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扶氏医戒之略 chirurgo mizutani

身近で関心は高いのに複雑・難解と思われがちな日本の医療、ここでは、医療制度・外科的治療などを含め、わかりやすく解説するブログです。

胃のしくみ
胃は消化管の食道に続く内臓で、十二指腸の前にある。腹腔内臓の中で肝臓とともに最上部に位置するJ字形の筋肉でできた袋状の臓器である。胃の粘膜は、たくさんのひだが小さなくぼみを持ち、無色透明な胃液を分泌する胃腺がある。
胃腺には消化酵素や塩酸や粘液を分泌する胃底腺、アルカリ性の粘液を分泌し塩酸で酸化した食物を中性にする幽門腺、粘液を分泌し胃壁を守る憤門腺がある。
筋層の筋肉は外層の縦走筋、その内側は輪走筋、一番内側は斜走筋、収縮方向が異なる筋繊維の動きで、食物を撹拌する複雑な運動をすることができる。
食物が胃に入ると、いったん貯められ、pHを酸性にして殺菌効果がある胃液が混ぜられ、食物の蛋白質は分解される。食後3-6時間で食物は十二指腸へと送られるが、蠕動運動で憤門部から幽霊部へ送られ、少量ずつ小腸へと送られ消化が進む。消化の速さは炭水化物が最も速く、次いで蛋白質、脂質の順である。
また、胃は最もストレスの影響を受けやすい器官といえる。

十二指腸のしくみ
十二指腸は胃の幽門に続く小腸の最初の部分で、小腸の中では最も太く、C字型にカーブし空腸に続く。指12本分ほどの長さであることから十二指腸と呼ばれる。胃同様、ストレスの影響を受けやすい。
その内壁には総胆管と膵管の開口部である大十二指腸乳頭がある。肝臓で生成され胆嚢から分泌される胆汁と膵臓から分泌される膵酵素は、消化と吸収を助ける重要な消化液である。
十二指腸の壁は基本的には小腸の他の部分と同じつくりになっている。外層は獎膜でおおわれている。筋肉層は縦走筋と輪走筋の2層からなる。内側は粘膜下組織と粘膜になっている。
十二指腸の内面は、輪状の内面は、輪状のひだや腸絨毛という非常に細かい突起に一面におおわれている。この絨毛の根元に十二指腸腺があり、そこから透明なアルカリ性の粘液が分泌される。粘液には腸壁を修復するウロガストロン、トリプシノーゲンを消化酵素のトリプシンに変える酵素エンテロキナーゼ等も含まれる。この粘液で、胃酸で酸性になった食物が中性化され、十二指腸や小腸の壁が保護され、修復される。
また、粘膜には各種ホルモン(ガストリン、セクレチン、コレシストキニン)を分泌する内分泌細胞もあり、食物のpHを中性にたもっている。

・胃の構造…消化器官の中で最も膨れて大きくなる袋状の器官で、食べ物が入るとひだが伸びて広がり、その容量は約1.3-1.4㍑にもなる。
・十二指腸の構造…十二指腸は胃から続く、25-30cmの臓器。
・胃・十二指腸壁の構造…胃・十二指腸壁は粘膜、粘膜下組織、筋層、獎膜から成る。

※胃酸の酸性度はpH1.0-2.5で、金属を腐食させるほどの強い酸性である。胃の中に入ってきた食物や飲み物の中の細菌等は、塩酸でほとんどが殺菌される。
※胃の中にすむヘリコバクター・ピロリ菌は胃炎や胃・十二指腸潰瘍の原因として知られているが、胃の粘液中に潜り込み強い酸性にも殺菌されず生き延びることができる。
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