パーム油について | チロ・ツグミ・メリーと 動物問題 ~ ヴィーガン ~

チロ・ツグミ・メリーと 動物問題 ~ ヴィーガン ~

愛猫チロとツグミ、愛犬のメリーと暮らしています。
主に、動物問題について書き記します。
超偏食&料理経験なしでしたが、畜産の悲惨な実態を知ってから、ヴィーガンになりました。

今日は、非常に難易度の高い、問題食材について。

たまには触れてみようと思います。

 

 

まず、皆さんは菜食と、ヴィーガン食の違いはご存じですか?

 

菜食は、植物性の食材のみを使っていれば、菜食と言いますが、

ヴィーガン食は、植物性の食材のみを使っていても、ヴィーガン食とは言えない場合があります。

 

よく言われるのは、白砂糖です。

 

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サトウキビを精製する際、ろ過のために牛骨炭や骨炭という畜産動物の骨が使われている

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白砂糖を作る過程で、牛の骨を使用されることがあるからです。

 

 

ヴィーガンと言えば、「食」のことばかりがフォーカスされる風潮がありますが、

正しくは、動物搾取をしない「ライフスタイル」のことを指します。

 

食は、あくまでライフスタイルの中の1つに過ぎず、

ファッション、娯楽、各種商品、動物実験の有無、生体販売反対など、その範囲は多岐に渡ります。

 

その観点から見れば、白砂糖は菜食であっても、ヴィーガン食とは言えないということになります。

 

 

ただし、全ての白砂糖に、牛骨が使われているわけではないようで、

ヨーロッパや台湾などでは、牛骨を使わずにろ過しているところもあるそうです。

 

最近発売された、大塚食品のボンカレーベジ。

 

 

 

商品説明には、動物性原料不使用だけでなく、

 

「原材料名に表示のある砂糖は、濾過・脱色工程で骨炭が使用されていないことを確認する。」

とあります。

 

1企業に、そこまでの知識があるのはすごいな、と素直に思いました。

多分、社員にヴィーガンがいるんですかね。

それとも、消費者の意見が企業に届いたのでしょうか。

 

 

多くの商品に砂糖が使われてしまっており、商品表示を見ただけでは牛骨が使われているかどうかは分かりませんので、

白砂糖は、非常に難易度の高い食材の1つです。

 

自分で砂糖を使用する場合は、てんさい糖、黒砂糖、メープルシロップ、アガベシロップ、きび砂糖など、代替品が多くありますので、白砂糖を使わなければ済む話です。

 

 

さて ここで本題ですが、さらに難易度の高い食材、パーム油について。

 

パーム油という油は聞き馴染みのない方も多いかもしれませんが、

今この記事をご覧の方々のほとんどは、間違いなく、日々、パーム油入りの商品を購入していると思われます。

 

まずは、そのパーム油というものの生産過程で、どのような事が起こっているのか。

 

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インドネシアの熱帯雨林の火災はほとんどが人為的に行われています。

 

インドネシアではパーム油の原材料であるアブラヤシを栽培するため、アブラヤシ農園(プランテーション)を作るためにこのようなことが行われています。

 

パーム油は、「アブラヤシ」の実から採れる油のことです。

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日本では、ほとんどの場合「植物油脂」と原材料に記載があります。

安く手に入るため、食用以外にも、洗剤や化粧品にも使用されています。

 

先進国がパーム油を大量に消費することで、地球にとって大切な熱帯雨林どんどん失われ続けています。

 

 

ボルネオ島は野生のオランウータンが生息する島。

 

1960年代以降にマレーシア、1980年代にはインドネシアでアブラヤシの栽培が盛んになり、

現在は世界の85%のパーム油がインドネシアとマレーシアで栽培されています。

 

一見森のように見えるアブラヤシ農園ですが、1種類の植物(アブラヤシ)のみを育てているため、

野生動物たちの生息地が破壊され、オランウータンなどの野生動物の絶滅、生物多様性の危機に晒されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オランウータンは毎週100頭のペースで減少しています。

このように私たち人間は、オランウータンをはじめとする野生の動物たちの生息地をどんどん破壊してしまっているのです。

 

オランウータンの子供は自立するのに10年ほどかかるそうです。

食糧の場所、森の構造を学ばないと生き残ることができません。

また、木から木に移動するのをマスターするには数年かかり、何が食べられるか、どのように食べるのかも親から学びます。

 

時間をかけて学習するオランウータンは、深刻な影響を受けています。

 

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インドネシアやマレーシアで、熱帯雨林を切り拓いて、パーム油が作られており、

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オラウータンなどの野生動物達が殺されたり、生息地を破壊され、死に追いやられています。

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http://blog.livedoor.jp/liablog/archives/1838491.html

 

 

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こうして 行き場を失った動物、ケガをしてしまった動物たちを現地の人たちが保護しています。

 

 

 

 

 

