この鴎外の智恵袋では、アンガーマネジメントがとても役に立つのだ。
「怒らざる事」と「激怒」を合わせて一文にしてみた。
「汝の血を冷かにせよ、汝の血を冷かにせよ、
いずれの場合なるを問わず、怒りは人を服する所以にあらざればなり。
激怒は一時のものにして、後に至れば必ず釋く(とく)。」
怒ってしまいそうになる前に、これを暗唱してみるのが良い。
怒りが静まるまで、何度も繰り返し唱えれば効果を発揮するものと考えられる。
ただ瞬間湯沸かし器のようにすぐ怒ってしまう人には、当たり前だが効き目がない。
私も実践しているが、その効果は30%くらいだ、爆。
<怒らざる事>
人の汝が説を容れざるときは、我は汝のよく忍を知る、人の汝の説を排するときは、我は汝のなお或いはよく忍を知る、されど人の汝の説をあざける時は、我は恐る汝の怒らざることあたはざるべきを。汝の血を冷かにせよ、汝の血を冷かにせよ、いずれの場合なるを問わず、怒りは人を服する所以にあらざればなり、
<激怒>
激怒の癖あるものは、一時自ら抑え制することの足らざるために人を侮辱す、始めより人を侮辱するに意あるにあらず、もし性行の取るべきなき人にこの癖あらば、これと交わることなかれ、もし性行の取るべきある人にこの癖あらば、平生勉めてこれを温存し、誤りてその怒りに触れば、まじめに温言もてこれをとかんと試みるべし、慎みて冷淡の色を見することなかれ、その彼の怒りを煽ることは我が怒りをもってこれに対するより甚だしからん、激怒は一時のものにして、後に至れば必ず釋く。
他にも役にたつ項目があるのだが、今回はこれにて失礼。