なぜ動物を食べてはいけないのか? | チロ・ツグミ・メリー・マフユと 動物問題 ~ ヴィーガン ~

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愛猫チロとツグミ、愛犬のメリーと暮らしています。
主に、動物問題について書き記します。
超偏食&料理経験なしでしたが、畜産の悲惨な実態を知ってから、ヴィーガンになりました。

アニマルライツのバイブル、

ヴィーガンが読むべき、ヴィーガニズムを理解したい人が読むべきとされる本の1つとしてよく名前が挙がる本があります。

 

それが、1975年に出版されたピーター・シンガーの『動物の解放』です。

 

なぜ動物を食べてはいけないのか?

なぜ動物を殺してはいけないのか?

それを哲学的に感情論を抜きにして論じた本だそうです。

 

この本の要約をされている方の動画を見て、どのような内容なのかを大まかに見てみましょう。

(この方はヴィーガンではないと思われます。)

 

****************引用****************

 

人類というのはこれまでいろんなものを解放してきました。

例えば古代ギリシャ時代奴隷っていうのが存在してましたよね。

でも現代って奴隷いませんよね?

あるいは人種差別、そういったものもすごい根強く、歴史上あったわけですけど

今も人種差別ありますけど

法律っていう形であからさまな人種差別っていうのが存在しているって事はかなり少なくなってきてます。

あるいは、女性の権利。
参政権なんていうものは成人男性ですら元々持ってなくて

お金持ちとかしかなかったわけですけど

それが成人男性も参政権を持って

さらには女性も持ってっていうふうに女性の解放っていうのも進んできているわけですよ。

次どこを解放するかってシンガーが説いたのが、動物だと。

そういう内容の本になっています

3つの観点から解説していきたいと思います。


1つ目の観点は、感覚と種差別。

ガンツって漫画のカタストロフィー編って読んだことありますか?

ざっくり説明すると、宇宙人が地球に侵略して、人類さらっていくわけですね。

その人間たちを、自分らの食べ物にしたり、ペットの餌にしたり、狩場でハンティングしたり、

動物園のようなところで人類を飼育したり、家の水槽で人類を飼ったりとか、そういう描写が出てくる。
すごいグロテスク。

あるいは最近流行ってる「約束のネバーランド」とか、ちょっと前に流行った「仮面ライダーアマゾンズ」の劇場版なんかで、

人類を食料として育てる、家畜として育てる農場みたいなのが出てくるわけですけど、

あれ見て結構ゾッとしますよね。

でも考えてみてほしいんですけど、我々人類って他の動物に対して全く同じ事やってるわけですよ。

いや、動物と人間は明らかに違う。
人間は知能もあるし、言葉を話せる。

確かにそうなんですけど、そもそも知能や、言葉が通じるかどうかってそんなに重要ですか?

例えば、じゃあ人間は知能が動物より高いから、動物を好き勝手していいっていうロジックが通るんであれば

じゃあ僕らは、自分より知能の高い人間の言うことを何でも聞くべきなんですかね?


例えば知的障害のある方なんかは、一般的な会話が通用しない、成立しないっていうことも多々あったりするんですよね。
じゃあ、そういう人らのことってどう考えたらいいんですか?

少しでも実際に関わった形であればね即答すると思うんですよ。

会話が成立するかどうかは大した問題じゃないと。

確かに会話がしっかり成立するっていうのがなかなか難しいんですよ。

でも明らかに、彼らには感情もあれば知性もあれば喜怒哀楽っていうのは明らかにあるし、コミュニケーションっていうのもとれるんですよ。

一方、人間以外の動物にしても、
ペット飼ってる方とかご存じだと思うんですけど、明らかに感情とか、意志ありますよね。

 

自分の口に出して、お腹空いたとかは言わないけど、尻尾振ったりとかで分かる。

お手とお座りみたいな人間側の支持をきいたりとかするわけですし、明らかにコミュニケーションを成立してますよね。

 

