「もう。知らないっ。バカ・・・」
さっきからメールも電話も反応なし。
もうすぐ私の誕生日が終わっちゃうのに・・・。
隣県で仕事しながら大学の夜学に通う彼、
誕生日といっても平日だから会えないのはわかってる。
でも・・・
「せめてメールくらいくれたって・・・」
悲しくて、淋しくて、悔しくて、 涙が零れる。
ピンポーン
チャイムの音?
こんな時間に誰?
恐る恐るスコープを覗く。
「え!?嘘っ!」
ドアを開けると白い息を吐きながら
彼が立っていた。
「・・・・・」
「誕生日、おめでとう」
涙が溢れ出す。
「どう・・し・・て?」
「電話やメールじゃなくて直接言いたかったんだ。」
「・・・」
「間に合った・・・よな?」
「バカ・・・」
彼の胸に顔を埋めてトンっと1つ叩く。
「ごめん。プレゼントとか用意してなくて。」
「バカ・・・」
もう一度 トン。
「なんだよぉ?さっきからバカバカって」
「高速、飛ばしてきたの?バイクで?三時間も?学校終わってから?」
彼の胸に顔をつけたままで一気にまくし立てる。
「あ?うん」
「危ないじゃない!途中で何かあったらどうするのよ?バカ・・・・・・
でも・・・嬉・・しい・・・ありがと」
涙でぐしゃぐしゃになった私を彼がきゅっと抱きしめた。
「それじゃオレ帰るわ」
「もう?」
「明日も仕事だしな。」
「うん。」
「会いたくなったらまた来るから」
「うん。・・・・・・あ・・・ダメ」
「は?」
「会いたいけど・・・・来てくれたら嬉しいけど、心配だから・・・。
だから・・・こんなの、だめ。」
◆◆◆◆◆
別にね誰かの誕生日なわけじゃないの。
昨日読んだ好きな作家さんのお話と偶々聴いたユーミンの『シンデレラエクスプレス』
のせい かな?
何故か眠れないのでちょっとお話書いてみました。
まだ携帯もメールもなかった時代。
東京発新大阪行き最終の新幹線『シンデレラエクスプレス』
名古屋―静岡だったから距離的には半分以下だったけど。
でも当時の私には十分遠い距離でした。
今、その距離を長女は当たり前のように新幹線で移動する。ちっ!
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