水族館のイルカは、太地町のイルカ追い込み猟によって捕らえられます。
バンガーと呼ばれる、この鉄の棒を
カンカンと叩いて、イルカの不快な音を海に大音量で流します。
イルカは聴覚がすぐれているため、この音から逃れようとします。
猟師たちはこの性質を利用し、どんどん入り江に追いやっていきます。
そして 入り江まで追い込まれ、捕まってしまうのです。
一昨日の、11月28日はとんでもない事が起きました。
100頭から150頭ものイルカの大家族が、追い込まれてしまったのです。
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6時45分、猟師達はイルカの家族をお椀状に囲い込んで太地海岸に向けて追いかけ始めた。
イルカ達はジャンプしながら猛スピードで逃げているが、
家族の数が多過ぎ、線上になってしまい、纏まって逃げることが出来ず、
見る見るうちに、太地漁港近くまで追い込まれてしまった。
7時47分、イルカ達は、猟師達によって畠尻湾に押し込まれ、網を張られてしまった。
捕まってしまったのはハンドウイルカの100頭から150頭の家族。
この家族は、全体数の4分の1が子どもか赤ちゃんだった。
なんてことだ!
妊娠していたり、子育て中の母親がいるということは、
その個体達は、イルカショーへの生体販売用に捕獲される可能性が高いということだ。
なぜなら、生体販売用に捕獲されるイルカは、イルカショー用に調教が入りやすい「若いメス」であり、
体長が大き過ぎず、なおかつ妊娠可能な年齢であることだ。
つまり、赤ちゃんや若い子を育てている「子育て中の母親」は、妊娠適齢期であることが一目でわかるので捕獲対象になる。
しかしイルカは哺乳類であり、母乳を飲んでいるので母親を捕獲されれば、
例え、子ども達が海に戻されても、生きてゆけない。
其れは、人間の子どもを山に置き去りにされた場合に、生きてゆけないことと同様である。
子どもは「お母さんー!、お母さーん!」と呼び続け、泣きじゃくり、母親を探しながら疲れ果てて死ぬ。
海の中も同じであり、子育てを行う哺乳類が子どもだけで生きて行ける術は、ほぼ皆無だ。
10時3分、港から3艘のスキフボートが畠尻湾に来て、網を二重に張り、
そこに、網で囲ったイルカが「いさな組合の所有物」であることを示す立札を浮かべ、3艘のスキフボートは港に戻っていった。
明日の朝から猟師と共にトレーナーが畠尻湾に来て、
生体販売用のイルカを選別して 森裏湾か太地漁港の調教用のイケスに監禁するか、
生体販売先が見つからない場合は、放獣されると思われる。
※ハンドウイルカの肉は不味いと言われているため、
捕獲作業中に網の中で死んだりしない限りは、食肉のために殺されることはほぼ無い。
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必死に逃げていたのは、100頭から150頭もの大家族。
うち、4分の1は子供か赤ちゃんでした。
ここまで大きな群れになるのに、一体どれだけかかったのでしょう。
どれだけの歴史があるのでしょう。
それを猟師たちは、一瞬で台無しにしたのです。
追い込まれたイルカは、水族館向きか、そうでないかが選別されます。
水族館に不向きのイルカ達は、食用としてその場で殺されます。
殺すときは、イルカのせきずいを尖った棒で刺し、ねじり込みます。
そして、長きにわたって苦しんだ後、絶命します。
追い込んだイルカが生体販売向きかどうかの選別作業を行うのは、イルカのトレーナーたちです。
トレーナーたちは、若いメスのイルカを好みます。
その方が従順で調教しやすく、子供を繁殖させて、さらなる金儲けが期待できるからです。
この日は選別作業は行われず、明日に持ち越されました。
追い込みの恐怖を味わったイルカ達は、入り江に閉じ込められたまま、一晩放置されたのです。
そして次の日、11月29日。
トレーナーたちがやってきます。
イルカたちをさらに奥へ追いやり、選別作業が行われました。