知能だとかコミュニケーションみたいな、人間の特定の特徴だけを取り上げて、

人間とそれ以外の動物って振り分けるのは、結構実は無理があるんですよ。

でも「人間は特別だから」っていうのは

「白人は特別だから」とか「男性は特別だから」っていう差別とほとんど何も変わらないんですよね。

 

これを「種差別(スピーシズム)」っていう風に、シンガーは呼びます。

問題になるのは、言語が使えるかどうか、理性を働かせることができるかどうかとかじゃなくて、

「苦しむことができるかどうか」

 

感覚を持つということだけが、その生物の利益を考慮するかどうかについての唯一の妥当な判断基準であると。

 

 

2つ目の観点は、動物実験。

 

まず動物実験は即刻やめるべきだって話になります。
正確にはすべてやめるべきってことにはなってないんですけど、基本的に止めろっていうのがシンガーの立場です。

動物実験でどれくらいの動物使われていると思います?

これで1988年のデータとしてシンガーがあげてるんですけど
アメリカだけで、犬・猫・霊長類・モルモット・ハムスター・ウサギ・野生動物

合計で163万匹。

 

これが実験に使われていると。

しかもここに、マウスとか、ラットは含まれていないわけですよ。
シンガーが言うには、大体それを入れると10倍くらいの数字に膨らむ。
すごい数の動物を人間のために実験として使っている。

でも、それによって人類のいろんな病気とか治せたるするから尊い犠牲
っていうのが、よくある動物実験擁護派の主張だと思うんですけど、

これに対して、シンガーは主に3つの観点から反論します。

まず1つ目は、仮に1000人の命を1人の赤ちゃんの犠牲のもとで救えることがあるとしたら

あなたはその赤ちゃんの命、犠牲にできるのかと。

動物実験を良しとするなら、赤ちゃんの実験だって良しとしないといけない。

だってどっちも同じように感覚を持っているから。

痛みを感じるという点においては、違いはないわけですよ。
人間だろうが人間以外だろうがね。

 

いや、動物実験は良くても、やはり人間の命は皆平等に尊いのだから、それを犠牲にすることは良くない

っていう風に考えたら、それは種差別です。

動物に対してはすべきの人間がナチになる。

2つ目は、そもそも大して意味ないことが多いから。

考えたら当たり前で、例えばマウス実験によって有効だったからって、それが人間に対して同じような効果与えるって単純すぎません?

 

なんなら、この猿と、もうちょっと違う種類の猿とで、全然反応が違うかったみたいな実験っていっぱいあるわけですよ。

近縁種の猿どうしですらそんな感じなのに、マウスとヒトとの間で似たような結果が得られるって、よくある話なんですかね果たして。

そんなのどこまで人間の役に立つんだって話なんですよ。

特に興味深い実験の基準値の一つにLD50っていうのがあります。

マウスとかに化学物質を投与して、そのマウスの半分が死んでしまう量の化学物質の値を求めるというもの。

 

そもそもなんでそんな実験やるのか、その半分っていう基準値ってなんか意味あるのかっていう話ですよね。

 

そもそもその実験やるのかも謎だし、なんでそういう基準値になってるのかも謎という実験が、世の中沢山あると。

3つ目は、税金の無駄遣いだから。

1986年の米国のある政府機関1個だけで、動物実験に対して3000万ドル以上支出している。
当時の日本円に換算すると48億円位。

他にいっぱい団体ある中で、何十億っていう額を1個の団体だけで動物時期に使ってるわけですよ。
しかもほぼすべて税金が投入されている.



3つ目の観点は、工場畜産。

牛豚鶏3つのタイプの家畜は、日本で年間どれぐらいが食用として殺されていると思いますか?

