21世紀の医療は「治療」から「予防」へ
今や、世界中の製薬会社やバイオ企業、ベンチャー企業はこぞってゲノム創薬の実現に向けた医療品の開発にしのぎを削っており、これを支援する形でIT企業やベンチャー企業がバイオインフォマティクス技術を用いた創薬支援事業を展開している。このように、個人の遺伝子情報に基づいたゲノム創はやテーラーメイド医療が進展すると、21世紀の医療はどのように変わるのだろうか。
ゲノム創薬が実現されると、がんや糖尿病、アルツハイマーなどの成人病や難病の原因遺伝子を特定し、その発現を抑える医薬品を個人の体質に合わせて投与することができるようになる。そしてこれら疾患の根本的な治療が可能となる。しかも、SNPsを特定することで、薬による効き目や副作用の強さを個別に、かつ定量的に把握することが可能となる。これによって、個人の体質に最適な副作用のない医薬品を患者ごとに処方できるようになる。また、これまで副作用の強かった抗がん剤なども、患者のSNPsを調べることで、副作用の起きない患者のみに投与することもできる。つまり在来医薬品の最適な活用も可能になるのだ。
それだけではない。個人の遺伝子をチェックして、将来発症し得る病気の罹患率を判断する「遺伝子診断医療」が進展することになろう。そうなると、発病をあらかじめ予測して、不幸な結果を事前に回避するためのアドバイスや、予防策が立てられるようになる。
今後長寿社会を迎える21世紀は、健康管理の焦点が「治療」から「予防」へと移行する、医療のパラダイムシフトが起きるといえるだろう。
これから(21世紀の医療)
…健康管理の焦点は病気治療から病気予防へ
病気発症前
遺伝子診断→<診断書>10年後には糖尿病になる確率は80%→ゲノム情報を用いて将来病気になる確率を予知して、病気の予防に努める。
病気発症後
ゲノム情報を用いて副作用の心配のないテーラーメイド医療を受ける。
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