「痛くない?腕枕。」

「いいよ。そのままで。」

そう言うと知っている。
低くて優しい声。

寝返りをうって、
後ろから抱いててくれる。
抱き抱えられる安心感が好き。
うなじにかかる寝息が好き。
コッソリ呼吸を合わせたら、
わざと息を止めた。

身体中全部愛されて、
心も身体も一つになって
もう一度深く溶け合う。

自分が感じるほど、
彼にしがみついて、
もっと深く、もっと強く
欲しくなる愛。
止まった時間が
一気に流れる。
声にならない声が漏れてしまう。

一緒に分け合う電流に
信じられる繋がりが
快感に変わっていく。
崩れ落ちる身体を
支えてくれる彼を抱きしめて
額にキスをする。

目も鼻も耳も首も
一つ一つキスをして…。
寝顔を見る。
今日一日、外へは出ない。