選んだイルカを運ぶ時のトレーナーの姿です。
そして、運んだイルカを生け簀に入れるときのトレーナーたちの姿です。
捕らえられたイルカは、生け簀と呼ばれる狭い場所に閉じ込められるのです。
ペットショップで、子犬がショーケースに閉じ込められているようなものです。
今回は8匹のイルカが生体販売用として捕らえられました。
この子達は、この後、餌でコントロールされながら、調教されます。
そして、一生、芸をさせられながら、水族館に監禁されて過ごすのです。
そして残りのイルカ達は、どうなったのか。
今回捕まったハンドウイルカは、肉が不味いため殺されることはほとんどないと言われています。
しかし・・・。
真っ赤に染まっていく海。
もちろん血です。
残念ながら、約9頭のイルカ達が殺されました。
やましい気持ちのある猟師たちは、グレーのシートで隠していますが、そこにイルカたちの遺体があります。
そして、残りのイルカ達は、海へ返されました。
追い出しの際も、追い込みの時と同じく、恐怖の中、イルカは逃げていく事になります。
もちろん、このイルカ達を海へ返すのは優しさなどではありません。
生体販売が最も儲かるので、生体販売をしたい猟師たちですが、
今のところはこれ以上は買い手がいない状態。
肉はたいしてお金にならない上、鯨肉はそこまでの需要はありませんので、大量に殺したところで在庫を抱えるだけです。
しかも、不味いハンドウイルカの肉となるとなおさらでしょう。
大量虐殺をすれば、それだけ批判が高まる恐れもあります。
他にも様々な理由が考えられますが、自分達の利益を考えれば海へ返すのが最善と判断して、海へ返しているのでしょう。
こうしてイルカの大家族は、17頭近いイルカの家族を失い、海に返されたのです。
その中には、母親を失った子供もいるかもしれません。
捕らえられたイルカや殺されたイルカの中には、妊娠したイルカもいたかもしれません。
そうなるとさらなる犠牲があったということになります。
これが追い込み猟の実態です。
日本では、鯨類 つまり クジラやイルカの捕獲が、法律上禁止されています。
しかし、法律には
「都道府県知事が許可する場合は、捕獲や捕殺が出来る」
という但し書きがあるのです。
つまり、太地町は和歌山県ですから、和歌山県知事が許可を出せば、太地町はイルカ追い込み猟が出来てしまうのです。
これまでの和歌山県知事は、許可を出し続けていたので、毎年イルカ追い込み猟が行われていました。
先日、和歌山県知事選があり、岸本周平氏が圧勝で当選しました。
LIAの捕鯨・イルカ猟に関するアンケートに回答した、本間奈々氏はボロ負けでしたが、
選挙前にこのような事をつぶやいていたようです。
反捕鯨団体からアンケート来ました。私は意見は違えども答えましたが、他の候補者は回答しなかったようです。
— 本間奈々 (@nana0504) November 26, 2022
最近、都合の悪いことに答えない政治家がいますが、答えるべきです。私は回答してバッシングされてますが、イルカ漁もクジラ漁も守るべきです。#和歌山県知事選挙https://t.co/zOHftgoUWk
LIAのアンケートに回答した際も、
「一方的で勝手なレッテル貼りだと申し上げます。
イルカやクジラ漁に対して妨害活動をされている方達については、日本人差別主義者だと感じております」
という意味不明なことを語っていました。
ツイートの一文から見ても、この方は、全く調べずに物を言う人だということがよく分かります。
まず、LIAは反捕鯨団体ではありません。環境保護団体です。
その活動の中に、捕鯨・イルカ猟調査、啓発というものが含まれているだけで、その活動範囲は多岐に渡ります。
つまり本間奈々氏こそ、よく調べもせず、一方的で勝手なレッテル貼りを行う人物だということです。
回答してバッシングされているのは、何も知らないのに、思い込みで捕鯨が賛成と答えているからです。
説明があったにも関わらず、たいして読まずに、批判されたと捉え、イルカ漁もクジラ漁も守ると書いています。
