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今日は、
世界中で親しまれている音楽を作曲した
伝統的な作曲技法をある程度無視して
自由な音の響きを追求し、
これまでにない革新的な音楽を生みだした
クロード・ドビュッシーは、1862年8月22日生まれです
ドビュッシーは「音楽と同じくらい絵画が好き」と自ら語っていて、
美術作品からインスピレーションを得て作曲しました。
「雨の庭」「水に映る影」「海」
のような曲名がその象徴です。
ドビュッシーは日本美術にも造詣が深く、
交響詩《海》のスコアの表紙には
葛飾北斎の『富嶽三十六景』が用いられています。
ドビュッシーの創作は、文学作品からも
大きな影響を受けています。
ドビュッシーの出世作ともいえる
《牧神の午後への前奏曲》は、
マラルメの詩に感銘をうけて生まれた楽曲です。
※マラルメ=詩人。牧神=ギリシャ神話に登場する神。
まるで夢の中にいるかのような、
うつろでアンニュイな雰囲気を感じる
フルートの旋律が魅力的な曲です
この曲は私も過去のコンサートで、
演奏と解説をしました
Live映像を公開します
※1分54秒〜解説、5分32秒〜演奏(ダイジェスト版)です。
後ほど、当時ドビュッシーの作風を批判していた
女性作曲家をご紹介します
日本ではお馴染みの作曲家
春の〜うららの〜隅田川〜♪
の歌い出しで有名な、
「花」を作曲した 瀧 廉太郎は
1879年8月24日生まれです
瀧廉太郎は西洋音楽を日本に取り入れた先駆者で、
「荒城の月」などの唱歌は、
「日本人にこんな曲が作れるなんて…!」
とヨーロッパの人々も驚いたそう。
鬼才ともよばれていた瀧廉太郎ですが、
ドイツへ音楽留学中に結核を患い
志半ばで帰国…
23歳という若さで生涯に幕を下ろしました
たった23年の生涯で、
令和の今も歌い継がれる唱歌を残した
日本の誇るべき作曲家です。
そして、日本人としては最も初期に
クラシックピアノ曲を作曲しました。
彼の遺作「憾」(うらみ)は
病と闘っている最中の作品で、
悲痛な思いが感じられます…
感情を音楽に投影した、ロマン派の作風に
影響を受けているように思います。
偉大な日本人作曲家をもう1人、ご紹介します
毎年夏の甲子園で流れている
高校野球大会歌「栄冠は君に輝く」を作曲した
古関 裕而 (こせき ゆうじ)は、
1909年8月11日生まれです
NHK朝の連続テレビ小説「エール」のモデルとなり、
波瀾万丈な作曲家人生が描かれました。
「エール」に 古関裕而の友人役として出演されていた、
ミュージカル俳優の山崎育三郎さんが
今年の甲子園の開会式で「栄冠は君に輝く」を独唱し、大きな反響を呼びました
「栄冠は君に輝く」を作詞した加賀大介は、
少年の頃から野球が大好きでした。
しかし16歳で骨髄炎を発症、
右足の膝下を失い
グラウンドを駆け回る夢は断たれました。
それでも野球への愛は消えることなく、
若者へのエールと野球への思いを
「栄冠は君に輝く」の歌詞に込めたのでした。
若くして夢を断たれた加賀大介の応援歌は、
2020年 コロナ禍で甲子園が中止となり
出場できなかった高校球児へのエールのように感じます。
女性作曲家としての
地位を築いた、最初の人
昔は、女性が作曲家として
職業的に自立することが
十分に認められていませんでした。
初めて経済的にも自立した女性作曲家が、
フランス出身のセシル・シャミナード(1857年8月8日生まれ)
だと言われています。
画像:wikipediaより
自宅でサロンコンサートを開催するような、
裕福な家庭に生まれ育ったセシル・シャミナード。
セシル家は、近所に暮らしていた
ジョルジュ・ビゼー(オペラ「カルメン」の音楽などで有名な作曲家)と親交がありました。
幼い頃から作曲を試みていたシャミナードは、
8歳の時に自分の曲をピアノで演奏し、
ビゼーに聴いてもらいました。
ビゼーは「小さなモーツァルトだ!」と
彼女の作曲の才能に驚いたそう。
シャミナードがなぜ、
女性作曲家としての確固たる地位を
確立できたのか?というと、
●当時活躍していたビゼーが、作曲の師として尽力したこと
●ビゼーと同じ頃に活躍していた男性作曲家
グノー、マスネ、サン=サーンスらも
シャミナードを高く評価していたこと
●親しみやすい明快な作風が、
ピアノを趣味にしていた女性達の間でヒットしたこと
これらの出来事が、
当時では稀な「女性作曲家」として
世間でも認知されるようになったのです。
そして、イギリスの香水会社が
「シャミナード」という名の香水を発売するほどに大人気作曲家となりました
1912年、女性作曲家では初となる
パリ音楽院の試験曲作曲の依頼を受けました。
その作品こそが、
「フルートと管弦楽のコンチェルティーノ」
です。
今現在、シャミナードの作品の中でも
群を抜いて人気を博している楽曲です
宇宙人レベルの凄腕フルーティスト・ブリアコフさんの演奏
親しみやすい明快な作風を好んだシャミナードは、
ドビュッシーの曖昧で繊細な表現を批判していた
という説もあります
今日は8月生まれの作曲家と名曲を
ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか
次回は9月生まれの作曲家特集です
おたのしみに