バヌアツの一日

 

<2016年オーストラリア・ニュージーランドサザンクロスクルーズ>で、バヌアツ共和国ポートビラに寄港したときの出来事をご紹介します。

 

「バヌアツ?!それどこ?」

日本ではまだ知られていないこの国は南太平洋の島国のひとつ、約80もの島々から成り、イギリスとフランスの共同統治から1980年に独立したまだまだ若い国。

船から見えてきた第一印象は、鬱蒼と茂ったジャングル!といった感じ。

 

この日は、寄港時間の早朝から雲ひとつない晴天に恵まれました。

岸壁に行くと、そこには日本人の方々が私達をお出迎えしてくれました。

色鮮やかな花柄の島ドレスを着た女性や、真っ黒に日焼けをした男性もいます。

「この日を指折り待っていました!」

こんな小さな南の島にも日本人が住んでいらっしゃるんですよね。

実は、この方々、バヌアツの良さを知ってほしい。たった1日だけど観光を楽しんでほしい、と、普段はそれぞれ別々の島や村で、現地の教育や農業・行政支援をしているJICA海外青年協力隊の隊員達でした。

 

オプショナルツアー毎にこころよく同行していただいたり、自由行動のお客様の観光のご案内ができればと、街の中心地である市場周辺にも、隊員の方々がいらして道案内などをしてくださったのです。

 

「これを渡してあげてください」

隊員と一緒のオプショナルツアーに参加したお客様から、隊員に渡してほしいと封筒を預かりました。ツアー中に一緒に撮った写真。ツアー中、日本とは全く異なるバヌアツでの生の話が聞けて非常に興味深かった、日本と比べまだまだ発展していないところをご覧になり、昔の日本を思い出したそうです。

早速その隊員にお渡ししたところ、この女性は、小学生の先生として派遣され、昔ながらの習慣の生活で電気も水もない島で、村の人達と協力しながら自給自足の生活をしている隊員でした。バヌアツでは写真はまだまだ貴重なもので、学校の子供達に見せてあげたいと、満面の笑みでした。

しばらくして、今度はそのお客様宛に、写真のお礼状を預かりました。そこには一輪の花が添えられていました。

 

また、あるお客様からは、花やココナッツの実で飾られたご自身のキャビンの画像を見せていただきました。

市場を散策中、背丈ほどある赤やピンクの美しいアンソリュームを見つけ、キャビンに飾ることを思いついたのはいいのですが、どうやって買ったらよいのかわからず、半ばあきらめていたところ、その場にいた隊員が声をかけて、とても助かったとおっしゃっていました。装飾の話をしたら、ココナッツの実も探してくれたそうで、殺風景だったキャビンが、一気に南国ムードに変えることができたと大喜びでした。

「こんな素敵な出会いがあるとわかっていたら、もっと持ってきたのだけれど。私たちはすぐ日本に戻るし、いつでも食べられるから・・・」とお礼におせんべいを預かり、お渡しし、大変喜んでいたのを覚えています。

 

観光も一息ついた頃、1日お世話になったお礼として、隊員の皆さまに船に集まっていただき、船内見学そしてレストランにて軽食をご用意しました。

いつでも手に入る野菜でさえ、バヌアツでは大変貴重なものだそうで、もやし1本にも感動されていた姿を忘れられません。

 

実は私も20代後半は、バヌアツの近くにある、フィジーで4年間旅行会社勤務をしていました。自分で志願したとはいえ、会社からは、「フィジーは発展途上の国。

PKOで行く覚悟でいってきてください」といわれ、このバヌアツの皆さまの生活の大変さが本当に身にわかります。このときの話はまた別の機会に。

 

さて、いよいよ出港です。

隊員の皆さまも下船です。すると下船口でお見送りの為に沢山の乗客が待っていて、自然の拍手が沸き起こったのです。乗客にとっては、ご自分のお孫さんと同世代の隊員たちが苦労を微塵にも感じさせず、この国で活躍されている姿を見て、感銘を受けたという方も多くいらっしゃいました。

 

美しい自然に囲まれ、困っている人がいればみんなで助け合いをして生活する、

人間らしい生き方を垣間見たバヌアツ。

2006年には『世界で一番幸せな国』に選ばれた理由がわかりかけた1日となりました。

 

おまけ情報

バヌアツではコーヒー栽培をしています。このコーヒーがとてもおいしい。

私はコーヒーが大好き。毎朝飲んでいますが、このバヌアツのコーヒーは

私が飲んだなかで世界1おいしかった!本当におすすめです。

日本ではなかなか手に入りにくいのかも。

ご旅行に出かけた際には是非!スーパーマーケットで売ってます!