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彼女は

大人になっただろう。

結婚しているかもしれない。


M由がちょうど
S朗に出会った歳頃だ。

彼女だから
いつかきっと
S朗を分かってくれる。
S朗だったからだって、
理解出来るよ。

まだ、幼かった彼女の
真っ直ぐな気持ちが
一途で強い気持ちが
胸に刺さった。
決して消えてはくれない。
どれだけ苦しんでも
誰にも打ち明けられなかった。
好きになっただけだった。
ただそれだけで
一緒に居るだけで良かったのが、

いつからか
確かな事が何も無い関係は
不安定で終わりしか見えなかった。
不倫なんて…
理解出来なかったし…
自分には関係なかった。
割り切って付き合える人達の話だと
思っていた。

自分自身が肯定出来ないから、
誰かに
許しを求める事はなかった。
たった一人でいいから
二人の関係を
誰かに認めてもらえるなら、
誰かに肯定してもらえたら…
M由は諦められたのかもしれない。

結局、
苦しんでも罰しても
結局、どうする事も出来なかった。

彼女が持っている
無条件の…
無償の愛が
切なくて、
そこにあるのは、
彼女のせいでも
彼のせいでもなくて
責めるべきはM由自身の行い。
苦しくてもがいても
助けを求める資格すらない。
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