扶氏医戒之略 chirurgo mizutani -13ページ目

扶氏医戒之略 chirurgo mizutani

身近で関心は高いのに複雑・難解と思われがちな日本の医療、ここでは、医療制度・外科的治療などを含め、わかりやすく解説するブログです。

腹壁とは
腹壁と腹腔を取り囲む組織で、前腹壁、側腹壁、後腹壁に分けられる。体の表面側から、皮膚、皮下脂肪、浅膜筋膜(背部では浅背筋膜)、筋肉、筋膜、腹膜前脂肪、腹膜で構成されている。
前腹壁は腹直筋の単層、側腹壁は外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋、後腹壁は後背筋・腰方形筋・腰筋・固有背筋等から成る。
腹壁は腹部にある内臓を保護し、呼吸の補助的な役割も果たしている。また腹筋や収縮させて腹腔内圧を上昇させ、排便や排尿の補助もしている。

腹膜と後腹膜臓器とは
腹膜は中皮細胞と呼ばれる扁平な一層の細胞と少量の結合細胞でできている薄い袋状の膜で、腹壁内面をおおう壁側腹膜と内臓表面をおおう臓側腹膜がある。
腹膜でおおわれた空洞は腹膜腔と呼ばれ、様々な内臓が収まっている。男性の腹膜腔は外界と完全に遮断されているが、女性は卵管口で外界と通じている。
また、腹膜腔は心膜腔、胸膜腔と合わせて三大体腔という。胸膜腔と腹膜腔の間には筋肉でできた横隔膜がある。
腹膜腔の一番下には、骨盤で囲まれる骨盤腔があり、そこにある膀胱、子宮、卵巣、直腸等の内臓は骨盤内臓器とも呼ばれる。
腹腔の袋の後側と腹膜腔後壁の間は脂肪層になっていて、そこに十二指腸、膵臓、腎臓、尿管等がある。また、脊髄の側には大動脈、大静脈、交感神経幹が走る。これらの腹膜の袋の後側にある臓器を後腹膜臓器という。
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