔も
黒柳徹子さんが、いつも鉛筆でメモを取ってる姿も
板東英二さんの、おちゃらけた関西弁で場を盛り上げるところも
野々村真さんの、末っ子おバカキャラなのに、たまにコメントが並外れて秀逸なのも

全部全部好きだった。
みんな個性あるキャラなのに
見ているだけでも仲の良さが伝わるような
どこか遠い親戚の家族団欒を見てるような
そんな雰囲気がたまらなく好きだった。

もちろん番組のクイズの答えも一緒に考えるのが楽しくて楽しくて。
お父さんとギャーギャー言いながら、絶対答えはこうだよ!なんて言い合いしたな。


19歳の頃、初めてミステリーハンターが一般公募された。
当時は音楽の専門学校に通っていたのに、竹内海南江さんのようなミステリーハンターになりたい気持ちをまとめた作文を、学校の先生に添削してもらったりもした。

あいにくミステリーハンターにはなれなかったけれど、私の大きな思い出のひとつ。


大人になるにつれ、毎週は見なくなってしまっていたけれど
古代エジプトの回がある時なんかは、お母さんが今度の世界ふしぎ発見はエジプトだってよ
って教えてくれてたりしたな。


最近見てなかったくせに何を言ってるんだって思われるかもしれないけど、
こんなになくなることが辛いと思ってなかった。

ずっとずっと、あたりまえに、これから先も続いていくんだと思ってた。

ひとつのテレビ番組が終わる。
それがこんなにも寂しくて悲しくて
こんなにも泣いてしまうなんて。


すっかりテレビ離れをしてしまって、YouTubeやインターネットばかりみていたことを心から悔しく思う。


未来永劫続くものなんてないんだけど
始まりがあれば終わりがあるんだろうけど
それを受け入れるのは、私にはとても難しい。




今までありがとう
は、まだ言えない。