ホントは、

別れなきゃいけない。

好きだから、

大事にしたいから

だから…

諦められる。


幸せな誰かの家庭を

壊すような事は出来ない。

それは…M由には出来ない。

でも、だからと言って

このまま続けられるほど

割切る事もM由には出来ない。

出来ないのだから、

終わりしかない。


未来なんて見えない。

未来なんて無いよ。


もう止めるべきだって

分かっている。

ずっとずっと分かっている。

分かっているのに…


『ねぇ、もうやめよう。

 終わりにしようよ。』


視線を上げて見る先に、

窓に立つ彼が

静かに手を振っている。


『ねぇ、ダメなんだ。

 もう、サヨナラしなきゃ。』


窓から視線を外して

表札を目にする。


K田…って書いてある。

角を曲がって

目を閉じて

心の中でサヨナラを言ってみる。


取り出した携帯に

『サヨナラ。』

を打って、

送信出来ないまま

消去した。


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