先日のばんえい競馬の騎手が蹴った件で、アニマルライツセンターが告発状を送ったそうです。
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告発事実
被告発人は、2021年4月18日に、北海道帯広競馬場(〒080-0023 北海道帯広市西13条南9丁目)で行われた、実際にソリを引くレース形式で実施された、デビュー前の2歳馬の能力検査(令和3年度第1回能力検査)において、上り坂の障害を越えられず、うずくまる2歳牝馬ドウナンヒメ号(以下、ドウナンヒメ)の顔を、足で2度蹴り、ドウナンヒメの身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加えた。
罰条
動物の愛護及び管理に関する法律(第44条第2項、第48条の二)
告発の経緯
告発人は、2021年4月21日に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス上で、被告発人が動けなくなった馬の顔を2度蹴る動画が、動物虐待ではないかと物議を醸していることを知った。
告発人は、その動画をオンライン動画共有プラットフォームであるYOUTUBEの「ばんえい十勝official輓馬道」チャンネル(https://youtu.be/Ju90LAzc_r0)で確認したところ、次の通りの内容であった。
被告発人は、レース開始後2分20秒で、上り坂の障害を越えられず前脚の膝を折り、うずくまったドウナンヒメに対して、ソリに乗ったまま、繰り返し強く手綱を引っ張り、また手綱で尻を9回ムチ打った。
この間、ドウナンヒメは一度前脚を起こして前に進もうとしたものの、すぐにまた前脚の膝を折りうずくまった。
これに対してレース開始から3分50秒、被告発人はソリから降りて左横から手綱を1回引っ張った後、すぐに左足でドウナンヒメの顔を蹴り上げた。
顔を蹴り上げた後、被告発人が、数度手綱を引っ張るとドウナンヒメは立ち上がったが、またすぐに前脚を折りうずくまり進むことができなくなった。
前脚を折りうずくまったまま、立ち上がろうと何度も顔を地面に擦っているドウナンヒメを、レース開始から4分30秒、再度、被告発人は右足で蹴ったが、ドウナンヒメは前脚を折りうずくまったま顔で地面を擦り続け、立ち上がることができず、競争中止となった。
ドウナンヒメが上り坂の障害で動けなくなってから、被告発人が2度目の蹴りを加えるまでの2分10秒間、被告発人は、ドウナンヒメに対して、手綱の強い引っ張りを繰り返し行い、手綱による鞭打ちは9回行い、顔への蹴りを2度加えた。
手綱を引っ張るという操作法は、馬の口腔に差し込んだ「ハミ」を通して馬を制御する操作法(補足後述)であり、口という敏感な部分に金属棒を押し込んで圧力をかけるというこの手法は、敏感な口の中の組織に痛みを与えたり、骨病変を引き起こしたりするリスクが知られている。
また、ばんえい競馬では手綱がムチとして使用しているが、競馬におけるムチの使用は動物愛護の観点から、各国で制限が設けられており、日本中央競馬会(JRA)も「本会が定めるむち及びむちの使用に関する禁止事項について」の中で、「反応(脚勢)のない馬に対し,過度にむちを使用すること」などの禁止事項を設けているところである。
繰り返しのハミによる制御、ムチ打ち、2度の蹴りが加えられる間、ドウナンヒメは膝を折り、立ち上がって進もうとしては崩れ、苦しそうに顔を何度も地面で擦っていた。
告発人は、2度の蹴りだけではなく、2分10秒間にわたる馬の扱い全体が動物虐待にあたると考えている。
また蹴り以外のハミによる制御や手綱を使用したムチ打ちは、ばんえい競馬において他の騎手らも常用している馬の操作方法であること、さらに、馬に最大1トンにおよぶ鉄製のソリを引かせ、上り坂という障害のあるコースの競争を強いることから、ばんえい競馬自体が動物虐待にあたるとも考えている。しかしながら現行の動物愛護管理法上、2度の蹴り以外の行為を処罰することは困難であることが想定されることから、2度の蹴りについてのみ処罰を求めるものである。
告発人は、被告発人へ処罰を求めるとともに、本告発が、ばんえい競馬における馬の扱いへの問題提起となることを願い、告発に至ったものである。
補足:ハミを使用した馬の制御
「ハミ」は口という敏感な部分を利用して、馬を制御するためのもの。
ハミは口から頭部へと衝撃を伝え、痛みと損傷を与える。
ばんえい競馬に限らず、競馬、乗馬で使用されるが、ハミによる制御が虐待的であること、ハミの使用自体が問題行動を引き起こしていることなどから、ハミを使用しない手法(ハミなし頭絡)を広めようという動きもある。
Horse Revolution ハミによる制御が馬に与える影響
上り坂の障害で前脚を折り、何度も立ち上がろうとしてはうずくまり地面に顔を擦るドウナンヒメ
画像はYOUTUBEの「ばんえい十勝official輓馬道」チャンネルに公開された、本告発の令和3年度第1回能力検査18レース(2021年4月18日)https://youtu.be/Ju90LAzc_r0 のキャプチャ画像。
こういった光景は本告発のレースにおいてのみ見られるものではなく、最高1トンにも及ぶ鉄のソリを引っ張る馬が耐えかねて前脚を折り、顔を地面に擦り付け進もうともがく様は、ばんえい競馬において通常の光景。
![](https://arcj.org/wp-content/uploads/2021/04/banei2.jpg)
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無事、受理され、書類送検となるとよいのですが。
確かに蹴りの場面(4:04くらい)は最も怒りを覚えますが、改めて見ても競馬ってどれもひどいですね。
馬は奴隷以外の何物でもない。