【読書】西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』 | 新奇探求~飽きっぽいんです!

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現在ハマってるもの:ミステリ、映画観賞、観劇、カラオケ等 

日本ってお金の事は口にするな!!って風潮がありますよね。
みっともないみたいなイメージ。

お金より大切なものがあるとかなんか美談的な言葉を良く聞くけど本当にそうなの?
お金が無いってどういうことか本当に分かって無いから言えるんじゃないのか?

世の中ではお金で人生狂わされて、命まで捨てる人もいる。
家族の1食分を稼ぐために過酷な状況下で働く子供たちが世界にいる。
そういったのは、普段の生活で見えないよね。

そういうのは自分に関係無いと思っているところある人多いんじゃないかな。
私だってそうだし。
TVや本で見かけて、「まだ小さい子供なのに可哀そうに・・・」とは思っても、次の瞬間には忘れて、あー。もっと給料欲しいな―。宝くじ当たんないかなぁー。夕飯は肉にしよーかなぁー。あのゲーム欲しいなぁとか考えてる。

やっぱりTVや本で見た事って、スクリーンの向こう側の出来ごとでしかないんだろうな。感覚的には。


だから私がこの本を読んでも、おそらくその程度にしか分からないのかもしれない。分かったつもりにはなれるけど。実体験には勝てないですよ。
それでも凄く中身のある本だと思いました。まったく知らないよりは知っている方が良いにきまっています。こういう世界があること、考え方があることを。
この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)
西原 理恵子

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-06-23
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第1章 どん底で息をし、どん底で眠っていた。「カネ」がないって、つまりはそういうことだった。
第2章 自分で「カネ」を稼ぐということは、自由を手に入れるということだった。
第3章 ギャンブル、為替、そして借金。「カネ」を失うことで見えてくるもの。
第4章 自分探しの迷路は、「カネ」という視点を持てば、ぶっちぎれる。
第5章 外に出て行くこと。「カネ」の向こう側へ行こうとすること。
谷川俊太郎さんからの四つの質問への西原理恵子さんのこたえ
解説 勝間和代


本当にお金が無いと、人間関係も家庭も上手くいかない様子が分かります。実際に西原さんが貧困層が住む町に住んで実体験した時の話しが載っています。自分が生きてきた同じ時代の出来ごととは思えません。西原さんは、子どもながらに観察力が鋭いので客観的に大人たちを見ているのが凄いです。
リアルな描写なので、読んでて怖くなりました。実際に私がその環境に置かれていたら??
どうなってたんだろう・・・という不安。
でも、そういった環境でも人は生きて行かないといけないんですよね。たとえそれが子供であっても。


章を追うごとに西原も成長していくんですが、彼女の視野がどんどん広くなって行くのが分かります。
小さい時の自分の日常でも金の話しが、最後の方ではグローバルな視点を持ってお金について語っています。

西原さんは戦場カメラマンのご主人と出会ってからは、諸外国の貧困な生活をしている人達が暮らしている場所へ実際よく連れていってもらい、色々な物を見るようになります。
本当の貧困とは何か?生きるってどんなことなのか?という厳しさの中で生きて行く人々に実際にふれています。
ご主人が亡くなった後も、自分の子供たちを連れて、色々な国を旅して、色々な現実を子供たちに見せています。

とにかく、自分で実際に見て、触って、体験しないと気が済まない人みたいですから、色んなことを経験している人なんですね。



章を追うごとに彼女が強くなっていくのが分かります。
最初は、無口で自分の意見も言えない大人しい子だったのに、今ではその面影もないですから。。。
変わるにはやっぱり色々経験しないと駄目なのかもしれないですね。
私も多少社交的な振る舞いができるようになったのは、外に出て色々な人と関わるようになったからだし。


ちなみに、勝間和代さんが解説をされています。
この人の経済観念も自分でしっかりしたものを持っている方ですよね。
「お金」に関して正面から考えるのって大切なことなんじゃないかなぁ。
勝間さんも自分の人生の中で「お金」に関することでターニングポイントみたいなのがあったようですし。


生きて行くのに「お金」は必要不可欠なものなのは確かですよね。
みなさんも一度、自分と「お金」の関係について真剣に向き合って考えてみてはいかかでしょうか?