アガサ・クリスティー「第三の女」 | chisaの水色blog

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アガサ・クリスティー, 小尾 扶佐
第三の女

本日の一冊感想文はアガサ・クリスティーの「第三の女 」です。


この作品はポワロシリーズです。


ある朝、「自分が犯したらしい殺人について相談したい」と言って朝食中のポワロを訪ねてきた一人の娘・・・

しかしポワロをひと目見たその娘は「あまりにも年をとってらっしゃるから」という理由でポワロに何も相談せずに立ち去ってしまう。

始めはこの出来事に怒っていたポワロだったが、彼女にポワロを紹介したのがオリヴァ夫人と判明し、夫人から話を聞くうちに興味を持ち、オリヴァ夫人と共に調査を始めるのだが・・・その娘の周囲に殺人のにおいは無かった。

果たして殺人はあったのか・・・そしてその娘は本当に殺人を犯したのだろうか・・・?・・・というストーリー。


冒頭でポワロが「あまりにも年を取っている」と依頼人(?)に酷評されている部分からも判るように、この作品はクリスティーの晩年の作品でポワロシリーズとしてもかなり後半に発表されたものです。


ジョージやオリヴァ夫人といった、ポワロもの後期の作品に登場する人物達が登場しています。

特にオリヴァ夫人は今回スリリングな体験をしたり、重要な役割があったり・・・と、かなり活躍しています。


さて、物語自体は典型的なクリスティ作品を踏襲した形で、物語のキィになるトリックも(意外と文中にしつこく登場するため)非常に判りやすい印象を受けました。


ただし、クリスティのさすがな点で1つのトリックは比較的当てやすいのですが、犯人とそのトリックについては意外と驚かされました(^^;

「そういえば他のクリスティ作品で同じようなのを読んだことがあったなぁ~」というのが正直な感想ですが、犯人当ての場面のあたりではすっかり失念していた為、普通に楽しく(驚きながら)クライマックスを読みました(笑)


今回、訳がちょっと昔風の言い回しが多くて不自然だった点と、あまり訳者がポワロやオリヴァ夫人について研究(?)していないのか、あまりキャラクターが魅力的ではなかったのが残念ですが・・・(表現によっては十分面白くなりそうな場面がたくさんあったので)


あとは、タイトルの「第三の女」ですが・・・これは、原題そのままの「Third Girl」でも良かったかも。日本語版だと意味が強烈すぎる気もします。(あ、でも逆にその辺でミスリードを狙っているのかもしれません。


・・・関係ないですが、このお話はオリヴァ夫人が登場するのにリンゴが登場するシーン(彼女はよくリンゴをゴロゴロ食べている)が無かったような気がします(^^;←うろ覚え。