今回は2026年1月12日に開催されるHeritage Auctionsのロットを確認中に目に留まったコインを描いてみました。


こちらのコイン、スラブにはFaroukの文字がありますが、前にブログに書いたダブルイーグルのお話に出てきたエジプト王でコインコレクターのファルーク一世のコレクションに属していたロットで、この度出品された貴重なロットなのです。


このタイプの通常発行は銀で鋳造されていて、それ自体でも希少で非常に人気のあるコイン。バラエティは3タイプあって、100,1,000,1,000枚の合計2,100枚の非常に希少な存在。

参考にしたサイト:https://www.silveragecoins.com/en/guide/guide?country=63&size=2p5s0000&type=1894


この派生系の調べ物はおそらく本が1番なのだろうけど、なかなかスムーズにいかないのも個人的に悩みです。


一方でこの金試鋳貨は81個、100個、100個パール枠+SW", "WG”のイニシャルと 日付の”3/V”の3パターンのバラエティがあり、ポーランドの著名なコイン研究者のParchimowicz氏が言及した四枚の試鋳貨のうちの一枚。


ファルーク一世がクーデターで失脚したのち、1954年にSotheby’sオークションにかけられたものを今回の出品者が落札した経緯になるようですが(12/3訂正: 前回オークションは2008年のPonterio Auction)、民間所有の唯一の一枚ということで、今回のオークションでの落札価格が気になります。


コインの裏側には王冠を被ったOrzeł Biały(白鷲)が描かれているデザイン。ポーランドにとって白鷲は中世以来、ポーランド国家の象徴で、独立や主権を表す存在とのこと。ポーランドの国章もこちらの王冠を被った白鷲です。鳥好きにはたまらない国章デザインです。