農水省が公表しているデータによると、

豚だけで約1630万頭。
牛が約104万頭。
鶏が約7億1200万羽。

この3つのタイプの家畜だけで、年間日本人の人口の6倍以上の数が殺されている。

シンガーからすれば、こんな大量虐殺さっさと辞めろという話なんですけど、

100歩譲って、食料のために育てるって仮定した時に、飼育方法も問題だと指摘しています。

 

例えば、デビーキングっていう、これは鶏のくちばしを切断するっていう作業があるんですよ。

鶏どうしを飼ってると喧嘩してくちばしでつつき合う。
それで弱っちゃったり、病気になったり、死んだりとかする。

そうすると飼ってる農家が大打撃なので、お互いのつつき合いを防止するためにクチバシを切っちゃうんですよ。

実はこれ、本来であれば起こらないってことが分かっている。
例えば、60羽ぐらいで飼育した時、

彼らは結構社会性が高いらしく、あいつ俺より強いなーみたいなのを大体認識していて、強さを結構把握してる。

最初に小競り合いした後とかは、社会秩序ができちゃって、歯向かったりとかしない。
だからつつき合いは起こらないんですよ。

 

似たような話が豚にもあって、尾かじりって言うんですけど
豚ってストレスが溜まっちゃうと、他の豚の尻尾を噛んじゃうんですね。

なんで、デビーキングと同じような感じで、尻尾を切っちゃういうのがある。

 

尾をかじられちゃうと、そこから病気入って弱っちゃったりとか、ストレスで体重減っちゃったりとか、死んじゃったりする。

そうなると、農家さんすごい打撃受けると。

でも、これもやっぱりさっきの鶏の話と一緒で、普通起こらないって事が分かっちゃってる。
広めに飼ってあげた場合は、ストレス溜まらないので尾かじりは発生しないんですよ。

だから、鶏にしても豚にしても、

飼育環境が劣悪でぎゅうぎゅうに詰め込まれてほとんどスペースない中で暮らさせられてるから、
尾かじりとか、クチバシでつつくみたいなことが起こっている。

動物のストレスなくしてやればいいのに、くちばし切ったりとか尻尾切ったりとか、それって道徳的にどうよっていうのが、シンガーの主張。

 

食用にされる動物が可哀想なのは分かったけど、ヴィーガンの人って、
卵や牛乳も食べないのっていうのが、まず次の疑問として残りますよね。

 

卵とか、乳の取り方もだいぶ問題があると。

例えば、鶏の卵。

これを効率よく採集する方式として、バタリーケージっていうのがある。

鶏がぎゅうぎゅう詰めに敷き詰められている。ケージに入れられて。

飼ってる側からすると、餌が一気に支給できるし、ちょっと傾いてるので、卵が生まれたら自動で落ちてくるから集めやすい。

考えてみてほしいんですけど、あの狭い空間で、しかも傾いている状態でって、鶏からしてしんどいですよね。
彼らって生涯そこで過ごすんですよ。

そこでひたすら、餌与えられて卵を産まされて、狭い空間で一生を終えるんですよ。

牛とかも無理やり乳が本来の何倍も出るように品種改良されて、張るから痛い。
子牛も早い段階で引き離されるとか、結構ひどいこといっぱいされてるわけですよ。

ってなわけで、とりあえずシンガーはベジタリアンになれっていうふうに主張しています。

ちなみに、動物の肉は食べなくても生きていける、健康に生きていけるというのは、全然証明されているのでそれは大丈夫。

 

よくある反論として、

「じゃあそんな動物のことを大切なんだったら、植物のことは考えないの?

あいつらにも感情があるかもしれない、なんでないって言い切れるのか」
っていうのがあると思うんですけど、シンガー反論します。

例えば、牛のタンパク質で換算すると、

1頭の子牛を育てるために必要な食料を考えたときに、

子牛1頭から得られるタンパク質の、21倍のタンパク質を餌として投入しないと、子牛は育たない。

で化石燃料の消費量もやばくて、
例えば、当時の米国の農業で言うと、作物栽培の方が鶏の生産よりも20倍近くエネルギー効率がいいらしい。

植物をより大切にしたい、あるいは地球環境をより大切にしたいって考えても、

明らかに動物を食べるの間違ってるんですね。

 

