やっと車が帰ってきた。
どこから?っていうと、修理から…。
なんで修理?っていうと、ぶつけたからだよ!!!
この私が車をぶつけるなんて。
生まれ変わったらタクシーか、ハイアーの運転手さんになりたいぐらい運転には自信もあるし、地図も詳しいのに。
確かに慌ててた。すぐに移動しなきゃいけない駐車場で、急いでバックしたら、なんとそこにはよそ様の車があったのです。
「ガツン!」
呆然とする間もなく、子供はすぐに迎えに行かなきゃ行けないし、人様の車は鼻先がとれちゃってるし。すぐに同乗してたシッターさんに迎えを頼み、ぶつけた相手の方にひたすら謝ろうと車を降りたのでした。
「本当にすみません。お怪我はないでしょうか。ちょいとお聞きしますが、こんな時どうしたらいいのでしょうか」
おそるおそる聞いてみると。
「僕はぶつかるのがわかったから身構えましたけど、そちらこそいきなりでお怪我はないですか?」
と聞かれたのです。
なんていい人なんだ!ありえない!しかも
「ヴァイオリンの高嶋さんですよね。お子さんもいらして大変ですよね。ここは大丈夫ですから早くお子さんと一緒に帰ってください。」
とまでおっしゃるんです。
帰れったって、あなた様の車半分ちぎれてるんですけど…。
さすがにほっておけないっすよ。と心で思いながら、
「すぐに保険やさんにすべてやっていただくので、代車がくるまで一緒に待ちます」
と言うと、
「僕は一人で待てますから、気にしないでください、それより高嶋さんのバンパーが取れかかっているので、こんな状態で走るわけにはいかないので、ガムテープでとりあえず張っておきましょう」
と私の車の応急処置までやってくださったのです。
なんていい人なんだ~!地獄で仏とはこのことだよ。日本もまだまだ捨てたもんじゃないね。
「いや~実は僕は高嶋さんの同業者なんです。結婚式場で演奏する人たちを仕切る会社をやってるんです」
とおっしゃるではありませんか。
やっぱり音楽に携わる人は、心が豊かだよ。私も含め(し~ん…)
久々にいい話にめぐりあいました。