びいなす日本一周クルーズ

 

今年もあっという間に5月中旬。とても気持ちの良い季節になりましたね。

陸上で生活していると、改めて日本の四季を感じることができます。

 

客船ぱしふぃっくびいなすでは、毎年「春」と「秋」に、日本一周クルーズをしていました。日本の美しさを再発見の旅、また10日前後とのんびりとクルーズを楽しむことができる、びいなす定番クルーズで、発売と同時に完売になることもありました。

しかも、ロイヤルスイートやスイートから部屋が売れていく。リピーターさんの中には、部屋番号指定の方も多くて、その部屋が取れないなら行かない!と、予約の際にプレッシャーをかけてくる方もおいでになりました。

 

この日本一周クルーズの裏話をご紹介します。

春の日本一周クルーズは、4月中旬または、ゴールデンウィーク後からスタート。

春といえば桜ですよね。そう、桜の開花を追いかけるように時計回りでクルーズしたことが多かったです。今年は暖冬の影響で桜の開花は例年より早かったようですが、当時は、青森や函館に寄港中に、桜満開を楽しんでいただいていました。

秋は、なんといっても紅葉。こちらは反時計回り設定が多く、自然の移り変わりを楽しんでいただきました。

 

2010年前後は、予約が殺到して、同じ時期に日本一周を2周したことも。また、いつもは10日間程度のものを、1か月かけて行ったこともありましたが、これはこれで長すぎるのか、そんなにお客様は多くありませんでした。クルーズ料金だけを比較すると、「この料金なら海外に行く」というお声や、「長く家を空けられない」というお声もあり、10日~12日間位のクルーズが参加しやすいのかもしれませんね。

 

日本一周クルーズは私たち乗組員にとっても、とても楽しみなクルーズのひとつ。

乗船中はなかなか自由時間はとれないですが、乗客の皆さんが観光に出かけている日中に地元の有名なお昼ご飯を食べにでかけたり、ちょっと足を延ばして観光にでかけたり・・時間を気にしながらの外出になりますが、これもこの仕事の醍醐味でした。

 

日本一周をする外国船籍は、カボタージュ制度があるので、必ず外国に立ち寄らねばならない規定がありますが、客船ぱしふぃっくびいなすはチャッキチャキの日本船籍、それも所属がOSAKA。パスポートもいらず、純粋に日本をぐるーっと回ることができました。

 

同じ寄港地が多くなり、新しい寄港地に行ってみたいというリピーターさんからのお声を受け、アドベンチャー的なオプショナルツアーや、びいなすが得意とする秘境シリーズ、また、社会科見学ができるものなど、松井船長を筆頭に、陸上・海上ともにいろいろと案を出しておりましたが、船の運航が終了になり残念な結果になりましたが、当時の乗組員が新しい環境で、その夢を引き継いで、現場で頑張っています。

 

私はいまお世話になっている職場では、クルーズ前後にご宿泊されるお客様も大変多く、クルーズの質問や、寄港地のことなどをお話する機会が増えました。

びいなすでの経験が役立っていることに大変うれしく思っています。

「どの船に乗っていたの?」と質問され、「ぱしふぃっくびいなす?」と自信たっぷりに答えても、ほぼ100%「知らない」といわれることがちょっと寂しい気もします。

 

                     2024年5月15日