日本の恥、追い込み猟。
その追い込み猟の実態を描いたドキュメンタリー映画が、『ザ・コーヴ』(The Cove)です。
2009年にアメリカで公開されました。
LIAのインスタで無料で見ることができます。
<前編>
<後編>
映画で登場するリック・オバリーは、元イルカの調教師です。
イルカショーブームを巻き起こした、いわば多くのイルカを苦しめるきっかけを作った人物です。
その彼が、今はイルカ解放運動を行っているんですね。
鬱状態になっていたイルカのキャシーが、自分の腕の中で 死んだことをきっかけに、イルカショー推進派から、反対派に変わったのです。
そのままビジネスに精を出していれば、年間 億というお金が稼げたにも関わらず、です。
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イルカショーでは音楽が流れ、イルカの顔が笑っているように見え、イルカは楽しそうだと錯覚する。
しかし、餌場では必ずといっていいほど、胃薬のボトルがおかれている。
イルカたちが、ストレスで胃潰瘍になってしまうからだ。
野生のイルカを見れば、飼育に適していないのがよく分かる。
海に住むイルカは、1日65kmも泳ぐ。
朝、ここで波乗りをしていたと思ったら、1時間後には40km離れたところで獲物を追ったり、仲間と遊んだりしている。
彼らは音を駆使する動物だ。
1番性能のいい音波探知機だって、イルカに比べたらおもちゃも同然。
水の中では、その音波を使ってなんでも見える。
相手の心臓の鼓動や、相手が妊娠していても分かる。
音で多くの情報を得るんだ。
バルティモアの国立水族館がオープンしたとき、イルカはみんな死んでしまっていた。
原因は、浄水システムの騒音だった。
音にとても敏感で、聴覚が主な感覚器官だから。
太地でやられたのも、それが原因だ。
このまま行けば、太地は世界一のイルカ殺しの町になる。
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つまり、イルカは音がかなり重要な生き物なのです。
和歌山県太地町で行われているイルカの追い込み猟は、このイルカの性質を悪用し、入り江に追い込みます。
バンガーと呼ばれる、この鉄の棒を海につけ
カンカンとハンマーで叩いて、イルカの不快な音を海に大音量で流します。
音に敏感なイルカは、この音から逃げます。
仲間思いのイルカは、どれだけ恐怖の中であっても、赤ちゃんがいるとその子のペースに合わせます。
なので、赤ちゃんや子供がいるとイルカ達は捕まりやすくなります。
こうして、イルカ達は入り江に追い込まれていきます。
恐怖でパニックになったイルカ達は、岩に体をぶつけて出血したり
網に引っかかって苦しんだり、おぼれ死ぬこともあります。
イルカには、種類、性別、年齢に応じて、水族館に向いている子と向いていない子がいます。
水族館向きでない子は売れないので、その場で殺す処理を行います。
せき髄を刺すという非常に残酷な方法で殺します。
映画では、岩でぶつかったのか、猟師に切りつけられたのか。
瀕死のイルカが、活動家たちの前を、苦しそうに浮き沈みを繰り返し
最後に水面に体を仰向けにした状態で、海に沈み
そのまま上がってこなくなったシーンが印象的でした。
そして、この映画が撮られた時代は、殺すことを全く隠さない時代でしたので、海が血だらけになっていました。
これが日本の恥。イルカの追い込み猟です。
こんなものを文化とか伝統とか呼んでるわけですね。
追い込み猟は、9月~2月の間に行われます。
これをやってる猟師たちは、半年働くだけで年収1000万以上を儲けています。
ボロ儲けでウハウハでやめられないわけですね。
そして猟師によっては、その儲けた金を、パチンコとか、キャバクラにいって、散財しているわけです(マジの話です)。
水族館用に生き残ったイルカも、今後は狭いプールですごし、人間の金儲けのためにショーをやらされる一生が待っています。
ストレスで常同行動を起こすイルカや、自傷行為をするイルカが確認されています。
このイルカは、頭をぶつけています。
これは日本のイルカショーでの映像です。
たまたまプールから飛び出してしまったのか、それとも自殺をはかったのか。
観客は呑気にドジだなぁと笑っています。
このような残酷なことを終わらせるには、イルカショーのチケットを買わないこと、水族館に行かないことです。
イルカショーを見て喜ぶ客がいる限り、水族館が儲かる限り、
水族館はイルカを必要とし、猟師たちはイルカを捕らえにいきます。
イルカが売れなくなれば、追い込み猟は終わります。