野生動物たちを死に追いやっているのは、パーム油を大量消費する、我々先進国です。

その原因を作っている我々は何もせず、その尻拭いを現地の人にさせているのです。

 

 

まず我々にできることは、パーム油を消費しないこと、になります。

しかし、このパーム油は、ほとんどの商品に使われており、非常に難易度が高いです。

 

 

一見、植物性のものしか使われていない商品でも、パーム油が使われていることが多々あります。

 

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今回、市販のお菓子として選んだのは、以下のものです。

少し偏りはありますが、どれも原材料に動物性のものが含まれていない、もしくはほとんど含まれていない商品です。

 

なお、原材料に明らかな動物性のものが含まれている商品は除いてあります。

しかし、残念ながら多くのもので「パーム油」が使われていました。

 

カルビーライト

「カルビーライト! ポテトチップス うすしお味」(カルビー株式会社)

揚げ油に「米油」と「パーム油」を使用。

 

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カルビーライトさやえんどうさっぱりしお味
「カルビーライト!さやえんどう さっぱりしお味 」(カルビー株式会社)

揚げ油に「米油」と「パーム油」を使用。

 

ベジップス

「ベジップス」(カルビー株式会社)

揚げ油に「米油」と「パーム油」を使用。

 

じゃがビーうすしお味

「ジャガビー」(カルビー株式会社)

揚げ油に「米油」と「パーム油」を使用。

 

化学調味料無添加ポテトチップス

「化学調味料無添加ポテトチップス」(深川油脂工業株式会社)

揚げ油に「米油」と「パーム油」を使用。

 

とんがりコーンあっさり塩

「とんがりコーン」(ハウス食品株式会社)

原料の一部に「パーム油」を含む。

 

厚切りポテトチップスうすしお味
「厚切りポテトチップス」(株式会社CGCジャパン)

揚げ油に「米油」と「パーム油」を使用。

 

メイプルシロップクリームクッキーズ

「メープルシロップクリームクッキー」(カナダ産。代理店は株式会社CGCジャパン)

原材料に「パーム油」を含む。

 

チップスターうすしお味

「チップスター」(ヤマザキナビスコ株式会社)

原材料に「パームオレイン油※」を含む。

※パームオレイン油は、パーム油を精製したもの。

 

リッチヴェジタブルクラッカーズ

十穀シリアルクラッカーズ
「ベジタブルクラッカーズ」、「シリアルズクラッカーズ」(前田製菓株式会社)

「やし油」と「パーム油」の混合を植物油脂として使用。

 

トルティーヤチップスあっさりしお味
トルティーヤチップス あっさりしお味(ジャパンフリトレー株式会社)

植物油脂として「パーム油」を使用。

 

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ちなみに夏に食べたくなるアイスで「豆乳アイス Soy」(クラシエ フーズ)というものがございますが、

これにも植物油脂として「パーム油」が使われています。

 

 

今回調べることができたのは、時間の都合上この程度でした。

 

調査をしてみた感想は、カルビー株式会社製の揚物スナック菓子は、揚げ油として「米油」と「パーム油」を使っているものが殆どでした。

また、「かりんとう」にもパーム油が使われているものがありました。

 

2014年度、日本に輸入されたパーム油は、599,178,245キログラム(粗油、パームステアリン、その他のものを含む)(財務省貿易統計より)とかなりの量です。

 

皆様も食品の原材料部分を見て「植物油」や「植物油脂」と書かれていたら、そのものが何なのか是非調べてみていただければと思います。

 

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カレー、インスタントラーメン、チョコにも、原材料が動物性不使用でも、パーム油が使われていることが多いです。

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また、モスバーガーで、動物性食材不使用のグリーンバーガー。

 

 

ココイチで、動物性食材不使用の大豆ミートメンチカツ+ベジカレー。

https://www.ichibanya.co.jp/comp/whatsnew/docs/4ea870ff3fa9424504e93aa84d55e38c5f9f908e.pdf

 

 

こういったものにも、パーム油が使われていると考えられます。

 

他にも、洗剤、ハミガキ粉、シャンプーに至るまで、あらゆる商品にパーム油が使われています。

 

 

 

 

ここまでハードルが高いと、ヴィーガンと名乗る人でも、げんなりしてしまう人は少ないくないでしょう。

魚介類でつまずいている人には、もはや、仙人の世界に感じるかもしれません。

 

 

 

そして、最大に難しいと感じることは、

せっかく企業が、動物性不使用商品を出しくれても、我々が買わなければ一体誰が買うのか、という話になります。

 

肉や卵や乳製品を食べている人は、美味しいかどうかだけで商品を選びますので、動物性不使用なんてアピールになりません。

となれば、ヴィーガンか、一部のベジタリアンしか、商品を買う人はいません。

 

その人たちがパーム油が入っているからといって買わないとなると、

企業も動物性不使用商品は売れない、と判断してしまい、次の商品を作らなくなってしまいます。

 