動物食べるほうが余計に植物の消費進むし、エネルギーも余計に消費されるというのがシンガーの主張ですし、ヴィーガンがよくいう話ですね。


てなわけで以上、解説してまいりました。

アニマルライツで突き詰めていくと、ペットショップとか確実になくした方がいいって話しになりますし、動物園とかも悪なわけですよ。

それに対して、動物は過酷な自然環境よりも、人間の手によって育てられた方が、餌もいつでももらえるし、安全やし快適っていう反論もあると思うんですけど、

これはかつての奴隷に対する考えと全く一緒なんですね。

 

アリストテレス先生なんかは、

奴隷には知性ないから、知性がある市民が導いてあげた方がいいから、奴隷っていうのは奴隷として生きていくべきみたいなことを平気で書いてるんですけど、

これがアメリカの黒人奴隷制を賛成している連中の口ぶりとか、同じようなのがいっぱいある。

シンガーからすれば、それと変わらんということですね。

どう転んでも我々の動物に対する今のあり方って、ちょっと倫理的に問題あると言わざるを得ないんですよね。

 

もし将来、人類が動物の肉を食べなくなったとして、今の現代人の我々ってどういうふうに映ると思います?

それこそ、古代ギリシャの芸術とか見てすごいと思っている反面、

それを支えているのは実は奴隷だったっていう事実を知った時に、何かちょっとショックだなって僕らが思ったりとか、

 

あるいは技術発展、文明発展の一方で、植民地統治、非人道的なことをやってた、昔の西洋列強、大日本帝国のあり方に対して、ちょっと残念だなって思う気持ちとかね。

たぶん似たような感覚に未来人もなるんでしょうね。

みたいな話もシンガーはしています。

 

ヴィーガンっていう存在が最近フォーカスしされてるわけですけど、実はそんなに変な考え方でもないし、すごい真っ当な考え方なんだよっていうのをちょっとでも今回の動画でわかっていただけたならば幸いです。


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ヴィーガンではない方が、あくまで中立的にヴィーガニズムを理解し、真っ当な考え方と評価してもらえるのはありがたいですね。

 

非人道的といわれる奴隷、差別、大量虐殺を、現代人は動物に対して行っています。

 

奴隷にされる、差別される人に対して抱く当時の人たちの思想を、今現代人は動物に対して持っているのです。

 

当時の人たちは、人を奴隷にする、差別するのが当たり前。

それの何が悪いのかが分からないわけです。

正確には薄々悪いと分かりつつ、自分の欲を満たすために、自分の中で正当化しているわけです。

だから、知性がないから良いとか、奴隷にしてあげた方が飯が食べれるから幸せとか言いながら、反発していたわけですね。

 

そして現代人は、動物を奴隷にする、差別するのが当たり前。

それの何が悪いのかが分からないわけです。

正確には薄々悪いと分かりつつ、自分の欲を満たすために、自分の中で正当化しているわけです。

だから、知性がないから良いとか、飼育してあげた方が餌が食べれるから幸せとか、植物も命、感謝して頂けばいいと言いながら、反発しているわけです。

 

知性の話で言えば、かつては女性も知的に劣っているとして差別されていた時代もあります。

女性の方々は、これを聞いてどう思うのでしょう?

 

知性で分けるのであれば、あなたよりも知性の高い人間は、あなたの事を支配してもいいということになります。

それでもあなたは納得するんですか?

 

歴史を見て、昔の人は酷いことをしていたと感じることがあるのでしょうけど、全く同じ事を実は自分もやっているわけです。

未来の人から見れば、あなたも酷いことをしている1人。

 

そんなつもりはない、悪意はない、今までそうしてきかたら何も疑問に思わない。

それは当時の人たちも同じ。

その感覚が最も危険であり、その無関心な日常こそが、いつの時代も弱者を苦しめることに加担しているということですね。

 

 

こちらも『動物の解放』を解説した動画です。

今回触れられなかった、功利主義についても触れられています。

 

 

 

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