太地町のイルカ追い込み猟は、伝統・文化ではありません。
追い込み猟は、1969年に始まった猟で、まだ53年しか経っていません。
追い込み猟が、伝統・文化というのはウソなのです。
また、追い込み猟は、食文化のために行われているわけではありません。
追い込み猟は、イルカの生体販売を目的に始められた、ビジネスのための猟です。
追い込み猟が始まった同じ年、1969年に太地町立くじらの博物館、つまり水族館が建てられています。
食文化が目的ならそんなものを建てる必要はありません。
また、追い込み猟の収入の約8割は、生体販売によるものです。
イルカを生体販売した場合、1頭、100万円~150万円であり、
イルカを肉として販売した場合、1頭、1万5千円~5万円です。
生体販売するとボロ儲けなのです。
1960年代は、アメリカのホームドラマの「フリッパー」が大ブームになりました。
これが世界中で広がり、イルカ売れば儲かる、イルカ展示すれば客がくるということで、水族館やイルカショーが始まり、
生体販売するとボロ儲けできると踏んで、猟師たちは追い込み猟を始めたのです。
食用に捕らえることが目的なら、
「突きん棒猟」といって、泳いでいるイルカを上から突き刺して殺す猟が別にあります。
以下は、イルカではありませんが、サメを上から突き刺している動画です。
食文化だと言うのであれば、突きん棒猟の方が、最初から殺して食用に捕獲する猟であるため、筋が通っています。
それに海の上で行う猟ですから、誰にも見られず批判されることもありません。
しかし、太地町の猟師たちは、あえて追い込み猟を行っています。
それは、生きたまま捕らえたいから。
すなわち、生体販売をしたいからです。
なぜなら、生体販売をすれば儲かるからです。
つまり、追い込み猟は食文化のためではなく、金儲けのために行っているのです。
というわけで、追い込み猟が、食文化のために行われているというのはウソです。
約400年前から、捕鯨 つまり クジラを殺して捕獲していたのは、事実です。
そして、食文化 つまり 昔から日本人がクジラを食べていたのも事実です。
それがごちゃまぜにされ、本間奈々氏のような勘違いが生まれやすいのです。
先ほどのツイートに返信された方に、本間奈々氏が回答していました。
人間含めて動物は生物を食べて生きてます。あなた方は、生きているものを一切食べないならば、植物も生き物なのですから、砂しか食べられなくなりますよ。
— 本間奈々 (@nana0504) November 26, 2022
すべての動物虐待に反対しているという話をしているのに、食限定の話について返答するという謎っぷり。
そして肉食を正当化したい人お決まりのセリフ、植物も生きているという一文。
返答に困った人たちが必ず行きつく論です。
ここまでレベルが低い方だったとは、驚きですね。
これで早稲田の法学部出身というのがちょっと信じられません。
政治家は日本の鏡。これが日本人のレベルの低さを表しているのでしょう。
先ほどのこちらの動画の、6:35:20頃から、撮影している女性の声を聴いてみてください。
目の前でイルカ達が殺され、涙を流し、撮影する彼女の気持ちを考えてみてください。
何も知らない、何も考えない、
簡単に洗脳される、自分のことしか考えていないあなた方のせいで、イルカも、それを思う人の心も滅茶苦茶です。
人間の一時の娯楽のために、こんなに残酷な猟が行われています。
これが水族館の裏側です。
イルカの虐待、虐殺を支援しているのは、水族館に行き、イルカショーのチケットを買う人たちです。
水族館が儲からなくなれば、追い込み猟がなくなり、トレーナーもいなくなります。
逆に言えば、水族館がある限り、イルカ達の地獄は永遠に終わりません。
すべての動物問題は、消費をなくす以外に解決はありません。
イルカショーのチケットを買わないでください。
水族館に行かないでください。
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