フランス・ロンシャン競馬場の凱旋門賞に出走したサンデーサラブレッドクラブの出資馬クロノジェネシスは7着に終わりました。日本馬で初の栄冠はまたしても実現できませんでしたが、それでも果敢な走りを見せてくれたと思っています。とにかくまずは無事に帰国して、リフレッシュして年末の有馬記念に向けて再出発してほしいです。

 

 レースまでの調整もうまくいき、スタート前は元気いっぱいに見えました。

 タルナワのゲート入りが遅れて少し待たされましたが、悪くないスタートを決め、そのまま他馬と離れて真っ直ぐにコースの真ん中を1頭だけポツンと進行。その後、集団にとりつきましたが、ややかかってしまっていたように見えました。集団の二番手外側につけてフォルスストレートに入った時にも一生懸命走ってしまい、力みが見えたように思います。直線に入って追い比べで一瞬先頭に並びかけたものの、後続に追撃されてゴール前で失速してしまいました。

 やはり不利な枠順と、斤量が堪えたのかも知れません。それでも、あのスノーフォールと差のない7着。自分の形のレースでは全然ない、完全アウェーの厳しい環境でのレースでも実力の一端は見せてくれたように思います。

 

 デビュー以来、ずっと掲示板を外して来なかったのが、初めての7着。この日はケガで乗れなくなった北村友一騎手の誕生日でもありましたし、最高の夢を叶えてあげられなかったのは残念ですが、健闘を称えたいです。

 斉藤崇史厩舎の今回のトレーニングと遠征のスケジュール管理の取り組みは非常に斬新だったし、新しい挑戦の形を示すことはできたし、有意義だったのではないかと思います。結果につながらなかったことについてはよく検証して、ぜひともまた次に生かしてほしいです。

 何より、出資馬で初めて、世界最高峰の凱旋門賞に発走して、夢の大レースで直線、先頭に並びかけてくれたことは、わたしにとっても忘れられない体験となりました。最高の結果ではなかったけれど、今は清々しい思いを感じています。

 

 まずはレースの疲れをじっくり癒やしてほしいです。

 無事に進めたならば、次は引退レースとなり、暮れのG1有馬記念が目標となりそうです。昨年に続く勝利、グランプリ4連覇を目指して挑戦は続きます。

 斉藤崇史厩舎とノーザンファームの皆さん、そしてクロノジェネシス、ありがとう!

 そしてこれからも、どうか無事に、まずはじっくりと疲れを癒やしていってほしいと願っています。