若かりし頃、職場の懇親会が有りました。
 メニューに手巻き寿司があり、
 年配のAさんと言う方に
 ちょっと作ってと言われお渡ししました。
 すると、
 あんた、品が無いなぁ こんな色々
 入れられて食べられるかいな。えー?

 そ、そうなんですね💦
 すいません。

 次にお茶を持って来てと頼まれました。
 すると、
 やっぱりあんた品が無いわ。
 お茶っちゅうもんは湯呑み六、七分めで
 止めるもんやで。入れ過ぎやねん。

 ひえーガーンすいません。

 つぎの日、先生宅に伺うと
 何かあったんじゃ無いですか照れ

 はぁ、先生には隠し事が出来ないですよね
 実は...と昨日の話を先生に。

 すると先生はカラカラと笑われながら
 あんなさんらしいお話ですね。

 ええっ、どう言う事でしょう💦

 あんなさんの事ですから
 お寿司は色んな具材を入れてあげたい。
 お茶も沢山飲ませてあげたいって思ったんでしょ?

 そうですね、自分がその方が
 嬉しいですから💦
 
 その気持ちは間違ってないんですよ。
 ただ嬉しいは人に寄って違いますからね。
 恐らくその方は品が無いと言う言い方から
 少しの物を品よく食べるのが
 お好みなんでしょうね。

 だから最初のお寿司は仕方ないにしても
 お茶の時は予測が立てられたら
 完璧でしたね。

 正解を一つの形に求めると往々にして
 失敗するんですよ。
 相手に寄って答えは千差万別ですからね。

 昔、私の村で面白い話が有りましてね。
 金持ちの気難しいお婆さんがいたんですが
 お嫁さんを募集したんです。
 で、花嫁の条件と言うのが野点の幕を
 上手く貼れる人と言うのが条件だったんです。
 あんなさん、どんな人が見事花嫁になったと
 思いますか?

 ええっびっくり
 やっぱり一人でテキパキと
 上手く貼れた人ですか?

 そう思うでしょう?
 村中のしっかり者が我こそはと
 挑戦したんですが、ことごとく全滅でねぇ。
 
 はあ、ガーン
 やっぱり気難し屋さんだけに
 誰がやってもダメって事でしょうか?

 それがね、最後に村一番のおっとりした娘が
 行ったんです。

 それは、また無謀な挑戦ですね。

 そう思うでしょう。
 所が結論から言うと、
 その娘が花嫁になったんですよ。

 ええっ?なんでなんですかびっくり

 その娘さんは最初から最後まで
 いちいち全部をそのお婆さんにお伺いを
 立てて、全部お婆さんの言う通りにしたんですね。

 なるほど。コペルニクス的な発想ですね💦

 そうですか?
 結局、人はね皆んな自分なりの正解が 
 有ると言う事なんですよ。
 だから相手の気持ちに寄り添う事が
 相手にとっては一番の正解なんですよ。
 そうそう因みに、あんなさんの
 入れて下さるお茶はお茶飲みの私にとっては
 大正解ですよ。照れ

 ありがとうございます😊
 そうですよね。
 形だけ追いかけても意味が無いんですね。

 勿論、基本の形は大事なんですよ。
 形無くして自由気ままに振る舞うのを
 形無しや形崩れと言うです。

 形をキチンと学んだ上で
 今度はそこから発展させていく事が
 大事なんです。
 それを型破りと言うんです。

 だからね、形無し、形崩れと
 型破りでは形を守ってない意味では
 同じようでも雲泥の差があるんですよ。
 
 分かりました。

 形だけでなく、
 相手目線でモノを見ると言う視点は
 後々、色んな場面で私を助けてくれました。
 三番目ちゃんの不登校の折も
 同じ事を伝えるにしても、この
 こう言う言われ方したら三番目ちゃんに
 してみたら どんな気分になるかな?えー?
 と言う視点が随分、無用のトラブルを防いで
 くれたと思います。

 全ての子供さんの不登校が一日も早く
 思い出話に変わりますように。
 心からお祈りしています。

 今日もお読みいただきありがとうございました。