ラボラトリーオンチップ | 扶氏医戒之略 chirurgo mizutani

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身近で関心は高いのに複雑・難解と思われがちな日本の医療、ここでは、医療制度・外科的治療などを含め、わかりやすく解説するブログです。

ナノバイオが拓く、超小型分析技術
わずか数mm-数cm四方のガラス、シリコンのチップ上に半導体を応用し、微細加工技術を用いて作成した装置の中で、生体物質を効果的に反応させるデバイスをラボラトリーオンチップという。ラボラトリーオンチップ、マイクロラボ、マイクロTAS、マイクロ化学チップ、マイクロリアクターなどさまざまな呼び方がある。
ラボラトリーオンチップはガラスチップ(プレパラート)上に、半導体加工技術を使って、試料や試薬のリザーバ(溜めておく場所)、各リザーバを結ぶ流路(幅は数十μm-200μm程度)、分離・分析部、検出部などを形成したものである。そして試料や試薬を電気的に輸送、混合して反応を行い、その分析までを自動的に行う。
ラボラトリーオンチップを使えば、試料の注入、試薬との混合、分離、検出など、これまで実験室(ラボラトリー)レベルで行っていた化学分析作業を、小さなチップ上で行えるら、まさに「携帯できる化学実験室」と言えるものだ。また、1つの分析作業を1チップ上で行うため、これを集積化した装置を作れば、1つの装置で多種類の分析を同時に迅速に行える。例えばバイオテクノロジー分野ではDNAやタンパク質などの生体高分子を、1台の装置であっという間に分析することが可能だ。
ラボラトリーオンチップはこのように化学分析や合成、診断、生体物質の分析と薬剤作用評価など、広い分野に応用できる。また、バイオセンサと組み合わせることで、小型で長期間繰り返し使用できるヘルスケアセンサの開発も期待できる。
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