夜2

ポッカリ空いた心の空洞。

埋める事が出来なくて、

S朗が出るはずもない

電話を掛けたのは、

ただ、それだけ。

他に何も出来ない。

出てくれなくていい。

ただ、電話だけでいい。

ただ、S朗の携帯に

M由の電波が届くだけでいい。

掛けた電話から聞こえて来る

受信音がS朗とM由を

繋げてくれる。

それだけでいいからと、

電話を握りしめた。

2回、3回鳴って、

（後1回鳴ったら切ろう。）

そして、4回目が鳴った。

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