母が退職届を持って行ってくれて、それを聞きつけた社長が東京から飛行機で急いで来てくれたそうです。

そして、工場長、課長(直属の上司で御局様)、社長の3人と話をしたそうです。


まず社長は何も分からない状況で、なぜ突然辞めることになったのか、の説明から入ったと聞きました。

母は、

「ついこの間まで高校生で、大人から守られて生きてきた人間が、右も左もわからないのに、わからないことがいけないことと言われ続け、人格を否定され、1度で覚えられないのは馬鹿だと言われ仕事を教えて貰えずに、字が汚いからと字の練習をさせられていた。お昼ご飯は食べてはいけないと言われ、トイレで一口で食べられるものを食べていたと。

1度で覚えられないなんて当たり前です。上に立つ者として、新人に教育するための研修を受けていないんですか?

教え方をご存知ないんでしょうか?

新しく人を雇った時点で、会社としては損失なんですよ?会社の戦力になるように育てるのが上司の仕事です。仕事できていないのは貴方なんじゃないですか?」


そう淡々と話してきたと言っていました。

課長は私が悪いとずっと言っていたらしいですが、社長は

お母さんの仰ることはごもっともです。こちらとしても、きちんと対処致します。この度は誠に申し訳御座いませんでした。

と頭を下げてくれたと教えてくれました。

社長は私が退職してから2ヶ月間程お給料を振り込んでくれました。

課長もその後退職させられたと聞きました。


私が事務に来た新人で1番続いていた人間らしく、社長はとても期待されていたそうです。


もっと早くに証拠を集め、社長に連絡を取っていれば状況は違かったかもしれません。

無知だった私は、当時どうすることもできませんでした。

知らないということで損すること、知らないことは恐ろしいことを学びました。