高濃度ビタミンC点滴療法とは、ビタミンCの多量点滴と
経口投与で癌を退縮させるための補助療法です。
【はじまり】
ノーベル化学賞(1954年)と平和賞(1962年)を受賞したアメリカの
ライナス・ポーリング博士(1901-1994)は、ビタミンCが免疫系を強化し、
ガンの抑制・予防効果を発揮すると主張していました。
しかし、およそ30年もの間このポーリング博士の主張は闇に葬られるという
不幸な道を歩みました。
それは、メイヨー・クリニックからの反論に遭ったためでした。
ポーリング博士らが行なった臨床試験の方法(ビタミンCを点滴と経口から投与)
とは異なり、メイヨー・クリニックのグループが行なったのは経口投与のみという、
決定的な違いがあったにも関わらず、同等の試験方法とみなされてしまったの
です。
経口からサプリメントとして摂った場合と静脈からの投与の場合とで、ビタミンCの
血中濃度に大きく差が出るという非常に重要なことが、当時はまだわかって
いなかったようです。こうした不遇に屈することなく、ポーリング博士は92歳で
他界するまでビタミンCの研究を続け、その後も弟子たちが引き継いでいました。
2004年NIH(アメリカ国立衛生研究所)、NCI(アメリカ国立癌研究所)、FDA、
のメンンバー達によるビタミンCの薬理動態の研究が始まります。
2005年に彼らは学会誌PNASに高濃度のビタミンCがH2O2(過酸化水素)を
運ぶプロドラッグとして選択的に癌細胞を殺傷することを発表します。
これらを受け2005年カンサス大学で卵巣癌や子宮癌に対し、高濃度
ビタミンCの投与経験を発表、2007年マギル大学で高濃度ビタミンC点滴療法が
癌に有効だった症例を発表、2008年にはトーマス・ジェファーソン大学で
悪性リンパ腫への高濃度ビタミンC点滴療法の効果が発表されたのです。
【どんなもの?】
<がんに対するビタミンCの働き>
1)活性酸素を捕捉する抗酸化作用で細胞のがん化を防ぐ。
2)ストレスから守る。
3)白血球やマクロファージの機能を高めて免疫機能増強する。
4)抗がん活性を有するインターフェロンの産生を促す。
5)薬物代謝に関わって発がん物質を解毒し、体外に排泄する。
6)胃がんの原因になるニトロソアミンの胃中での生成を防ぐ。
7)ウィルスを不活性化する。
<高濃度ビタミンC点滴療法の実際 >
ガンの病状により異なりますが、一例を挙げると、一回の点滴量を
1000ccとし、ビタミンCを60g、その他各種ビタミン、ミネラル類、
アルファ・リポ酸などを調合した高濃度ビタミンC溶液を作り、
これを約2時間かけて点滴するものです。
点滴回数と頻度は、週に1~2回の点滴を行い、3ヶ月間でその効果を
確認し、さらに調整していきます。
高濃度ビタミンC点滴療法はガン患者の病状に合わせて適切に薬剤を
配合し、効果的かつ安全に実施するもので、治療には点滴療法の
深い知識と経験が必要です。
米国では、すでに乳ガン、前立腺ガン、直腸ガン、肺ガン、悪性リンパ腫、
大腸ガン、すい臓ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、腎臓ガン、子宮ガン
などへの治療効果が報告され、主流になりつつあります。
また、米国の大腸ガン患者の例では、人工肛門をさける意味で、
この治療法を選択したご婦人もいらっしゃいます。
<高濃度ビタミンC点滴療法に適さない方>
高濃度ビタミンC点滴療法は、腎臓機能の低い方や栄養状態の悪い方、
脱水症状の方、現在透析中の方はこの治療を受けることが出来ません。