「明日から、何しよう」

 

やめたその夜、あなたはそう言いました。冗談めかした声でしたが、私は笑えませんでした。

 

14年間、あなたには毎日決まった行き先がありました。レッスンバッグを持って出かける先が、当たり前のようにそこにあった。それがどれほどのことだったか、なくなって初めて分かったのは、たぶん私の方が遅かったと思います。

 

技術を手放すことより先に、あなたは「所属」を一つ失っていました。友達もいる、先生もいる、名前で呼ばれる場所。それが翌朝から、跡形もなく消えていたのです。

 

次の居場所は、探さなければ現れませんでした。あなたはあのとき、何を頼りに一日を組み立てていたのでしょう。今もときどき聞いてみたくなります。

 

その一年をどう過ごしたか、上に記録として置いています。

 

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