そうなれば、動物性不使用商品の発展はなくなり、

これまでと同じ、動物を使用する商品の開発が進んでいくだけになります。

 

 

 

しかし、生息地を荒らされる動物達の映像を見ると、やはり間違っていると感じるのです。

 

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1月3日、海外SNS、Redditに投稿されていたのは

今まさに木を切り倒しているショベルカーに立ち向かっていくオランウータンの姿だ。



オランウータンは素手で、ショベルカーを止めようとしており、アームにぶつかり転倒しまうが、

また立ち上がり、掘削機の後ろからもう一度登ろうとする。

自分の住処である森を破壊されたことに腹を立てたオランウータンが1頭で立ち向かったとして、話題となったが、その真偽を疑うユーザーもいたようだ。

 

そこで真偽を検証するファクトチェックサイト『Snopes』がこの映像の詳細を調べた。

すると、2018年6月、英メディアの
Independentが、インドネシアのボルネオ島のスンガイ・プトゥリ地域で行われている森林破壊の現状としてこの映像を報じていたことが明らかとなった。

 

 

映像は新しいものではなく、2013年に撮影されたものだという。

 

 

森林破壊が進むインドネシアのボルネオ島で撮影されたものだ。


 

オランウータンは森林破壊、森林火災、展示、ペット用に乱獲されたことでその個体数が激減している。

 

当時、インドネシア、スンガイ・プトゥリ地区にあるオランウータンの生息地は、森林伐採によって次々と破壊されていた。
アブラヤシの木の果実から得られる、
パーム油を採取する為だ。

アブラヤシは、湿気の多い熱帯気候でもうまく育つことができることから、インドネシアでおおく植林がなされた。
その為、産業用植林を行う会社が、美しい森を切り裂くことでオランウータンを脅かし、更にまた成長したアブラヤシを伐採することで、個体数は急減した。

現在、欧米で販売されているシャンプーや歯磨き粉、洗剤などの家庭用品およびお菓子などの食品の50%にはパーム油が使用されている。
だが、パーム油は環境に悪いだけでなく、気候変動の主要な原因であり、オランウータンを絶滅に導いている。

 「パーム油がオランウータン絶滅の主な原因だ」と、
オランウータン財団インターナショナルは述べている。

 毎年、野生のオランウータンの個体数の大部分となる1,000~5,000頭が、パーム油の伐採地で命を落としていると推定されている。

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絶滅危惧種のオランウータンは、わずかに残った森林地帯に追いやられる。行き場を失った彼らは飢えて死を待つだけだ。食べ物を探すため、ジャングルの外に出ると農園の従業員に見つかり殺されるケースも少なくない。

更には、生まれて間もないオランウータンは捕獲されて母親と引き離され、違法ペットとして売られることもある。

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photo by iStock

 

 

この映像は現場にいた野生動物保全と保護活動を行っている非営利団体「International Animal Rescue」が撮影したものだ。

当初、団体のメンバーは、このオランウータンを森林伐採現場から安全な場所へと連れていこうとした。

ところが、メンバーたちが見ている目の前で、オランウータンは倒された木にしがみつき、それを伝ってショベルカーに立ち向かっていったのだ。

そして、ショベルカーの先端部分を掴もうとし木から落ちた。メンバーは、機械を操作している人物にオランウータンを傷つけないように叫んでいる。

落ちたオランウータンはもう一度挑もうとするが、操縦していた作業員はオランウータンにショベル部分をオランウータンに向けたところ、茂みの奥の方にゆっくり移動した。

ここで動画は終わっているが、オランウータンはその後メンバーに保護され、まだ伐採されていない
森に戻されたという。

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この動画を見たユーザーらからは、

「なす術がないのに立ち向かおうとするオランウータンの姿が、ただただ痛ましい」

「この原因は人間が生み出しているんだよね…」

「オランウータンは、貴重な動物。守るために私たちは何かをするべきであって、生息地を奪うべきじゃない」

「胸が痛い」

「もし、自分たちの家がこんなふうに壊されたらどう思うか、ってことを考えるべきだよね」

「これが違法にならないなんておかしい」

「今まで見た動画の中で一番悲しい」

などといったコメントが寄せられている。

 

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自分の住処を荒らされ、それに立ち向かうオラウータンの姿は、ただただ胸が苦しくなります。

人間のやってきたことはすべて間違っていたんだと実感させられます。

 

 

パーム油入りの商品は基本的に買わない。

ただし、動物性不使用商品は購入し、企業にパーム油を使わないよう意見する、というのが今できる最善の方法だと考えています。

 

 

今回のようなハードルの高いものも、今後はあえて取り扱っていきます。

我々は一体どれだけ、動物をないがしろにして生きているのか。

色々な方面で発信することで、個々人の考えるきっかけになればと思います。

 

 

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